▼つんく「LOVE論」(新潮OH!文庫)
新潮OH文庫は、本来の新潮文庫の文芸路線から明らかに外れるような、軽めの内容である単行本を文庫化する目的らしい。(それにしてもいしかわじゅんは新潮文庫に入れたっていいような気がするが)
2000年1月発売の本を文庫化、って早過ぎ。
文庫化によって新たに石川梨華・吉澤ひとみ・加護亜依・辻希美の項を期待した人、残念ながら文庫版あとがきにちょこっとしか載ってませんので、単行本で買ってこの本までわざわざ買う必要はないかもしれない。
さて、前は書店でぱらぱらとめくって眺めるだけだったこの本、一応全部のテキストに目を通したので、書評もどきでも書くことにする。(過去には「ダディ」も取り上げているし)
▼以前にも書いたが、この本はASAYANのオーディションに応募するような十代の女の子たちを念頭において企画された。実際に本が店頭に並んだら、手にするのは20〜30代の女性だった。なにせ「あなたのいいトコさがします」だからなあ。
かようにして読む対象が広がっていくという、本にとってかなり幸福な運命を携えている。
中身を読めば「ブサイクな女」「おかんな女」「二の腕の太い女」「イナカモンの女」――などとミもフタもない章題。その上ちゃっかりとモーニング娘。太陽とシスコムーン(当時)各構成員の紹介まで挟んでいる。
実はこの本をいちばん喜んだのは彼女たちじゃないかと思う。ふだんは仕事の話ばかりして、つんく本人が彼女たちに「安倍は笑う女で、飯田は怒る女」などと言ってることはないだろう(たぶん)
▼本の中身に書かれていることは決して重たくない。20歳前後の男女が居酒屋で話すような、取るに足らない話、だけど内容が重い話が必ずしも身になるわけでなく、そのような酔っ払って忘れてしまうような話ほどじわじわと効いてくる。背伸びしないで語れる。等身大とはそういうもの。(2000/10/17)
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