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3月11日(月)
▼健康診断。いつもながら結果がすぐにわかるのは身長体重血圧視力。
 視力は0.5と0.6(どっちがどっちだかよく聞いてなかったけど、たぶん前者が左で後者が右)今年は両目で見て判定する機械による結果。
 昨年の右目1.0ってのは、たまたま正当率が高かったのか、それとも片目だけの判定だったからか。いずれにしても、昨年から0.6だったという可能性もあるし、未だ右目は1.0ということもあるし。(ないか)
 いずれにしても、あと数年後には眼鏡の生活になることを覚悟した方がよさそう。

3月12日(火)
辻仁成『目下の恋人』(光文社)
 恋愛短編集。
 少年漫画の画風で無理に少女漫画を書いたような、ごつごつした手のひらで意中の人の肌を撫でているような、いびつさが若干見て取れるようだ。著者としてはいろいろ実験しているのだとわかるのだが……。この人が女性の一人称で書いている短編など、何かしら奇妙な気がする。それくらいこの人の小説は「辻仁成が書いた文章」という、本人の生身を思わせる(と自分では勝手に思っているのだが)
 その中で救いは、『目下の恋人』という表題作がある意味、寓話的な作用を持っていたところだ。でもこの作品の「私」という女性は、それこそ女性から見たら「男にとって都合よく考えられた妄想の中のヒロイン」扱いされそう。

3月13日(水)
川上弘美『センセイの鞄』(平凡社)
 三十代独身の大野月子は駅前の一杯飲み屋で、高校時代の国語の担当教師だった松本春綱と再会する。松本「センセイ」は七十代になっていた。現在のところお互い独り身であった二人は、それからつかず離れずの関係を繰り返しながら、やがて本気の恋に落ちる。年齢のことがありながらも、本気で身体を重ね合わせて、本気で更年期障害を気にするツキコ。
 と、こうやって二人の関係にばかり焦点を当てると、「恋に年齢は関係ない」なんていう単純なお題目でも立てられそうだが、文体が軽いのに比べてこの小説は、なかなか一筋縄ではいかない。
 たとえば、その他に出てくる登場人物は、居酒屋の主人であるサトルさん、そのいとこトオルさん、センセイの高校教師時代の同僚たち、高校時代のツキコのクラスメートだった小島孝など、主要なのはすべて男性。女性で主要人物といえば、ツキコの夢の中に出てくるセンセイの亡妻ぐらい。
 この小説はツキコを主体にした三人称形式の一人称である。ツキコに対して友好を結んだり対立したりするような女性は出てこない。女性の視点というものをまったく排除している。これはツキコが孤独だというより、ツキコの個人的な世界がこの小説を覆っているということ。(女性のお喋りや諍いなどという、現代社会の軋轢の象徴のようなものを避けている)そして読者は、ツキコの個人的な世界に安住していられるという構造を持つ。それぞれの男性に取り柄があり、それぞれ男性としての魅力をもちながら、あくまでも最終的にツキコが視線を送るのは、センセイのみだ。酔っぱらいがセンセイとツキコの間柄を眺めて「やってるの?」とまで邪推しているシーンがあるが、実は下卑た妄想が介在するのを排除するための要素がこの小説に存在するという主張であり、それこそが川上弘美の練られた簡易な文体であり設定であり、考え抜かれた隠し味があちこちにちりばめられている。「老いらくの恋」などという評価で片づけずに、何度でも読み直して著者の技巧に触れていこう。

3月14日(木)
▼いろいろ滞ってます。日によって日記の長さに差が出ます。

3月15日(金)
▼池袋タワーレコードで今月のロッキングオンジャパン買う。表紙はHYDE。「ロッキングオンらしからぬアーティストにインタビュー&表紙にしてる」とまたしても騒がれてますが、浜崎あゆみが出てからもう誰が出ても驚かなくなったような気がします。しかしあの20000字だか40000字だかのインタビュー。「まずは生年月日からお願いします」って必ず聞いてるんですけど、やっぱり取り調べみたいでビビるだろうな。HYDEが生年月日不肖で売っていたのをこのインタビューで初めて知ったけど。

3月16日(土)
▼私用で神谷町へ。その後銀座へ。(24)

3月17日(日)
▼桜、咲いちゃってるよ。別に花見の用なんかないけどさ。受験生にとっては喜ばしい風景だろうが。

3月18日(月)
▼春になったのに手荒れが治らない……。

3月19日(火)
▼NHK、日本ひきこもり協会じゃなくて日本放送協会のテレビ語学講座がほんとすごいことになってる。それぞれの講座にアイドル的な存在の女性がアシスタントに付く、という報道は昨年あたりから行われているし、井川遥効果でフランス語講座を観始めた男性が増えた、というのも聞いている……が。
 今年のフランス語講座仲根かすみハングル講座ユン・ソナイタリア語講座吉岡美穂中国語講座北川えりロシア語講座あんじ……と今年もアイドル大流行。書店に行って驚いたのが、テキスト売場で各講座の表紙を目の当たりにしたら、その華やかなことといったら、もう。実は表紙に気合い入れてんじゃないかと思うほど。特にフランス語講座の仲根かすみなんて、講師陣を周囲に取り巻きながらその中心で笑顔を振りまいてるし。昨年の井川に続いて、「オヤジ殺し系」をアシの系譜にしようとしているのかフランス語講座。

3月20日(水)
▼語学講座ネタ。中国語会話の現アシスタントはチャイドル(死語)出身の浅川稚広。「映画「愛を乞う人」(1998年)では、原田美枝子さんの幼少時代、母親に虐げられる少女を熱演した。 打たれ強い性格は、中国語の特訓の中でも不屈!? 「一年後の目標は中国一人旅!がんばるぞぉっ」だそうですが……あの虐待シーンを引き合いに出すってのはなんとも……。
▼会社が終わってから銀座へ。(25) 一時間ぐらい。

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