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12月11日(月)
ザ・ビートルズ「1」
 うちの会社から歩いて数十秒のところに東芝EMIがあって、ショウウィンドウ越しに、例の赤ジャケットが展示されている。アンソロジープロジェクトが終わっても、まだまだビートルズ関係を売るのでしょうね。またしても3人が集結して何かする、なんていう噂が尽きることないし。
 20世紀の文化的遺産として、その価値を決定されると、本作品としての音源だろうが未発表作品だろうが、すべて尊いような扱いにされる。ビートルズをいいと思う人にとっては、すべてがいいんだ、という考え方だろう。
 とはいえ、世の中そんなにマニアばっかりなんだろうか。「これが究極のベストだ!」として売りたい側にとっては、そのような価値観がむしろ邪魔になっていることだろう。
 本作品は「ビートルズのシングルで1位になった曲」しか扱わないというベスト盤。究極、と位置づけるにはこの区分けが当てはまっているようにも思えるし、企画者が、考えに考えた末、面倒くさくなって強引にまとめてしまった観もある。
 ブックレットには各国で発売されたシングル盤のジャケットが掲載されている。(日本のもある)これがまた、同じ曲でもちがう解釈をされているようで興味深い。
 ところで、このアルバム内でジョージの曲って1つ(サムシング)しかないんだねえ……。

12月12日(火)
長田弘「詩は友人を数える方法」(講談社文芸文庫)
 アメリカの旅について述べている。わかりやすい史跡はあまり出てこない。(とはいえ、私自身がアメリカの史跡について大して詳しくはない)各章ごとに出てくるのは、アメリカの詩人たちの英知あふれた一節。全部で47人の作品が登場する。すべて著者の訳による。
 過剰な言葉で飾らないということは、すなわち、過剰になりきれない、ありふれた具象がちりばめられていることになる。

12月13日(水)
▼午後8時半に会社を出て銀座へ。
 年末でこの週あたりになると連日、忘年会らしき団体が店内を占める。こっちの後部座席の団体のメンバーの客は早くもロレツがまわらなくなっている……って、ロレツ、ロレツ、ロレツ、ロレツ……漢字が出てこない。こちらもアルコールで脳の血管がふさがり始めているせいか、それともワープロ文化に首まで浸かっているせいか……うーん、気になって11時過ぎで出てしまった、というのは嘘だけど。
 そして今、この日記を書いて、r、o、r、e、t、u、と打って変換すればあっけなく「呂律」という単語が出てくるわけで。
▼野原一夫「人間坂口安吾」学陽書房人物文庫/篠沢秀夫「学校では教えない文章術」青春文庫/都築響一「TOKYO STYLE」京都書院アーツコレクション/有馬頼義「兵隊やくざ 貴三郎一代」光人社NF文庫/阿久悠「夢を食った男たち スター誕生と黄金の70年代」道草文庫/三島由紀夫「生きる意味を問う 私の人生観」学陽書房人物文庫/川本三郎「日本すみずみ紀行」現代教養文庫/冨永明夫「赤毛のリス」フレア文庫/横田順弥「古本探偵の冒険」学陽文庫/保田與重郎「日本浪漫派の時代」保田與重郎文庫19 新学社/田中小実昌「いろはにぽえむ」現代教養文庫/岡留安則「”スキャンダル雑誌”創刊物語」現代教養文庫

 上記は、坪内祐三「文庫本を狙え!」内で、私の知らなかった出版社名、文庫名だけをピックアップしたもの。保田與重郎みたいに個人全集の文庫では、その当人を好きでもなければなかなか知らないだろう。上の一覧、作家名だけ見るとかなりクロスオーヴァーな状態。
 ところでこの書評本、日本の古典が多い割に翻訳が少ないですね。

12月14日(木)
鈴木あかね「現代ロックの基礎知識」(ロッキングオン)
 洋物ロックをもっと楽しみたい人の雑学本。なにせ本家本元の「ロッキング・オン」誌上連載だから。ちょっとUK寄り。(「なぜミュージシャンにアイルランド人が多いか」なんてのもあるからねえ。大英帝国現代史がわかる)
 この本の第1章が「失業とは何ぞ?」イギリスの若者たちが80年代以降、5人のうち1人がが失業者であり、90年代以降のUKロックに多大な影響を及ぼしているといった内容。
 これを読んで思ったのは、不景気に直面した時における国の政策が、

1.才能と実力さえあればのし上がれる、税金は安く手取りの多いアメリカ型。
2.福祉と保護を充実させて、収入取得者から膨大な税金を取るイギリス型。

などと大ざっぱに分けてみると、日本はどっちへ傾くのだろう。
 やっぱり2番じゃないかなと思う。(しかも厚生年金なんて形で、若者失業者より年寄ばかりに優しくするような)1番にしたら、特に国会中継で映し出されているような面々が真っ先に困りそうだもの。

12月15日(金)
▼形だけ忘年会に出席。仕事で遅くなったから。正味三十分。
 腹が立った、というより腹が減った(みんな食われていて残ってなかった)ので銀座へ。

12月16日(土)
▼午後に起きて、秋葉原の東芝PCセンターへ。Windowsの起動途中で何度も何度もHDDの読み込み音がしたままデスクトップの表示が出てこなくなったLibretto50を持っていく。一度だけ、作動中に、充電していないバッテリーをくっつけたまま、ACアダプターが接続口から引っこ抜けて以後、ずっとこの状態が続いている。
 そして診てもらった結果、HDDの交換が必要とのこと。つまりは保存されていたファイルはすべて逝ってしまうってことですね。「交換に4万6千円かかりますが」とのこと。選択の時。
 このマシンを買ったのが97年2月。OSが95OSR2のときです。HDDは1Gに満たない。もし同条件でHDDを交換して95OSR2の環境で復旧させたところで、いろいろと不便を強いられることになるだろう。(ディスク容量の足りなさ、95対応のソフトが少なくなってきている、etc)
 現在のところ、東芝はLibretto製品の販売を中止(現時点で最後はff1100)しているので、「リブレットに執着している」なら復旧してもいいかなとは思うのだが、熟考の末、今回は引き取ってもらうことにした。(とはいえ、バイオなんかのモバイルPCは、大きさやら機能やら、惹かれる部分がないんだけどねえ)
 かくして、このサイトのコンテンツ作成からネット接続から、果ては初めて投稿した小説の作成まで、3年10ヶ月の中であらゆる用途を担っていたPCとの別離は、あっけなかった。(初期に使っていたPC9821より長い。最初はこのマシンに続いてのサブマシンと考えていたのになあ。愛人が本妻になってしまっていたような、ってなんて喩えだ)
▼その後で販売店をいろいろ探索してみたんだが、A4版のノートがかなりの高性能となった現在では、Libretto製品並みの小さいPCの需要ってのが、4年前よりは少なくなってきているのだろう。(昨今のPDAの隆盛もあるし)今持っているE-NOTEのサブマシンってのが必要になるのかもしれないが(たとえば現在のマシンをプライベート用にして、お仕事用のノートをもう一台買うとか)そこまで羽振りのいいこともできないので、そのまま末広町へ歩いて銀座へ。

12月17日(日)
▼最近はロッキングオンの本ばかりですが、松尾スズキ「この日本人に学びたい」(ロッキング・オン)読了。本文もいいけど宮崎吐夢の注釈がおもしろい。よくこれだけサブカル知識があるなあ。(それも昔よりもここ十年ぐらいの)
 食べてから銀座へ。食べたのがよくなかった。ひとり顔立ちのいい方とあまり話せることもなく、もっと居たかったのに胃が苦しくなって途中退場。そして午後6時半から降り出した雨に祟られて家路へ。

12月18日(月)
▼今年の勤務日数があと9日であることを、週の全体会議で知る。そりゃまあ忘年会も終わって、12月の後半になってりゃ当たり前のことなんだが「今年あと9日」なんて言われても現実味がないくらい、残作業で頭がいっぱいになっている。あと9日でどれだけのことができるかしか考えていない。こんな状態で「もうすぐ21世紀」など言われたところで、ミレミアムも21世紀も恐怖の大王も(最後のはとっくに過ぎた)単なる日付の移り変わりでしかない。

12月19日(火)
▼今月はロッキングオン社の本ばかりでなく、雑誌もずいぶん買っている。(SIGHT、JAPAN、BUZZ)それもこぞって20世紀の総括だ。
 ここはJAPANに倣って自分でもやっておきます。20世紀日本のロックアルバム3。

・ザ・ストリート・スライダーズ「NASTY CHILDREN」
 90年発売。ここから95年まで新作が出なかったので、このアルバムはかなり長期で聴いていた。96年からまた4年経って新作が出ず、出ないまま終わった。(来年の3月7日にボックスセットが出るらしいが)
・仲井戸麗市「絵」
 90年発売。ここからRCのチャボではなくなった。忌野清志郎の歌詞とはっきり区分できるようになった。
・ブランキー・ジェット・シティ「SKUNK」
 95年発売。ここから徐々に歌詞がシンプルで絶望から離れた作風に変わってきた。

12月20日(水)
▼会社を出てから銀座へ。明日の準備のために100mのケーブルを持ち歩く。これが見た目より非常に重い。「ボーナスで何か買ったの?」などとみんなに言われた。何が悲しくて100mのケーブル買うか。(5千円くらい)持ち運びに不便なので9時で出た。

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