反省のウイルス

          ──自分を責めて、自分を浄化した気になってはいませんか?── 2000.02.13改訂

 最近、自虐史観という言葉がよく言われている。すなわち、自国の歴史の悪い面だけをことさらに取り上げて、『反省』し、自国の政府や教育を批判するといった者に見られる歴史観を皮肉って言ったものであろう。こういった場面では、『反省的態度』は、いわば"反対できない真理"として扱われる。反省しない者は悪人で、反省する者は謙虚な善人であるという謂いである。しかし、この誰も反対できない『反省』という道徳的美徳が、みごとに"それ"にすり替えられていたのである。"それ"とは、「自分自身(あるいは自国)を差別すること」である。反省のウイルスは、別名「自虐のウイルス」とも呼ばれる。

ウイルスの構造

内    容

カバー〔C部〕

ウイルスの宿主

 反省
(自分の誠意が足らなかったことを反省し、今日からの努力を誓う)〔=自己に反省〕
 たとえ、自分が悪くなくて、悪い結果が出た場合にも、自分の誠意が足らなかったと反省し、今日からの努力を誓う。未来に向かう展望のある反省
 (※ 補償はルールに則って行うべきである)

アンカー〔A部〕

ウイルスの本体

 自虐(自分(たち)を差別すること)
(自分の悪かったことを徹底的に責める。そして自分が浄化した気になる)〔≒自己を反省〕
 自分自身を徹底的に差別し、自傷することによって、相手を補償した気になる。過去への後ろ向きな展望のない反省
 (※ 補償は、相手が赦すまで、無制限に行うべきである)

ターゲット〔T部〕

狙われた思考のバグ

 他人は責めてはいけない(自分ならいい)
 謝らない人は悪い人である。
 自分史の中に汚点があってはならない。だから、自分の汚い部分は責め滅ぼさなくてはならない。
 自分を傷つければ赦してもらえる。
 自分は、謝罪すべき相手(弱者)の味方である。

セレクション〔S部〕

利己心による選択

 「未来のへの努力を誓う反省」か、それとも 「自分を責め、自己浄化をする反省」か。
 「自分(たち)の立場に立つ」か、それとも「謝罪すべき相手(弱者)の立場に立つ」か。

メソッド〔M部〕

ウイルスの発症・強化

 原罪意識を植え付ける。(例:日本人は歴史的悪人である)
 自己批判をさせる(怒りを過去の自分自身に向けさせる)
 自分はかつては他人に対する差別者であったことを告白させる。
 (そのことにより、自分自身に対する差別者になる)

エフェクト〔E部〕

ウイルスの症状・効果

否定されるもの

 自尊心・自分(たち)を誇りに思う心
 自国の独立と主権(の象徴=国旗・国歌など)
 自分(たち)の立場
 補償に対する感覚(国際ルールも含む)

感染時の症状

 特定の相手に対して卑屈になるが、日本人に対しては鬼の首をとったように尊大にふるまう。
 自己不信・自国不信
 時として自分をうじうじと責め、自分に生まれてきたこと、日本人であることを呪う。
 過去の自分と切断されている。
 アジアの国はすべて日本を嫌っていると錯覚する。

 常に国益に反する行動をする。

 自分(たち)を批判する人間(国)にすり寄ろうとする。

 「自己批判」という手法は、洗脳の古典的手法である。全共闘時代にもよく聞かれた言葉である。教育現場でも人権教育のレポートによく見られる。「反省」することで、自分を傷つけてはいけない。自分を傷つけることは、相手への補償にはならないのである。このウイルスに感染すると、自分の立場を放棄し、謝罪すべき相手(弱者)の立場に立とうとする。弱者の味方になろうとするのである。しかしながら、相手にしてみれば、そのような輩を心から「味方」だと思うはずがない都合よく利用するだけである。一方、自分の立場に立つ者たちからすれば、そのような輩は「裏切り者」である。結局、このウイルスに感染すると、双方から軽蔑されて終わるのである。