Mini(ADO15) とりあえず軽いマメ知識。


英国の奇才、アレック・イシゴニスが1959年に生み出した小型車。BMCグループよりモーリス・ミニ・マイナー/オースチン・セブンの2種類の車名で世に出て以来、40年以上にも渡り基本的な構造の変更の無いまま生産され続けた車。FFという駆動方式を確立させ、以降の小型車のパッケージングのあり方を示した点は自動車史に於いても非常に重要な功績である。また、「Minimum」からの造語である「ミニ」という新しい英単語を作ったのがこの車であることは以外と知られていない事実。ミニスカポリスもミニモーグも、この車無くしてはその名称は存在しなかった訳だ(謎)。

全長わずか305cm、800〜1300ccのA型4気筒ユニットを横向きに搭載、エンジンの真下にトランスミッションを配置する2階建てで、ミッションオイルとエンジンオイルを共用する特異な構造を持つ。ミッションはフルシンクロの4速。初期はリモートチェンジ式のギヤボックスが使用されていた。

ジョン・クーパーが手を入れたいわゆるミニ・クーパーはモンテカルロラリー(事実上)3連勝を始め、モータースポーツ界でも目覚ましい成績を残し、ミニが単なる小型実用車である以上にスポーツカーとしての能力を持ち合わせていることを証明した。

FFという駆動方式により、ロングボディのバンやピックアップ等様々なバリエーションを増やし、オースチン/モーリス/ブリティッシュレイランド/ローバー等のブランドで絶え間なく生産され続け2000年に惜しまれつつも41年に渡る生産を終了した。

とはいえ、日本国内の道路交通事情にマッチしたボディサイズ、豊富(すぎる)アフターパーツ、少々いじっても壊れない丈夫さ、そして何よりその愛らしいスタイルで愛好家は非常に多い。純レーシングスタイルから休日ピクニック系和み仕様まで、オーナーの個性がそのまま反映され、一つとして同じミニを見かけない程である。

2002年3月に国内で発売された新しいミニ(R50)はローバーの自動車部門を買収(すて、ミニのブランドだけ残して直ぐに残りは売却)した独BMW車の設計/生産によるものであり、ADO15ミニとは全く繋がりが無い。これはコレで良さげな車なのだが。


オススメ参考文献

THE MINI STORY ローレンス・ポロメイ 著/小林彰太郎 訳

オススメミニ映画

The Italian Job(邦題 ミニミニ大作戦) 怪作。ミウラを惜しげもなく潰す。Eタイプも崖から落とす。


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