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6月1日(火)
▼初夏の風も清々しい頃となりました。皆様いかがお過ごしでしょうか……と最も日記らしくない書き出しで書いてみたりする。
▼とまあ、こんなこと書いていたところで朝も昼も晩もビルの中に居たら関係ないが。今日も10時。これでも早い方になってしまった。

6月2日(水)
ブランキージェットシティ「ペピン」買う。さっそく帰りの電車の中、CDウォークマンで聴く。
▼このマキシシングルの二曲目「I LOVE TOKYO」……まだだよ。これまたHTML上で表記出来ない、はあとマークが。流行ってんのか、この書き方。
 歌の中身は即興で「I LOVE POOL……I LOVE TRAIN……I LOVE MUSIC……I LOVE TOKYO」とがなるだけのファンクナンバー。(歌詞カードには歌詞が掲載されていない)とりあえず石原都知事は喜びそうにない曲。
▼今年はBJCのライブの予定もないそうだし、ひょっとするとリリースもこれのみか。椎名林檎をグレッチで叩いている場合じゃないぞ浅井健一。と思いきや、一ヶ月後にシャーベッツのニューシングルが。

6月3日(木)
▼忙しい中でも本は読む。ジャック・ケルアック「路上」(河出文庫)読了 。

スピード・セックス・モダン・ジャズそしてマリファナ……既成の価値をふきとばし、新しい感覚をたたきつけた一九五〇年代のアメリカの反逆者たち<ビートジェネレーション>。ビートやヒッピーのバイブルとまで言われるようになった本書によって時代のヒーローになったケルアックは、ギンズバーグやバロウズらとともに、「ロスト・ジェネレーション」とならび称される文学世代を形成した。(カバー裏の紹介文)

▼↑の文章、悪文の見本だなあ、と思ってしまった、ということは置いといて。
 小説はよかった。感動した……感動したんだけど……。
 この小説を誰か他の人へ、ざっくばらんに紹介すると、「放蕩の限りを尽くす男、ディーン・モリアーティと、彼の行動に振り回される小説家サルバドル・パラダイスの一代始末記」といった方が正確じゃないのだろうか。

6月4日(金)
▼スケジュール通り進んでいるので、出なくてもいいのだけれど、明日出ることに。今日は早めに帰る……って午後9時じゃ全然早くねえ。
▼本郷三丁目駅前の書店(かなり長く営業している)にて織田作之助「夫婦善哉」(講談社文芸文庫)買う。新潮文庫版が絶版になっていたので、今回の文芸文庫での復刊は嬉しい。(新潮文庫版も、こきちゃなくなっているのを持っているのだが)
 しかも、表題作の他に「六白金星」が入っているのがもっと嬉しかった。新潮文庫版に比べて活字が大きいし。

6月5日(土)
▼東野圭吾「秘密」広末涼子・小林薫で映画化……って広末にあの台詞を言わすのかい。
▼小室哲哉もTM NETWORK(原点に戻ってあえて最初の名前かい)を再始動するというし、わけわからんよ。
▼寝起きが悪い。おまけに土曜というのは朝をちょっとすぎると電車の本数が少ない。
 午後四時に会社を出て神保町を歩く。三省堂書店にて「感覚表現辞典」(中村明/東京堂出版)買う。その後三田線で銀座へ。皆さん、すべて都合つかなく、来ることができなくなったそうで。11時ぐらいまで一人で居た。

6月6日(日)
▼「音楽と人」の後ろのコラムページに、花村萬月が昨今のJ−POPを評しているエッセイがあって、今月は、亡き佐藤伸治率いるフィッシュマンズの「宇宙・日本・世田谷」を取り上げていた。正確に言えば「WALKING IN THE RHYTHM」を、か。先月のTHE BOOMの「No Control」を取り上げたのに引き続き、このエッセイは絶妙だった。  今月でこのエッセイは終わりらしい。もっと続けてもらいたいのだが……。

6月7日(月)
▼昨日の暑さはどこへやら。夜半から雨が降り続く。
▼帰りに銀座へ。久しぶりの人に逢う。終電過ぎまで居る。  びっくりしたのは、その人と私で、誕生日が二日ちがいだったということ。てっきり七月生まれだと思っていたのに。

6月8日(火)
近ごろはやたらと「……させていただきます」という言い方が大はやりだ。JRの電車に乗れば「とびらを閉めさせていただきます」だし。ラジオのDJ氏も「ただいま電話とファックスの受け付けを締め切らせていだだきました」と、表面上は丁寧だが、実は慇懃無礼、冷徹にして誠意があまり感じられない表現が目や耳に障る。九七年大晦日のNHK紅白歌合戦でも、白組男性陣の司会者が「初めて司会をやらさせていただきまして……」と、わけのわからない日本語を口にしていた。現代は、まさに「させていただきます症候群」がはびこっている。(食の名文家たち/重盛敦之/文芸春秋/219ページ)

 この下りは、面白くもなんともないのだが、私個人は大笑いしてしまった。 なにせ、ごく身近に、「……させていただきます」を多用している奴がいるからなあ。そうか、あいつは慇懃無礼だったのか。よくわかったよ。

 引用したのは「食の名文家たち」の永井荷風の章の冒頭。荷風は昭和九年で、行き付けの浅草界隈の店の張り紙を見て、すでにこの言い回しの不可解さを指摘していた、と「断腸亭日乗」から伺えるという。
 荷風は一度好きになったものは何度も注文して食べていたという。意外といえば意外のような。でも私もそうだけど。納豆ご飯を一週間食っても平気……ってレベルがちがいますね、はい。

6月9日(水)
▼めずらしく天気予報を気にして、傘を持っていったのに(夕方にわか雨)降らないでやんの。

6月10日(木)
西村繁雄「まんが編集術」(白夜書房)買う。
 いつも通りの帰社時間、ふと本屋に立ち寄って手に取った。ぱらぱらとめくって、これは、と思いレジに持っていって1995円払う。
 ただいま読み中……なにしろボリュームがありすぎてその日のうちに読めない。本宮ひろ志も小林よしのりも秋本治も鳥山明も、同列に評されているのが好感もてるのだが。ああただでさえ少ない睡眠時間が削られる。

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