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「http://www2s.biglobe.ne.jp/~NITE_DAY/200204nikki_1.htm#2002/04/XX」
と記述してください。

4月1日(月)
▼こないだ、キオスクで日刊ゲンダイが二つに折り込まれているところで、見出しが、

  辻|
  加|←ここが折り目 反対側が隠れている

となっていたので、条件反射で

  辻 (希美)
  加護(亜依)

とでも書いてあるのかと思いましたが、実際は

  辻元(清美)
  加藤(紘一)

だったんですな。モーヲタテキストサイトに毒されているような今日この頃。
▼↑ってなネタをこないだの金曜に書こうとしたのにぃー。モバイルギアが壊れたかと焦っているうちにテキストファイルとして保存しておいたのを日記に反映させるのをすっかり忘れていた。おまけにこのネタは他のサイトとかぶりまくっているようで。皆さん、すっかりモー娘。に毒されています。2chの影響もあるのでしょうか?
▼それにしてもサイトを運営されている皆さんの中には、ムキになったように四月馬鹿ネタをする人がおられますな。クリスマスやバレンタインみたいに「ドッキドキなこの日にすべてを賭ける!」と思い詰めていらっしゃるのでしょうか。ネットを初めて五年以上経ちますが、毎年この時期楽しいからいいんですけど。
▼今日の誕生日は、岩鬼正美/御坊茶魔/パタリロ・ド・マリネール8世だそうです。いや特に他意はないですManaMさん。(おめでとーございますー。亡き染太郎師匠の口調で)

4月2日(火)
▼今日は渋谷〜東横線から多摩川線経由でお出かけ。この時期はまだ女子高生が春休み中です。私服の体つきからして中学生っぽいのが目に付きました。各駅停車の東横線では、座席に腰掛けて「ブロードバンド社会を支えるe-インフラサービス」なる雑誌記事を読む僕の隣で、中か高かわからん網タイツの女子が、座席で足を投げ出しながら、「モスバーガーのバイトっていいのかなあ」と長閑な声で会話してました。バイトの話が出るってことは高校生なんでしょう。あるいは新学期から高校生とか。
バリー・ユアグロー『一人の男が飛行機から飛び降りる』(柴田元幸訳/新潮社)

 このタイトルが冒頭に出てくる短編は、
「一人の男が飛行機から飛び降りる、さめざめと涙を流しながら、男は靴箱いっぱいのラブレターを、風が吹き荒れる空中に投げ捨てる。手紙たちはさっと舞い上がり、ふんわりふくらんだ雲の底にへばりつく。男はそれを見て、悲しげなうめき声をもらす。が、じきまた落下の混沌が彼を飲み込んでしまう……」(スープの骨)

 そのひとつ手前の短編は、
「一人の娘が転んで、首の骨を折る。娘の霊を来世今で送り届けるべく派遣された天使が、彼女に恋してしまう。しかるべき処理を行なう代わりに、天上の誓いを破って、天使は娘を生き返らせてしまう。恋のとりこになった彼は、娘と駆け落ちする。」(ホンキー・トンク)

 そのひとつ後の短編は、
「私は一人の女の子と一緒にベッドにいる。あたりは暗いけれど、女の子の顔に不思議な形のでこぼこがたくさんあるのが私にはわかる。私たちはいちゃいちゃやり出す。と、何かしら甘い、ものすごくいい香りが私の鼻を刺す。私はそろそろと、でこぼこの一つに舌を伸ばす。でこぼこをくわえて、もぞもぞと噛む。舌がとろけそうだ。私は無我夢中でもぐもぐむしゃむしゃ食べる。「やめなさい!」と女の子は叫んで私をつき飛ばし、がばっと身を起こす。「やっぱりそうね」と女の子は言う。「あなたは私のイチゴが目当てなのよ」(イチゴ)

 意味がわかりますか。いや、意味を追い求めてはいけません。誰かの夢の中の出来事だと思って柴田元幸の訳を楽しみましょう。
 149本の短編の大半は「父」「母」「彼女」が出てきます。心理学者なんかがこの小説をテキストにしそうで。

4月3日(水)
▼ばたばた、その1。
▼落ち着いてから銀座へ。(27)

4月4日(木)
▼ばたばた、その2。風強し。
▼今日もやっぱり銀座へ。(28)

4月5日(金)
▼池袋レコファンでLOVE PSYCHEDELICO『THE GREATEST HITS』、タワーレコードではくるり『THE WORLD IS MINE』それぞれ買う。くるりも初めて買ったなあ。俺最近ほとんどCDに金使ってる。(除く銀座)
▼今月の音楽と人。ベンジーとの対談。永作博美。俺の二歳上なのにアイドル時代からまったく変わってない容貌。
 クラムボン原田郁子とナンバーガール田淵ひさ子対談。(同じ女子校出身にして同じ学年)

――2人とも女同士だと関係破綻……。女子の集団行動って難しいのかな?
原田「なんかねぇ……人によってはちょっと湿った感じがあるんですよ」
田淵「うーん、『バンドやりたい』って本気で思ってる人もいるけど『彼氏がギターやってるから私もやってみたいな〜』ぐらいの人も多くて。そういう人ってラブラブになるとスタジオにも来なくなるし、どうなっとるんだ!!と(憤)。そういうことをひとりでブツブツ言ってましたね」


 なんだか企業のやり手OLさんみたいでカコイイですよ田淵さん!。

4月6日(土)
▼四月馬鹿ネタで一番笑ったのはこの方が作ったこれ
●失業者はエンジニアになれるか?●
 税金を無駄遣いされている、と見解を示して終わり、ならば簡単なことだけど、「今何が必要とされているか」を受講する側がきちんと行政側に申請することも必要なんじゃないかと。「素人だからよくわからん」じゃなくて、そもそも素人からスキルアップしようという人間が、ただ行政を悪者にしている見方は、結局「今の政治が悪い。鈴木宗男が悪い。辻元清美が悪い」と主体性なく悪口言っている姿勢と変わらないと思うのですが。
 ただ、夕方から飲みに行ける環境は羨ましいぞう。(上の発言ぶちこわし)
▼夜から新宿へ。(5)

4月7日(日)
村上龍『最後の家族』(幻冬舎)
 大学に入学した頃、女の子に無視されたことが原因で引きこもり生活を続けている長男秀樹、やはり引きこもりの経験を持っていた宝石デザイナー近藤とつきあっている長女知美、秀樹のためにカウンセラーに通い、その一方で家族に知られず大工の延江とつきあっている母昭子、そして機械部品会社の営業として、リストラの陰にまとわりつかれながら家のローンのために会社にしがみつこうとする父秀吉――。
 内山家の人々を取り巻く環境はやがて、それぞれのかたちで揺さぶりをかけられる。もっとも揺さぶりの激しかったのは秀樹。隣の家の奥さんが虐待を受けている現場を目撃して、無気力に囚われていた秀樹は彼女を救うために奔走する――。
 村上龍がテレビドラマに進出するのが是か非か問われ、物語の出来としては「村上龍の作品にしては小品」と言われたり、いろいろ議論を呼んだようだが、自分の作品が新しい分野に届くことに関して自覚的になったことには、素直に拍手を送りたいし、「四人が希望を求め続ける物語」に少なくとも爽快感を味わえた。爽快感のすぐ後に、もっといろんなことを考えなければならないと戒められる物語、というのも世間で数少ないだろう。
吉沢悠と斎藤環の対談も併せてご覧下さい。

4月8日(月)
▼暑い。26℃だって……。帰りの電車はクーラーついてたし。
 渋谷ハチ公口からパルコパート3に向かって斜めに進む道路の途中で、ドコモの特大広告を見たんですが……仲根かすみか? 暗くてよくわからなかったんだけど。少なくとも広末でないことは確か。

4月9日(火)
井田真木子『ルポ十四歳 消える少女たち』(講談社文庫)
 十代の売春を真正面から受け止めようとしても、受け手がそれほどリアリティを持たない理由のひとつとして、この国では、十代の女子が消費において重要な役割を果たし、きらびやかな芸能界の前面に立てるという共同幻想を持ち、「アイドル文化」として受け手が世代に関係なく消費しようとしている部分が根底にあるのではないかと考える。これは僕が勝手に思っていることで、本書が僕の憶測を受け入れてくれたわけではないけれど。
▼サンフランシスコでNPO(非営利公益法人)として、スラムで体を売っている女子を救う仕事をしているロジャー・ヘルナンデスという人物に、著者は95年出会う。著者はアメリカの若者の実態を探るために、何度かロジャーと一緒にスラム街を直に歩いている。
 そして同じく95年、渋谷。ブライベートクラブ、通称プラクラと呼ばれる非合法の未成年女子中高生斡旋業の本拠で冴矢(仮名)と出会う。
 著者の薦めで冴矢もサンフランシスコでスラムの中を歩く。自分と同年代の少女ネリと出会う。ほとんど言葉が通じ合わなくても、絶望の淵からはい上がろうとしている姿勢は同じであることを痛感する。その後再び出会うことはなくとも。
「無垢なものこそ、もっとも性的だという認識は汎世界的なものではありませんか」
というのが著者の意見だ。そして無垢な存在(少女であること、未成年であることに限らず)が現代のシステムに溺れた社会や、同じ人間という存在によってねじ曲げられ、99パーセントが絶望の世界にいることがわかる。現実の報告書だ。ここには書けないが、著者自身の魂の告白も含まれている。
「それでも生きて欲しい」というメッセージが本書から溢れ出ているが、残念ながらこのメッセージを叫んだ本人は2001年3月14日にこの世を去っている。つまりは現時点で、「死者からのメッセージ」である。

4月10日(水)
▼晩から銀座へ。(29)

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