日記 index

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7月1日(木)
▼本日で、ホームページ制作のためにおける日記も三周年目。残念ながら事情で今年の分しかないが。
 もともと、日記は書き続けると続く方である。95年の日記が八ヶ月分、96年の日記が半年分、残っている。
 なによりも、生活に疲れるに従って、文章が雑になってくるのは、今とおんなじ。
 どんな時にも名文を書くことを夢見て……いや夢だけか。

7月2日(金)
▼疲れで金縛り状態。ラジオつけっぱなしで寝る。

7月3日(土)
「アヤツジ・ユキト1987−1995」(綾辻行人・講談社文庫)/「思想以前 今を生きぬくために考えるべきこと」(由紀草一/洋泉社)/「キスまでの距離」(村山由佳/集英社文庫)
▼池袋リブロにて、リトルモアの最新号と「佐藤君と柴田君」(佐藤良明・柴田元幸・新潮文庫)買う。 ▼誕生日会で呑む。正確に言えば「ひとりで誕生会やっても虚しいので誰か来て」と、ソエダさんムネカタさんをわざわざお呼びしての呑み。
 しかもムネカタさんに至っては「旅人側でちらっと顔を見たことがある」という程度の遭遇しかないという。
 ムネカタさんにいろいろへりくだりつつ、後半は熱い会話となる。なにせムネカタさんから、正面切って問題提起されるとは思いませんでしたよ。あのような意見を述べたのはムネカタさんが初めてだし、ごもっともではあります。
 座談の中で印象的だったのが、旅人が自分の意見なり回答を述べるなりして、ムネカタさんにしょっちゅう「それは俺のことを言ってるの? 旅人さんのことを言ってるの」と突っ込まれてしまっていたこと。
 あれで、「ここ最近の自分は、やけに一般論じみた口調でものを言おうとしているな」と気づかされました。普段の自分が、それぞれの立場を考えてものを言うべき環境に置かれているせいで、本音で語るべき場においても、つい人称を不徹底な角度に据えてものを言っているのですね。「あなたはこうだ。私はこうだ」という言い方を避けてしまっていた。
 有意義な空間だったと思います。ああいった形で問題提起されるのはいいことでした。ただ惜しいのは、バンド演奏に紛れて言葉がかき消されてしまったという。
 何よりも、ムネカタさんと遣り合うごとに、自分の浅はかさまで露呈されていたのが、私にとって収穫でありましたな。
 後半は私の方がかなり酔ってしまっていて、一度お代を徴収してから、またお二方に徴収しようとするような失態を演じてしまいました。

 ソエダさんも、服装に関していろいろな注文があった末、結局スーツを来てくださって申し訳なかったです。ネット間で、そしてじかに会ったときに、いろいろ恥ずかしい現場を憶えてくださっているようで、感激です。いや、いろいろ見られているな、という点において。
 ムネカタさんはこちらの予想以上の存在感で圧倒してくださいました。「ネットのモテ系を目指す」と言い放って、何の違和感もない、清々しさだけが残るというのは貴重です。(普通は、そんな言い方されれば、ムカツクだけなんだけど)
 様々な思いを駆け巡らせながら、降り続く雨の中で皆様と別れました。ありがとうございます>ムネカタさん、ソエダさん
 27にもなってこのいびつな生活態度が改まるのかどうかわかりませんが、なにしろ突発的な性格なので、苔も付かずに転がっていく岩みたいな人間ですがよろしく。(ってこの言い方も事務的で主体性ないなあ)

7月4日(日)
佐藤君が「忙しい」と言うのを柴田君は一度も聞いたことがない。たいていの人が「いまちょっと忙しい」と行って済ませるであろう状況でも、佐藤君は「いま○○の仕事をやっているので××まで時間が取れない」という言い方をする。もちろん、この言い方だって嫌な奴が嫌な口ぶりで言えば、「忙しい」と似たようなものだが、少なくとも佐藤君が言うと、「忙しい」と言って漠然と状況のせいにするのではなく、自分が抱えている事態に一応自分で責任をとろうとする姿勢が感じられる。(佐藤良明・柴田元幸「佐藤君と柴田君」)

 忙しい理由、というのを明確に説明するのは難しいなあ。「少女漫画読むのに忙しい」「酒を飲むのに忙しい」「寝るのに忙しい」などと言ったところで積極的な忙しさを感じさせないだろうし。ここに挙げた事例は、俺様にとっちゃ大事なことなんだが。
エレファントラブのマキシシングル「STAY GOLD」買う。一曲目のハードコアより、ボーカル参加の忌野清志郎本人のアコースティックギター演奏まで入っている三曲目の方が好き。

7月5日(月)
▼CD−ROMは、かなり安易な形で、雑誌の付録として成り立っている。一冊千円前後で、ほとんど広告だけで中身もないのにこれって暴利じゃないの、と思えるようなパソコン雑誌にはたいてい添付されている。(嫌味な書き方だ)
 あれ、いずれは捨てることを考えて付録にしているんだろうか。
 永久保存を見越して雑誌を作っているんだったら話は別なんだが、特にパソコンの情報誌、ということでいずれは内容が古びてくるだろうに。
 などと無駄口たたくのも、単に捨てるのが億劫なだけで。

7月6日(火)
▼10時に会社を出て銀座へ。
 酒を飲むより、ただひたすら食べる一時間半。雨に祟られはしなくとも、生温かい風が吹く地上へ出る。
 旭屋書店のウィンドウの真ん前で、地べたに携帯電話とハンドバッグを放り出して、うずくまって声を殺して泣いている女の人。
 みゆき通りの交差点で、「タクシーいかがですか」と声をかけてくる小太り初老のおっさん(そこまで暇なのかタクシーは)
 みんな孤独。他人の孤独が際立ってくるほど、自分の孤独が隅に追いやられていく。まるで宇宙の塵。
THE BOOM「月に降る雨/不自然な運命の中で」山崎まさよし「ド ミ ノ」黒夢「EMI 1994−1998 BEST OR WORST」買う。

7月7日(水)
▼昼休み、本郷のレコード屋(という名称なのであえてそう呼ぶ)に行ってシャーベッツのニューシングルを買おうとしたら「売り切れです」踵をかえしてお茶の水へ。ディスクユニオンでSHERBETS「HIGH SCHOOL」買う。これで昼休みはつぶれる。
▼旧来の価値観で縛られた教育現場における憤りの声を浅井健一がパンク音に託した叙事詩、なわけがない。全部嘘。
「夢は壮絶な最期を遂げることじゃない」という一節にまとまりすぎている感があるな。最近の浅井健一の詞はシンプルなのが多いのだが、こじんまりとまとまりすぎているような。

7月8日(木)
▼他人様の影響で漫画を買う日々。二宮ひかる『ナイーブ』(白泉社)@〜A買う。

7月9日(金)
▼暇がないと、ついつい物を買う方に走ってしまう。ミスチル『DISCOVERY』買う。
 夜は銀座へ。空腹に叫びたくなる日々。

7月10日(土)
▼仕事を終えてマサトクさんに電話をかけたら、「しばたさんのところの飲み会は明日」と言われてしまった。このときで11日が日曜だと気づいた。なぜか「飲み会」だということで土曜だと思い込んでいたらしい。
 そのまま銀座へ。

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