HOLD ON TO THE MAGICAL KEY
-HERE IS KULA SHAKER'S SITE-


来日公演すら行きそびれた私が無謀にも企画してしまう、BLITISH ROCKBAND・KULA SHAKER'S PAGE!!!
タイトルは、KULA の曲でマイベスト3に入るくらいお気に入りの曲「UNDER THE HAMMER」の歌詞から取りました。
なんか不思議なカンジが彼らっぽいでしょ?(^-^)

「インド」に身も心も捧げた(というと語弊があるけど)彼らについて、まさにインド考も交えながら進めていきたいと思っています。
(ちなみにワタシ自身は、無宗教ですが・・・。)

<VOL.1   KRISHNA>
KULA SHAKERを語る上で、さけて通れないのが、Vocalのクリスピアンが熱い信仰を捧げている"クリシュナ神”です。
KULA SHAKERの1st album「K」の、CDジャケットの中央に描かれています。

もともとはヴィシュヌ神の化身した姿の一つで、代表的な化身は、魚、亀、猪、人獅子、矮人、パラシュ(斧を持つの意)ラ−マ、叙事詩の英雄ラ−マ(青年期)、クリシュナ、ブッダ、そして(これから世に現れるといわれる)カルキの十を数えます。
進化の過程をたどるように様々な姿でこの世に現れ、悪魔を倒し人類を救済する正義の味方、慈悲の権化として表されます。

クリシュナはヴィシュヌ神の幼少年期の図像で、片手に持つ横笛には天上の神の声のシンボルという重要な意味が込められています。
幼年期は牛飼いの村で育ち、悪魔を退治するかと思えば、母親の目を盗んでバタ−をくすねるなどの大のいたずら者です。

クリシュナの活躍する、偉大なインド叙事詩「マハ−バ−ラタ」については次項で・・・。


<VOL.2  マハ−バ−ラタ>
この世界最大の叙事詩は、紀元前10世紀頃実際に起こったバラダ族の領土をめぐる、パ−ンダヴァとカウラヴァとの親族間の大戦争が主題となっていて、紀元前5世紀頃現在の形にまとまったとされています。
クリシュナはパ−ンダヴァ軍の味方として登場し、物語の最後には人間を導く聖なる存在へと膨らんでいくのです。

この画像は、 いよいよ戦闘が始まろうとするときに、勇者アルジュナ(戦車の上)が親族を殺すより自害しようとするが、御者のクリシュナに「結果をかえりみずになすべきことをするのが人間の本務である。」と諭される・・・という、最も重要な場面です。

右上の木の枝には敵方の顔が描かれ、それぞれに”迷妄””憤怒””愛欲””貧欲”などと書かれています。
クリシュナは、知識の眼をもって対象を見抜くことを教えているのです。

この部分は「バガヴァッド・ギ−ダ−」(神の歌)と呼ばれ、古来ヒンドゥ−教徒に人生の指針を与え続けてきたということです。



<VOL.3  聖音OM>
   

続いては、クリスピアンのGUITERのボディに貼られているステッカ−のマ−ク・「聖音オ−ム」についてです。


インド哲学では、根本原質は音から出来たという説があって、 「聖音オ−ムは、宇宙創造以前から存在し、神々さえもそこから誕生した。オ−ムは、ム−ラマントラ(根本音節)であり、現世と天界を全て統合する宇宙敵振動である。」と唱えています。

たいていは画像のような、様式化された表意文字で表されますが、3音素(ア・ウ・ムa-u-m)と音のない1要素で構成されています。
最初の2要素は、炎と光の「発出」(宇宙のリンガ)と自然界の「胎」(宇宙の水域)を表し、サンスクリットでは「ア・ウ」が連結して「オ−」になるのです。
4つ目の要素は、文字の三日月の上の点として表現されていて、これは他の3要素の中に存在する絶対的霊を表します。

つまり、この表意文字は、ヒンドゥ−教の三神一体の概念と、それを超越する第4要素を表現しているのです。




<VOL.4  MANTRA>
KULAの曲「UNDER THE HAMMER」の歌詞にも出てくる「マントラ(真言)」について触れます。

語源はサンスクリット語の動詞である「マン(思う)」からきていて、深遠な精神的意義を持つ神聖な発声の中に込められる思念とされています。
<VOL.3>でも触れましたが、ヒンドゥ−思想では、音が重要な役割を持つのです。

字句上の意味を持つことはなく、一連の聖音節からなる複合マントラは、しばしばその意義をしらないまま唱えられ、世代から次世代へと、時には口頭で受け継がれていくのです。


画像の中の下段「オ−ム・マニ・パドメ・フ−ム」は、仏教で最も威力のあるマントラで、「オ−ム、宝石が蓮華の中にあり」という意味です。
(上段は意味をなしていない)