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3月11日(日)曇り
▼三田佳子が次男の保証人として、唐十郎に懇願したら、「彼(次男)は裁判で勝つのではなく、彼の青春の中で勝たなければだめだ」と言って拒否したとかなんとか。
「青春の中で」という条件では、すでに10代で終わってしまっているような人間がいるんではないかね。次男がそうだとは言わないが。
石川達三「青春の蹉跌」(新潮文庫)は、今売り出されたとしたら、きっと「ミステリ」に分類されることだろう。
 この小説のオチの部分、この作品の裏テーマとして「女にはかなわない」というのがあったのではないかと。
▼昨日、「日曜はお客が少なくなりそうだから店に来て。東武東上線仲間なんだからいいでしょ」などと頼まれた。何がいいのかわかんないが、銀座へ。(29)

3月12日(月)朝は粉雪降って 晴れてはみたけど晩から雨
なかにし礼「兄弟」(文春文庫)
 この自信家で破滅型で虚言癖の強い兄は、実は著者と同じようにフィクションの天才だったのだろう、というのは仮説にしてはあんまりか。
 終章で兄が死んでから、兄を知る人によって、兄の虚言が至る所に浸透していることを著者は知る。兄の虚言のために、著者自身も著者の近親も「絶縁しなければこちら側も破滅する」と自覚していた。そして兄の死から十六年前に、実際に義絶(この言葉もこの小説で初めて知りましたなあ)を行った。
 そこまでに至るプロセスと、結局のところ、兄がどうしてそこまで人間性を欠いたところにまで堕落していったのか、そこに著者はいろいろな仮説とイメージを連鎖させている。
 この小説にはいろいろとフィクションを織り交ぜている部分もあるだろう。著者が最初に交わった女性との顛末とかさ。関係ないが「31歳の絶頂期に18歳の新人歌手志望の女の子を、辞めさせて自分の二度目の妻にした」って下りは、著者は兄に負けず劣らず豪放な人間ではないのかね、って気がするが。それでも最終的には、戦争で死に損ねた兄が実際の死に至るまでを読みとると、この現世において、嘘をつくということ、そして嘘をついてしまうことの哀しみが、ひとりの人間を通して浮かび上がってくる。その嘘は、著者の一連の創作活動による嘘とは別の、はかない嘘として。

3月13日(火)晴れ
▼会社を出て銀座へ。(30) 新人の女の子を研修している現場にて「さっき着ていた衣装とちがう」と指摘したら「このエロ親爺」と罵倒される。
 閉店ぐらいまで。半分記憶が飛んでいる。「しっかりと会計は済ましていったけどカード忘れた」――と、これは一日後に聞いた話。
▼ナレーションをするならふかわりょうあたりか。そして効果音はASAYAN風がいいのか→●ここ●

3月14日(水)晴れ
▼寝坊しそうになった。夜はきちんと銀座へ行く。(31) さすがに9時ぐらいで出たけど。
3-cube-のaoさんに「管理人想像」をしてもらいました。

 最初は、これを頂いた時点で「当たってますか? 私を知っている人」と問いかけて終わりにしようかと思いましたが、苦心されたようなので(つうか全部の日記読んだんですかね?)コメント全部に関してレスをつけることにしました。

毎日あった出来事を淡々と書いていてそこには感情があまり入ってこないし小説なんかも書いている方なので文が洗練されててなかなか想像が難しかったです。最初にひと通り読み終えた時の感想は、この方は人間は所詮一人きり。という考え方をしていてハードボイルドというか男臭さというものにこだわっているか憧れがある人、だろうなーと思いました。ルパンでは絶対次元派。

 んー、ハードボイルドの定義が難しいところですが、言うなれば「美学」ってことですかね。そうガチガチな価値観は持っていないと思いますよ。「次元」ってのが照れくさいんですが、「ルパンの真似しようとして、結果的には銭形警部になっている奴」ってところじゃないかと。

でも日記の文体通りマメな方だと思います。手帳を持っていてそこには何時何分までの細かさでビシッと予定を書き込んでそうです。部屋も広くはないけど清潔感のあって「プチ男の城」になっているイメージ。隙間に何かをキチッとはめ込む事に快感を覚えるテトリスフェチ。でもヘビースモーカーなのでテーブルの上は汚い感じです。でもいいんです、その辺がハードボイルでですから。

 テーブルだけじゃなく部屋全体が汚いです。整理整頓は苦手ですねえ。精神的に縛られるのが嫌なので手帳は使いません。(会社と自宅のPCにデータを打ち込めばいいわけだし)
 酒とお姉さんがらみだと「煙草」もイメージされやすいんですが、まったく吸いません。

体格は大柄(最短距離で言っちゃうとちょっと太め)で背は低いとイメージしてます。のんびりやだけど早口。本やCDにお金をつぎ込んでしまうので服など身の回りにはてんで無頓着だと思います。

 この辺は当たっているかな。

でも食事に関してはそれが芸(芸?)の肥やしになるので結構グルメかと。

 これもまた、「グルメ」をどう定義するかなのですが、「蘊蓄語り」という意味になるとしたらちがうと思います。味には全然うるさくないし。どこの店のラーメンがうまいかまずいかなんてことはまるで頓着しません。そんな「蘊蓄」人間と一緒に食事したくないくらいですから。

面倒くさい事に喜びというか真理を感じているので物事をわざわざ遠回りして解決するという変な癖を持っています。いろんな人達と議論するのも好きそうです。

 これは……他人がわざわざ考えもしないような角度で方向性を見つけたがるという点で当たっているのかな。小説書いたり読んだりする人は一般的に議論が好きな傾向にあるようです。ただみんながみんな、説得力ある意見を述べられるとは限らず、意見をどう読んでも、感情論でしかないのに、なまじ文章力ある人が掲示板上で熱くなると、手がつけられなくなるケースがありますね。(それで昔、ちょっと苦い思いをしたので、このサイトには掲示板を付けていません)

 なんとなく反論が多くなってしまいましたが、よくある占いサイトで「これがあなたの隠れた自分なのだ!」とかなんとか言われたら本気にしてしまうような、そんな解析ではありました。
 拙文をお読みくださったaoさんに多大なる感謝をします。

3月15日(木)晴れ
▼会社の近くに「ユニフォーム屋」という名称の服飾店がある。ビジネススーツや作業服など、仕事着を取りそろえているらしい。
 しかし、俺は陰で「コスプレ屋」と呼んでいる。怪しげな服も多い。メイド服とかさ。こないだのクリスマスはもちろんサンタ服が店頭に飾られていたし。ひょっとしたらバニー服が奥に隠されているかもしれない。
 最近は、ショウウィンドウの前に、赤のチャイナドレスが、春風にたなびいていた。スリットもしっかり入っているぞ。4980円(値札見た)。昨日はホワイドデーだったが、意中の相手にチャイナ服をプレゼントだ! というのはいいとして、あの服のサイズはフリーなんでしょうか。巨乳の人や肩幅広い人や背の高い人はどうすんだろう。
▼会社を定時で出て新宿へ。(9) チャイナ買っていったわけじゃないけどさ。

3月16日(金)晴れ
▼会社を出て新宿へ。(10) 珍しく1時間で帰ってきた。
▼一昨日ご紹介した●ここ●の続きが、●ここ●にあります。

3月17日(土)曇り 晩になって雨
▼「何年も買っていたけどもう買わない」「売り上げ重視なんてそれでもロックか」「他に20000字インタビューしなければいけない人間が山ほどいるだろ」と、掲示板で喧喧囂囂と嵐が吹き荒れた、今月のロッキングオンジャパン、浜崎あゆみ巻頭インタビュー。
 自分の生い立ちを、それこそ何もフィルターをかけずに語ってもらうというスタイルは、ある意味反則技ではないかとは思いますがね。巷の暴露本がどれだけ信用できるかって言ったら、本人の監修でもない本だからそのまま鵜呑みにしにくいし。
 でもこれで「自分は凡百の芸能人とはちがうんだ。だからオシャレなロッキングオンでインタビューしてほしい」って思っている人がもっと増えそうだなあ。例えば広末涼子なんて明らかに20000字インタビューやってほしがってそうだもの。
▼浜崎あゆみ「M」、TSUTAYAで買ってきましたよ。

3月18日(日)曇りのち晴れ
浜崎あゆみ「M」
「M」っつうタイトルでプリンセスプリンセスを思い出す私は年寄り。
 全10曲、54分16秒、って普通のアルバム並の量だってばさ。リミックス分は単価が安いのでしょうか、元ネタがある分。この辺の権利関係など非常に興味あったりするのだが、まあ置いといて。
 じっくり聴いてみました。――わかったことがひとつ、この人、ビジュアル系だわ。姿態じゃなくて詞曲の作り方という意味で。「時に深く深いキズを負い/だけど愛すべきあの人に/結局何もかも癒されてる」って「キズ」ですよ。サビの部分で、言葉でもって痛々しさを持ってくるてのは、ビジュアル系軍団の常套句じゃないかと。
 ストリングスでちくちくちくと情感を込めていたかと思えば「マリア」というフレーズでその情感を破壊してハイトーンの音で聴いている者を攻める、ってところは、いざカラオケで歌ったらたまらんものがあるでしょう。「あゆの唄をカラオケで歌っている集団は、たいてい男同士か女同士」っていうのは本人が「音楽と人」で語っていたが、カラオケで、周囲を置いてきぼりにするのはたいていビジュアル系の曲なんですよ。

3月19日(月)晴れ
▼客先から銀座へ。(32) 忙しそうだったので1時間程度でご飯とミネラル一杯分だけで済まして出る。
▼池袋パルコで椎名林檎「真夜中は純潔」試聴したり、鬼束(いま、変換してみて思ったけど、普通は「おにづか」つうたら「G.T.O」のあれだよなあ)ちひろ聴いてみたり、階下の服飾店を覗いてみたり。
 卒業式辺りらしく、着物袴の組み合わせ――にしては派手っちいな。夏に「浴衣の下はミニスカ」ってのが流行ったから、袴もミニスカバージョンが出たのかと思って覗いて(覗くなよ)みたら普通の長さだった。パルコで売ってるのかなあ。豹柄はあるのかな。(今、何の気なしに書いていたら以前と同じオチになってしまった。最近の俺は豹柄がツボらしいです。今ごろになって)

3月20日(祝)晴れ
▼ココナッツポッキーはやっぱりココナッツ娘が宣伝するのかどうか。
▼営団地下鉄丸の内線では、池袋から東京・銀座へと乗車するとき、地上波が届くときが二回ある。茗荷谷〜後楽園間と、JRお茶の水駅に通ずる地下トンネルから這い出たとき。  丸の内線に乗っていたとき、携帯電話の着信を受けたらどうなるか。まずお茶の水はほんの一瞬しかないのですぐ切れる。問題は茗荷谷〜後楽園間。ひと駅通過するまでにほんの少しだけ話せる間はある。
 もちろん電車の中で携帯電話を使用することは基本的に御法度となっているので、「いま、電車の中だから、後でね」と言付けすることになる。基本的にマナーを大事にして、「今、電車の中だから」とすぐ言えるかどうか。おそらく人間の心理としては、「ひと駅間」は話し込んでしまうのではないか。
 と同時に、長々とよけいな話ばかりしてしまって「今は電車の中」ということさえ告げられずに時間切れになるか、それとも要領よく話をまとめられるか、文明に試されているような……気がする。そんなことを考えながら銀座へ。(33)

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