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6月1日(木)
▼若者は本当に不遜か。
 銀座で飲んで終電の列車に乗った。吊革につかまっている脇で、飲んだ帰りらしい数人の男女がにぎやかに話し込んでいる。
 発車の合図で車体が動いた。急激な運動に、僕のすぐ脇にいた青年がよろけて僕の足を踏んだ、彼はすぐ僕に「すいません」と謝った。
 彼はすぐ、何事もなかったようにして、彼の集団へ戻って、酩酊が頂点に達した女の子を気遣いながら会話を復活させた……。
▼若者、と呼ばれる集団にとって、あくまで大事なのは自分と、自分が信頼を寄せられる集団であり、その外縁に関しては、時には必要以上に気遣い、時には必要以上に敵対心をあらわにしたりする。
 いま僕の目の前で座席にすわっていたカップルが、いちゃいちゃした会話をエンドレスで続けているつもりのままでいながら、彼女の方が抱えていた傘を手放して、それが僕の目の前で倒れてきた。彼女は馬鹿丁寧な言葉で僕に謝った。
 自分と周囲の距離の取り方は、考えれば考えるほどむずかしい。

6月2日(金)
▼10時半に会社を出て赤坂見附の駅まで。改札を通ってからの地下道を通ってもやっぱりかなりの距離を歩く。それから銀座へ。酒よりご飯。
▼マドンナの「ライク・ア・ヴァージン」をバンド演奏で聴いていてふと思ったんだけど、この曲は打ち込み音じゃなければグラムロック系じゃないかと。あのリズムをマーク・ボランがギターで弾いてもはまりそう。「ゲット・イット・オン」歌いそう。

6月3日(土)
▼雑事に手を焼きながら12時前に会社に来て、7時過ぎまで。
 それから銀座。疲れて胃が弱っているのにボトル入れているわ、飲み続けるわで。
▼そういえば二千円札はどうなったんだろう。構想していた内閣がなくなったから、あの企画もお流れか?

6月4日(日)
▼敷き布団を買うので売場担当のおばさんに声をかけたら、「買い物カード作りませんか。カードがあれば一割引になりますよ」とのこと。そうなのだ。ここ最近はさかんに買い物をするごとにカードを奨められていた。一割引を拒否するような変人扱いされるのも何なのでカード申し込みのカウンターに連れていかされる。しっかし、つくづく、カードの書類記入というやつは気が重い。
「入会費無料だから」と言われても、書類作成が簡単じゃないんだよなあ。
 特に、俺はどこのどういう会社に行って、年間いくらもらっているんだとかいちいち言わなきゃならないところ。もちろん返済能力や破産の可能性を無言の圧力でもって審査されているわけである。なにしろ一回のキャッシング限度額まで申請しなきゃいかんってのは。10万も20万も30万も変わらないような気がするってのは、単に俺が買い物下手だからかな。「カードは嫌いですか」とまで言われる。うん、嫌い。
 気の重さを「……これは『つきあい』だから……」という無言の声でまぎらわす。会社に行ってりゃ、給料の引き落とし先は、うちの会社と取引のあるあの銀行の支店にしろだの、あそこのカードを作れだの、保険はうちと取引のあるあの会社にしろだのって、いくらでも来る。単に名前を貸すだけなんだからという単純な物言いも、むしろ胡散臭いと感じている。何しろカードを作る、自分の名義の口座を作るというのは、それだけ個人情報を表に出す行為なんだからさ、そうそう気軽なものじゃない。
 かといって、世の中が(最近にしてみれば、日本経済が)うまく回っていくためにこのようなしち面倒くさい手続きを踏まされるのはいたしかたない、断ったらとことん野暮な人間扱いされるだけだから、と自己完結して、カウンターのお姉さんに言われるままにボールペンで項目を埋めていった。
▼書類記入は苦手、って「大好き」と公言するような酔狂もいないだろうなあ。こういうカードは、女の子の場合あまり抵抗がないらしく、何枚も持っているという人も珍しくない。買い物、という趣味というよりライフスタイルが、彼女たちにカード業界と真っ正面から立ち向かえる心意気を植えつけるのか。
▼池袋レコファンで椎名林檎「勝訴ストリップ」買う。やっと買いました。ついでに永瀬正敏「CONEY ISLAND JERRY FISH」買う。未開封盤にして500円。会員サービスで100円引き(プラス消費税)
 その後池袋タワーレコードに行き、期限切れになりそうなポイントカードの1000円分を使ってRCサクセション「ハードフォーク・サクセション」買う。

6月5日(月)
▼アサヒグラフのモー娘。特集、保坂和志の文章がすごい。というよりこんな筆致で「LOVEマシーン」評を書こうと思っていたのに、先にやられてしまった。
▼RCサクセション「ハードフォーク・サクセション」
 名前通りRCのフォーク時代のベスト。東芝から発売されているCDが1800円で一挙に再発されたときに、なぜかこのアルバムまで初CD化。そのため今まで入手困難だった当時のシングル音源までCD化されている。(「宝くじは買わない」が入ってないのはなぜ?)このアルバムの個人的に好きなのは「イエスタデイをうたって」(冬目景の漫画のタイトル元ネタ)

6月6日(火)
▼椎名林檎「勝訴ストリップ」
 今になってやっと買った。というのも発売当時の林檎狂騒曲に巻き込まれたくなかった……というか、ただ何となく買わなかったというか。
 なにせ、一年前の「無罪モラトリアム」発売当時なら音楽好きの一部の人ぐらいしか知らなかったはず。(例外として広末ファンやともさかファンもいるのか)それが今じゃあまり音楽を知らないような女の子ですら「勝訴ストリップの中では「虚言症」と「闇に降る雨」が好き」なんて告白されるご時世。さすがに200万枚は伊達じゃない。
 週刊プレイボーイの新譜紹介では「『無罪モラトリアム』を買った100万人のひとりひとりが椎名林檎をいちばんよくわかったような気になっている」と評されているが、「勝訴ストリップ」発売前後に蔓延していた空気を言い当てていると思う。この手の「個人の心の奥底とリンクしようとしている存在」といったら、尾崎や長渕、果ては太宰やドストエフスキーまでたくさんいるんだが。
▼「勝訴ストリップ」を通して聴いた時に感じるのは、世間で思われているほど言葉を大事にしているわけではないこと。つまり、桑田佳祐を連想させるような、音楽人としてシンガーとして歌詞を乱暴なまでの切り刻みよう。たいていの女性シンガーソングライターは、歌詞を重要な要素として本人のたたずまいにかぶせるか、歌詞だけ切り取っても短編小説として成立するような精巧さがあるもんなんだけど。この人の奔放さときたら。歪ませてはっきり聞き取れなくして録音することすら厭わない。

6月7日(水)
▼会社の飲み会、流れに流れて3次会、午前2時、神田にて。それから同僚が旧知していたカプセルホテルに止まり。周りは男ばっかり。従業員も掃除人もみんな男。なにせコピーが「できる男のホテル」だよ……。

6月8日(木)
▼JR神田駅で「モー娘。準備中」のポスター。ドリームネット広告のポスターを盗られるもんだから事前に準備していたのか。それもJRじゃなくて、ドリームネット自体がその広告を作ったらしいし。やっぱりこうでもして対策たてないと広告できないのかなあ。
 んで、そのポスターまで盗まれたりしてな。(後日注:その後、あちこちの駅で見かけました。「準備中」の方を)
▼昨日の酒の疲れかほとんどの人が定時で帰ってしまった。私は8時に出て銀座へ。

6月9日(金)
▼「ロックの日」なんだそうで、ハイロウズがまた今年の今日アルバムを出しているみたいだけど、定番になるのかな。
▼火水木とコンビニに行く暇がないと、いつのまにやら買い逃している雑誌がいっぱいあるなあ。夜は10時半までで「明日出勤しますから」と言付けてから銀座へ。

6月10日(土)
▼昼の10時に出社して夜の9時まで。それから銀座。
▼「顔の肌がきれいでうらやましい」と、女性から直接顔を撫でられたら、ど のようなリアクションをすればよろしいのでしょうか。

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