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7月11日(日)
▼午後に目覚めて、夕方に備えて些事をすます。この間、断続的に雨が降り、その中を自転車で進んだものだから濡れる。シャワーを浴びている間、集合時間に間に合わなくなることが決定。何の用事もなかったのに。結局遅れることになるのか。
 ロサ会館の脇、と聞いていたので、つい癖でシネマロサのある通りを探してしまった。回りまわって路地側に。「舎人庵」の扉を開けると、着物のお姉様に案内されて二回へ。やはり、すでにしばたさんのバースデイパーティは始まっていた。
 最初のうちは皆さん遠慮していた様子で、あまり料理が出てこなかったが、会話が弾むにつれて食べ物も飲み物も出てきていた。
 しばたさんとこれだけ話せたのも初めてでしょう。日記にかける時間が一日五時間と聞いて、やはりそれだけの時間のかけ方があの書評のクオリティーを支えているのだと感じました。「毎日やるだけで、それだけの評価を受けるのだからちょろいもんですよ。でも、それでいい気になっちゃいけないんです」と謙虚に主張されるしばたさんを周りから拍手する。しばたさんのバースデイだし、ってことで。
 日曜の夜にもかかわらず11時過ぎまで座り込んでいましたね。皆様お疲れさまでした。

7月12日(月)
▼いやはや、残った残った、昨日の日本酒が。
 胃薬と頭痛薬を併用してなんとか持たせたけど、眠いのなんのって。

 今年一緒に仕事をした方と飲んだとき、やはり日本酒のお店だったんだけど、その方は「純米酒は残らない」ということを力説されてました。
 最近の私はバーボン・ウィスキー・焼酎系統にシフトしてしまって、日本酒がいちばん縁遠くなってしまっているせいなのか、純米酒だろうとなんだろうと、残ってしまいましたよ。
 こういうのは、体質がつくられてしまうなのかね。

7月13日(火)
二宮ひかる『ナイーブ』B買う。

 青年誌における女性作家の進出は目覚しいものがあって、ヤンジャンなんかそれこそ大半が女性作家という状況。(逆が少ないのが不思議。少女漫画を描く男性作家がもっと増えても不思議じゃないと思うのだが、やはり投稿しないからか?)男性が気づかないところでの、もしくは女性特有の「女の子を可愛いと思うシチュエーション」に敏感な女性作家さんが、それぞれの絵なりストーリーなりにうまく反映させて、あとはさりげなく制服姿や下着姿を添えて、青年誌のラブコメ市場を活発化させている。
 彼女たちは、異性同士が寄り添いあうことへの憧憬、近くにいることへの高揚感を、男性作家が描くよりうまく掬い上げている。(もちろん、お互い見つめあって寄り添っていても、男性と女性は、それぞれあらぬ方向を見つめている可能性が十分にある。その辺までうまく汲み取れているかどうかは、作品による)
 ただし、恋愛というのは高揚感だけで成り立っているのではなくて、見栄や嫉妬や裏切りや打算など、マイナス要素もたくさん引き連れてくる空間であるのだが、そのへんはほとんどのラブコメでは、あからさまに描かれることがない。読者の不快感を誘うことになるため。結果として、似たよりよったりのラブコメばかりが溢れている。

 二宮ひかる『ナイーブ』……すでにこの重量は「ラブコメ」と呼べないんだろうが、この作品は男性と女性が「共有できない」空間のみで埋め尽くされている。見つめあってどきどきするだけで終わることのない、死にたくなるほどの粘着感(人間という生命体が、営みにおける水分に絡まれていった末の)が読者を被う。
 決して読者を甘やかさず、気持ちのいいところに連れていってくれないところが、他の青年誌向けラブコメと一線を画す点で。
 ところで、ヒロイン麻衣子の、(おそらく意図しているんではないでしょうが)1巻目が線も細く頼りなげな印象の絵に比べ、3巻目に行くに従って強くはっきりとした線で眼を大きく見開いた絵に成り代わっているのは……まるで亡霊が実体を取り戻していくような変遷が、男から見た女の印象を具現化しているのかと思いました。
 考えすぎ?

7月14日(水)
▼今季号の「ブリッジ」買う。ってこれを読む間もなく夜の一時じゃねえか。

7月15日(木)
▼さて、二周年か。
 一周年目と比べて特別な感慨がない。強いて言えば日記まるごと二年分残っていないというのが何ともはや。いやもう、金持ちのくせにみみっちいことを言う奴も居たもんだと、そしてそいつらが個人ホームページの運営にまで影響を及ぼすことになるとはな。とにかく広いこの世界、いろんな人間がいるもんだと。いい社会勉強になりました。
 やめた、他人のことはどうだっていいや。
▼日記を公開し始めの頃と現在の文体を比べると、その体温の違いに圧倒されてしまった。自分の文章なのに。喩えて言えば、お笑い芸人の熱いしゃべり口調とアナウンサーの事務的口調の違いぐらい。
 やっぱり、自分が何がしかの恣意をテキストに綴るときは、その初期衝動の段階での「ぬくもり」「熱意」があるわけで、ホームページ以前の文章生成ではもっと、それをそのままダイレクトに示すことが少なくなかった。(自分用の日記はもっとメモに近いし、小説は読みなおすし)PDA機器を駆使して電車の中で綴っていることもありますしね。それも酒っ気入った状態も珍しくないから、生々しくも正真正銘の自分の「ことば」でありまして。
 それがいざ自分で読み返したとき、「こんなこと書かなければよかった」と公開にさいなまれ、恥ずかしさで修正(日記を修正する、という行為自体もつくづく変と思っているけど)する。そんな手間をかけるなら、後で読んで恥ずかしくならないような文章を最初から書けば良い、という結論に達し、最近のは素っ気なくなりましたね。
 書きたいことはいっぱいある。だけど同時に「読むに値する」ような文章であらねばならないということも考えて。
 ただただ長いのも読みづらく書くのが大変。それならば行間のみを読者に喚起させる文章が良い。ってこうお題目ばかり挙げて実行できているのか怪しいのはいつものことで。
▼最後にソウルフラワーユニオンの中川敬の言葉の引用で締める。ってまた引用かい。
「好きな人にはもっと好かれたい。だけど嫌いな人はもっと怒らせたい」
以上。

7月16日(金)
▼朝、駅の本屋で「ロッキンオン・ジャパン」買う。
 夜は夜で、スピッツ「名前をつけてやる」「惑星のかけら」「クリスピー」まとめ買い。

7月17日(土)
▼9時半から18時まで会社、って平日の時間と同じやんけ。
 ちょっと神保町へ寄って本屋を物色しようとしたが、やめて三田線でそのまま銀座へ。

7月18日(日)
▼昼前に起きて頭痛薬を飲んで、自転車のタイヤに空気を入れて、盛夏の熱気と戦いながら会社へ。そのまま夜の10時半まで。

7月19日(月)
▼なんかもー、「会社から何時に帰る」と「何を買った」と「銀座へ行った」しかないな、ここんとこの日記を読み返してみると。
 なにしろ明日は海の日だ。海といえば水着だ。(漫画週刊誌の巻頭グラビアの煽り文句みたいだな)世のお嬢様方も浮き足立っていることだろう。というわけで、ヤフーで下記のような検索をしてみた。

水着+日記

 いきなり2701件も出てきた。ではではもう少し範囲を絞って、

水着+日記+ビキニ

 181件。これは先ほどの検索結果の中に含まれている人が「ビキニ」についても言及しているのだろう。

水着+日記+ワンピース

では0件だった。おそらく、「ビキニ」という単語は「水着」という単語の意味合いが強いのに比べて「ワンピース」は既製服にも存在する(むしろ「ワンピース」と発音した場合、こちらの方を連想しやすい)からだろう。

スクール水着+日記

では0件なのに対し、

競泳用水着+日記

では8件ヒットした。
 読んでみると、女子大生がプールに行った喜びを伝える素朴な内容であったりして「競泳用水着ってセクシー」などと書いてあったりすると、こちらの心もかき乱される。しかし俺、何をやってんだか。
 ところで、私はなぜか「海の日」にちゃんと休めたことがない。「海の日」が施行された年に入社したせいなのか。
 それ以前に、ここ何年も海に行ってないな。
 というわけで明日も会社だ。

7月20日(祝)
▼何度も書くとうっとしいだけなのだが、昨日予告した通り、今日も仕事をしている。
みずしな孝之さんの日記の1/15付で、

>そうか。世間は3連休か。みんな休むがよい。僕はひと足先に行く。

 うわ〜かっちょええ。休日出勤のときはこのフレーズを胸に刻むことにしよう。しかし、これだけ休日出勤していると、時代を先取りしすぎて大変だ。
▼六時半に会社を出て銀座へ。理由は書けないが、「現金な奴だな、おまえ」と言われてしまった。(最近はいろんな人から面と向かっていろんなことを言われる)そうか、現金な奴か。カードな奴とはちがうわけだな。何しろ現金一括払い主義だし、などとベタベタなギャグを返せば、よけい馬鹿にされそうなので黙っていた。
▼レベッカの「Love is cash」という曲の「ときめきは現金のスリリング」ってよく考えると意味不明なんだが、耳に残る。

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