今年になって部屋を模様替えをしたら、棚の奥からファミコンが出てきた。
処分しようかどうしようか考えてきたが、プレステがあるので、この際だから処分することにした。ただ、ポイッと捨てるのもつまらないので、分解してみた。
このファミコン(fig.1)、実は初代ファミコンです。写真ではコントローラは○ボタンですがこれはコントローラを買って取り替えたものです。
本体裏ブタを取り去ると2枚の基板が現れた(fig.2)。左の基板は電源、映像音声出力端子、テレビとGAMEの切り替えスイッチで、右の基板はカセットの端子とCPUなど、パソコンで言うとマザーボードである。
半田付けされているところを見ると、手作業で素子をはめ込み、自動半田付け装置で付けたもの、手作業で半田付けしたものとあります。左の基板はすべて手作業で半田付けをしたと思われ、右側の基板は、IC以外は手作業のようです。はっきり言って汚いし、半田ボールが残っているところからみると素人による作業のようです。適当さが時代を物語っています。
fig.2の右の基板を取り外し表面を見ると、fig.3のようになっている。左側の青いソケットがカセットの刺さる端子で、ICは左上か右下へ順に見ていくと、表1のようになっていた。
LR74HC373 | SRAM 2K*8 |
MB8416A-A5-SK | |
TMN2115AP-15 | SRAM2K*8 |
LR74HC373 | |
RP2C02B | PPU |
RPSA03 | CPU |
LR40H368 | |
LR40H368 |
品名・型番からはよくわからないが、基板にシルク印刷させていることから考えると、左側の大きいICはPPUということだ。PPUってなんだろう。始めて見ました。Power? Picture? 多分Picture Process Unitとでもいうのでしょうか? グラフィックを処理するICかと思われます。右側の大きなICはCPU。Central Process Unit、文字通りファミコンの心臓部です。クロックはfig.3の右上にある水色をしたリセットボタンの左に黄色の素子がクロック発生器で、21.47727MHzを発生しているようです。
今のパソコンと比べるとかなり品粗ですね。10年以上前に発売されたわけですから、十分に良かったものかもしれませんね。
fig.4を見ていただければあれっと思うでしょう。左がはじめから付いていたコントローラーです。A,Bボタンは□でゴム製であるから、激しく使っているとこれが飛び出ます。またそうでなくてもシューティングゲームではゴムが引っかかって戻らず、連射ができないということもありました。右の○ボタンではプラスチックになり、連射がきくようにりました。表面的には形と、ゴムとプラスチックの違いはありますが、コントローラを開けると、基板の接点にはどちらもゴムバネ使っていて、右の方はプラスチックでその上から押している構造です。
fig.6は新旧の1コントローラーを並べて撮しました。上が古く、下が新しいコントローラーです。基板のサイズは全くといっていいほど変更はありません。ただ、違う点は2点ありました。一つはこの基板とケーブルを半田付けしているところの違いと、基板裏面に付いているICのメーカーが違う点です。このICは本体に送る情報をドライブするICかと思うので、汎用ICでそのときに安かった方を使ったかと思います。
fig.7は、2コントローラーの写真です旧型の2コンは、昔友人に譲ったのでありません。マイクの下に大きな電界コンデンサーがあり、裏面には抵抗がありました。不必要と思われるマイクはなぜ付けたのか未だに疑問です。
当時のゲーム機としては優れたものであると私は思ってます。ファミコンの登場前のゲーム機は一つを買って一つの遊びしかできませんでした。ファミコンはカセットを変えれば違うゲームができるという点が画期的でした。
私はゲームで遊んでいる反面、なんでカセットを取り替えれば違うゲームができるのか不思議に思い、カセットを分解したことがあります。ここでROM(Read Only Memory)に出会って半導体に興味を持ち、今は半導体技術者として仕事をしています。
NINTENDOはファミコン、スーファミ、64と発展してきましたが、私はNINTENDOのゲームは64で終わりだと思います。SONYと何らのトラブルがあり、CD-ROMが使えないとなると、今更ROMでは、ゲームをする側はLOADに時間がかかりませんが、ソフト代が高い。メーカーとしてもCD-ROMと比べてROMは作るのに時間がかかるので、デメリットばかりです。
やはり本来のトランプや花札を作るメーカーであれば良かったのでは・・・。