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1月11日(火)
▼タクシーに乗る。これから約二週間、毎朝タクシーで八王子駅を行き帰りする。二週間とはいえうんざりする。
 同じルートでも、小渋滞に巻き込まると遠回りになるので、直通でかかる料金の二倍ほどに上回ってしまう。
 後から交通費として申請するからいいようなもの、根っこが貧乏性で、カウンターの跳ね上がり方を気にしている。
 (駅前に向かう車は、この時間帯ではいつも渋滞するらしい)

1月12日(水)
▼<今日のタクシー>
 女性が運転席にいるので、ドアを開けた当初は「まちえたかな」と思った。
 言っちゃ失礼だが、無造作なロングの髪と細面の青白い肌、振り向いたらノッペラボウだとか雪女だとかってことはなかったが、囁くような声で女性運転手の応対を受ける。
 それとはまったく無関係だとは思うが、帰りがけには雪がちらついていた。

1月13日(木)
▼夜が明ける。ビルのガラス越しから見る景色は、薄ぼんやりとした冷気に包まれている。今日も寒そう。午前五時に仕事を終えてから8時半に会社を出るまで、ネットで遊ぶ。
 水道橋から新宿に出るまでかなり混んでいるが、多少は通勤のピークが過ぎ去った模様。新宿で中央特快に乗り換えれば早いんだろうけど、座って眠っていたかったのでこのまま終点の立川まで。そこから八王子へ。
▼<今日のタクシー>
 助手席のカバーに、運転手の簡単なプロフィールみたいなものが掲げてあって、後部座席に座った客側に見えるようになっている。

 私の趣味

 1 ボウリング
 2 魚釣り
 3 ドライブ

 客とのコミニュケーションの一環として、こういう内容をわざわざ書いてあるんだろう。それにしても1位がドライブじゃないのね、やっぱ。
 世の中のタクシー運転手の中には、運転好きだからその仕事に就いたっていう人だっていなくもないだろう。PC好きがプログラマーになったり、旅行好きがツアーコーディネーターになったり、漫画好きが……。

 帰りのタクシーは、気合いを入れてエンジンをふかす、額の広がった初老の男性。おかげでいつもかかる料金が浮いたが、昨日の昼から24時間何も食べてないので、空っぽの胃が揺さぶられ、酔いそうになった。
BRAHMAN「deep/Arival Time」買う。「deep」の方はあちこちで耳にしていたが、どちらかといえば「Arival Time」の方が聴きたくて買った。

1月14日(金)
▼<今日のタクシー>
……って書くことないや。
 八王子は駅から離れると標高が高いせいか、駅周辺でおさまっていた霧がまだまだ濃かった。
▼写真雑誌は主要写真がどうしてほとんどがモノクロなのか。

 1 すべてモノクロフィルムで撮っているから。
 2 カラー写真を使わない方が単価を安くできる。
 3 モノクロの方が臨場感を演出できる。インパクトがある。
 4 (……と書こうとしたところで駅に着いたのでこのまま)
▼夕方から銀座へ。
「俺って、酔ってるってわかるの?」
「うん」
「兎みたいに眼が赤いとか」
「ううん、最初居る時より、眼がすわってくる」
さいでっか。

1月15日(土)
▼銀座へ。ちょっと遅れてソエダさん来る。マサトクさんも後から来る予定でしたが、不意の仕事で来られず。二人だけで熱い会話になる。
 やはり驚きなのが、私の住処のすぐ近所のセブンイレブンで、ソエダさんかかつてバイトをしていたという話。
 お互い深夜のバイトだったのでニアミスしていたらしい。
 夜勤明けでいつもそのセブンレイブンに立ち寄ってカスタードチョコケーキとキリンラガービールを買って、(今考えてみると変な取り合わせ。こんな組み合わせでも肉体労働者だったので太らなかった)疲れた身体をひきずって住処へ向かうのが定番となっていた。かれこれ五年以上前。
▼小説について会話ができる人はそれほどいない、というソエダさんの言葉を受けて、よくよく考えてみれば最近小説について語る機会がめっきり減ったように感じた。一時期は自分でオフを企画するなどして動いていたのに。
 いろいろ理由はあるんだろうけど、語るだけの時間を費やすくらいなら、その時間を書く方に費やした方がいいのだろうと思い始めてきたこと、小説から汲み取られる漠とした感覚は、いちいち他人との意志疎通の中で出すこともないんじゃないかと思い始めてきたことなどですかねえ。
 意志疎通ということで考えれば、ただただ自分が思っていること(これは小説に限らず何でも)をそのまま夢見心地で語っても、相手に伝わるとはとても思えないし。

1月16日(日)
▼↑んで、いろいろと語って明けた夜が明けた次の日というのが、やけに消耗していたりするのですね。何も手に着かないまま過ごしたり。

1月17日(月)
回転寿司占い結果
(文章と順番は一部変更してあります)

君はウニ人間だ!

あなたは、ルックスやスタイルの良さに惹かれるいわゆる面食いな人。重い関係はするりとかわし、軽いタッチのつきあいを好みます。結婚後も多くの異性と交流を持ちたがります。

あなたは、堅実でスタミナがあり、勇気のある人間への憧れが強い人。また、ユニークな発想のできる人になりたいと思っています。

あなたは人にまねできない個性的なヒラメキをする人。そんなあなたの性質を鋭く見抜いてくれる人を大切にしてこそ、あなたの才能は飛躍的に伸びます。

あなたは、普通の人が思いつかないユニークなものの考え方ができる人。アイデアマンで才能豊かなので、大成功して、一躍有名になる素質があります。

あなたは、極めて庶民的な金銭感覚。ひょっとするとケチなくらいかもしれません。欲しいものがあってもグッとこらえられる人。

あなたは、家族みんなで楽しく暮らしたい、にぎやかな家庭が欲しいという気持ちの強い人。幼少期に育った自分の家庭のイメージを大切にします。


 当たってんだか当たってないんだかわかんねえ。一部笑いを取りそうな部分はあるにしろ。
▼同時発売の「ロッキンオンジャパン」と「ブリッジ」買う。
 そういえばロッキンオンもサイトができたんだよな。
 ここの編集部日記は、交替で書かれているのだが、書く人間が他の編集部員の悪口を書いているところがおかしい。ほとんどけなし漫才である。(やはり編集部員の数がいちばん多いせいか「ロッキンオンジャパン」がいちばん更新頻度は高い)近日中に「日記リンク」に加える予定です。
▼夜9時に会社を出て銀座へ。

1月18日(火)
▼八王子東急スクエアは、建物の中心部を空洞化させて最上階まで見えるようにして、エスカレーターを螺旋上につくり、エレベーターというよりガラス張りのゴンドラが勢いよく上下して、むき出しになったワイヤーがせわしなく動き回っている――てな状態を見ていると、無意味な不安定感というか恐怖感を誘発させる気がする。高所恐怖症の人なんかは耐えられないんじゃなかろうか。
▼8時前に会社を出て銀座へ。
 丸の内線終電前に出る。
 終電辺りに行くルートはだいたい決まっていて、池袋駅構内のトイレも頻繁に使う。便器を使用していた初老の男が、清掃中のこれまた初老の男に向かって言った。
「これよ〜俺の便器の中にあるけどよ〜(吸い殻を指さして)俺が捨てたんじゃないぞ〜わかってくれるよな〜」
 なんだかんだ言いながら年輩の人は日本人的道徳観念を守るのだなと知った冬の夜。

1月19日(木)
▼家を出るとき、空の不透明な色を見て、一応ビニール傘を用意して出た。
 八王子駅でタクシーに乗ったとき、運転手さんが「雨が降ってきましたね」
とぽつり、一言。その声でフロントガラスについた水滴を見る。
 帰りがけの快速の中で寝てしまったので体温が下がっていた。水道橋駅を出たら雨。身体の芯まで冷え込んだ。
▼「夕鶴」と「雪女」って物語の構造が似てたりしない?
 どちらのエンディングも、男がとったささいな言動によって、女が必然的に(印象的なシーンを伴って)男の元を去っていく。
 実は「夕鶴」のモデルになった男は、妻に機を織らせて自分は働かないろくでなしだったとか。「雪女」のモデルになった男は、子どもと自分を残して家出されたとか(そして言い訳として「雪女」のストーリーを喋ったとか)寓話に対してこういう妄想をしてはいかんのだろうが、「お話」がひとり歩きしていく過程の裏側にある真実ってのが、たいていこういうしょうもないものだったりするから。噂話だの伝説だの。
▼んでも「男の元を去る女、残された男の間抜けさ加減」という位置づけで捉えると、なんとなく恋愛小説ものの構造を呈しているような。いないかな。

1月20日(金)
▼「夕鶴」と「雪女」の続き。
「夕鶴」は、子ども向けの童話では「鶴の恩がえし」という名前でもわかるように、男が女に恩を請け負った。そのお返しに女は男に恩を償った――って過程だったらよくわかるのだ、んだが、
「雪女」は、男の父親を凍り付かせた、その現場を見た男、その男に嫁ぐ……って過程がよくわからないんだけど。
 秘密を知られた男に、なぜ危険を冒してまで嫁ぐんだが。
▼その秘密を考えあぐねたまま銀座へ。

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