MOTとマネジメントリテラシ ー

MOT(技術経営)教育
マネジャーや経営者とは高度の総合的専門職です。彼らにはマネジメントや経営というに極めて幅広い分野に関する実務知識と意志決定の能力が要求されのです。しかし、日本の多くの企業では技術部門、総務・人事部門などの専門職種の経験で育った人材が、事業経営に関する組織だった知識や経験が殆ど無いままに昇進し、あるものは組織のトップとして、数千・数万の組織を経営し、誰もそれを怪しみません。ここに日本企業の大きな弱点があります。誰が経営しても利益が出せた高度成長期は20年以上前に終わりました。今日のマネジャー・経営者には、事業経営に対する理論的理解や基盤的知識が必要ですが、多くは未だ気付いていない様です。プロフェッショナルがいないのです。

一方、経営に関する教育をするMBAについては、一時の万能信仰?に対し現在は反省期のようです。当然ですが、単に経営理論を振り回しても、企業ごとの固有の環境、技術、資源への理解がなければ事業は経営できません。優れた事業経営に重要なことは、MBAの学位ではなくMBAの知識や能力です。本来は経営者自身にこのMBAの知識と能力が必要なのですが、個人毎の能力を真剣に評価する経験が少ない日本企業では、理解が不十分なのです。

MOTMBAと似ていますが、現代企業に最重要な技術知識の厚い蓄積をもつ技術系マネジャーや経営者にフォーカスして、事業経営に関する基盤的知識を教育し、事例演習や個人別の課題研究により応用能力を育てます。

マネジメントリテラシー
リテラシーとは、元来は識字(文字が読めること)の意味ですが、現代的なリテラシーは、単に文字を読めるのではなく、正しく理解して実務に役立てられることを意味します。マネジメントリテラシーは事業経営に関する基本的知識を保有し、関連する出来事や情報を正しく理解するための基礎的な能力です。市場の変化をどの様に読み解き、いかなる戦略を立案し、どの様な計画を立てて実行し、成果をどの様に評価するのか、そこで自社の技術的資源をどう活かすのか、こうした様々な事業経営判断は、結局のところ全て「言語」で行われます。マネジメントの文脈において、こうした活動を適切に行うための最も基礎的な能力がマネジメントリテラシーです。
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マネジメントリテラシー
■マネジャーの戦略知識
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