▼小林紀晴「写真学生」(集英社)
 この表紙では、魚喃キリコの単行本とまちがえそうだ。
 60年代や70年代は「文化のあった時代」と見なされるのに、なぜか80年代は「恥ずかしい時代、空虚な時代」と位置づけられている。バブル期の狂騒が焼き付いているせいなのか。
 作者自身の回顧録の延長上にあるこの作品には、就職活動をしている最中に「今、好景気なんだって、知ってた? 人気企業の一位と二位、知ってた? わたしたちって何も知らないね」とため息をついている一シーンがある。
 僕らに必要なのは、「バブルの時代を反省して語る」のではなく、「バブルの時代をいかに関係なく通り過ぎてしまった」か、だ。(2000/11/28)
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