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小林紀晴「国道20号線」
 都心部から長野県の諏訪湖方面に伸びる国道20号線を舞台にした物語。新宿で映像専門所のバイトをしているサワコ、その昔の彼氏で、映像学校時代に自分たちの性行為を作品にした研治、やはり専門学校生の修一とみどりのカップル、東京に憧れを持ちつつ地元就職してしまったテルオ、こっそりラブホテルでアルバイトしているサワコの母チヨ、野鳥バスに乗ったサワコの父ゲンジ――新宿から諏訪湖まで、ひとつの道を巡って連鎖するイメージの架け橋が、精緻で重くない、けど水を吸った服のような文体が、それぞれの人の運命と心象の上に宿っている。
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