ぼやぼやぼやとは何かと言いますれば、つまりは、ぼやきの三乗。まったく、ぼやいてもぼやいても、まだまだ足りない、不条理だらけの世の中。誰かなんとかしておくれぇ。

いろんな病院ありますけど…。

 まぁ、世の中いろんな病院ありますけど、私が行った病院でも妙なことが沢山ありました。大体、日本の医療って、出身大学によって違うんですよね。大方の所は似ているけれど、ときどき治療方針が180度違っていたりするので、ビックリしてしまうことがあります。例えば、切迫早産の治療。今は、リトドリンという良い薬があるので、それを使って抑えるのが主流なんですけれども、病院によっては、そんな薬は使わん!出たいときには出すのがいいんだっ!といって、はばからない所もあるのです。もっとも、早産してもNICU(新生児集中治療室)があるので、良いといえば良いのでしょうが。でも、基本的には、できるだけ母体内で育てるというのが一般的です。逆に、切迫早産というと、すぐに入院。尿道カテーテル(おしっこ出すための管。)を挿入。ベッド上で絶対安静。しかも、3536週にもなれば、胎児も育ってきますので、普通はお産を考えるのですが、その病院では37週までみっちり治療。わ〜、おそろし。妊婦の拷問部屋ですな、これは。

 

 赤ちゃんが大きくて、お母さんの骨盤が小さいと、当然赤ちゃんは膣から出てこられません。これをCPD(児頭骨盤不均衡)という

のですが、これを診断するために、最近では、レントゲン検査をするのが普通です。(昔は、外から骨盤の大きさを測っていた。)ところが、病院によっては、レントゲンが取れるにもかかわらず、こういう診断をしない。そういうの危ないんじゃないのぉ?と思ったら、案の定、大きい赤ちゃんを無理やり引きずり出して赤ちゃんが死亡してしまったりする訳です。こんなものは、裁判になったら、診断のミスだといわれるんですけどネェ。それでも、院長は反省の色なし。いまだに、レントゲンは撮りません。そのくせ、やたらに臍帯倦絡(へその緒が首に巻き付いている状態。)を見つけたがる。見つけると、患者さんにろくな説明も無しでいうものだから、患者さんは何かの異常じゃないかと心配することしきりです。でも、臍帯なんて、生まれてくる赤ちゃんの四分の一位は巻いて出てきて、何も問題ない事がほとんど。問題は、その為に血流が悪くなって赤ちゃんが具合悪くなることです。でも、そういう場合は、きちんとモニターをつけているのですぐにモニター確認できるわけです。だから、得意げになって、臍帯倦絡を見つけてもあまり意味はないのです。でも、院長はモニターで心音が悪くなったのを見ると、「臍帯倦絡がないのに変だなぁ?」なんて首傾げたりして。その考え方って、本末転倒じゃぁありません?

 

 開業医に勤めると、ホント、ビックリするような企業努力をしているものです。誰が見ても絶対にマイナスの検査が、そこの院長が見るとプラスになってしまったり、治療が終わる頃になると症状がひどくなってきたことになってみたり、時には、治療が終わっているのに、予防のために治療することになっていたり。それはそれは、悲しいほどの企業努力です。私なんかから見たら、必要の無いことは必要ないのですが、そうはいかないようで…。患者さんもその気になってしまって、半分依存症のようになっています。もちろん、洗脳も十分。ですから、「もう、治っていると思いますよ。」なんて声をかけると、「いいえ!まだ、治ってないっていわれました!!」なんて怒られてしまいます。でも、詳しく聞いてみると主な症状は無くなっているんですが。でも、なんとしても譲らない。自分は病気だと信じたいのでしょうか?本人が治療したいのはいいのですが、七割は崩壊寸前の保険から出ているのですから、できるだけ、必要の無い治療は、避けたいものです。結局、無駄な治療を沢山重ねれば、また、保険組合は財源が底をついて、余計な保険料の出費を迫られるのですから。ア、もうひとつ、予防的治療というのは保険では認められていませんので…。なぜなら、そんなもの意味は無いからです。風邪ひきそうだといって、毎日薬飲んでいる人はいないでしょう?

 

 最近は、レセプトの開示なんて事も叫ばれていますが、そんなことやったら、皆さんぶっ飛ぶでしょうね。私だって、いつもぶっ飛んでますから。おそらく、やった覚えの無い治療や、検査が、ぞろぞろ出てくる。うっかりすれば、その病院に無い器械や薬を使った治療なんかも出て来たりします。ホント、ビックリです。でもね、これ、保険の仕組みが悪い面もあるのです。つまり、技術料があまりにも安すぎる。婦人科だったら、内診。実際に、やってみると(ん〜、なかなか機会は得られないでしょうが…)これが難しい。なんだか、お腹ってぐにょぐにょしているし、膣の中なんていったらもっとグニュグニュで、医者になったばっかりの頃、初めて内診をさせられて面食らったものです。本当に内診所見が分かるようになるには(なんてえらそうなことは言えないけど…。ずいぶん超音波に頼っているトコもあるんです。私、現代人ですから…。)ヤッパ、最低、23年はやってみないとだめでしょ!だから、そんな技術にも、ちゃんと技術料つけて欲しいのです。でも、そんなの全然無視無視。厚生省のお役人と保険の監査員達は、「おめーらの技術なんて評価しないもんね〜。」と、言っているようです。そのくせ、新しい薬や新しい機械にはやたらに高い値段をつけたがる。お〜お〜、そうだろうよぉ、そういう薬や器械を作る会社は、接待費をジャンジャン使って何回でも接待してくれるだろうよぉ。くそっ。だけど、医者に必要なのはきちんとした技術じゃぁねぇのかい?おい、お偉いさんよぉ。あ、そうそう、つい興奮してしまった。で、医者の技術にろくな技術料がつかないから、結局は、技術に付随して付いてくる薬やら検査やらで代用しようとしているわけです。でも、そんなことしたら、医者の技術をますます地に落とす羽目になると思うのですが…。こうして、技術軽視の保険診療が出来上がったから、技術の無いいいかげんな医者でも、大手を振って歩き回ってるんじゃないのかネェ?

 

 しかし、どうして、日本人て、あんなに薬が好きなんでしょう?病院に来ると必ず薬を持って帰らないと気がすまない。医者の方も、薬を出さないとなんだか落ち着かない。大体、診断能力に欠けるから、原因も考えずに、とにかく対症療法をしたがる。そういったわけで、患者さんが言った症状の分だけ薬が出てくるのです。「この薬はやめてもいいでしょう。」なんて話をしても、症状がぶり返すかもしれないと恐れてなかなかやめられないのです。私なんか、薬嫌いですから、(特に注射はだいっ嫌い。健康診断の採血も何回逃げ出したか分かりません。)薬を出すたびに、こんなに薬だしてしまって良かったのかと、反省するばかりです。だから、薬を出す必要が無いと、とても気分がすっきりします。アメリカでは、薬剤による死亡が死亡原因の第四位を占めるとかで、一時ちょっとした騒ぎになっていたようです。日本の何分の一かの薬しか使っていないのに、そんな具合ですから、実は日本で調べたら、薬剤による死亡が死亡原因の第一位を占めていたりして。スモン、サリドマイド、キノホルム、ソブリジン、小柴胡湯に非加熱製剤。人を助けるために作られた薬が、人を殺すなんて事は日常茶飯事ですから。一般の風邪薬に入っているアセトアミノフェンだって、保険金殺人に使えるんですぜ。ちなみに、最小致死量は2,4gだそうです。これは、一般風邪薬の三日分弱。ドリスタン九杯分なら、ホットレモネードジョッキ二杯分くらいと考えれば、いけない量ではありません。ちなみに、子供ならば1/4~1/6の量。つまり、2〜3才の子供なら、ドリスタン二杯でイッてしまう可能性もあるんです。いやぁ、こえぇ。やっぱ、薬は小児の手の届かない所においておきましょう。え、ドリスタンって、薬入ってたんだぁ。だって?ありゃりゃ。あれって、ただ、風邪薬に味付けてお湯に溶かすようにしただけですから。普通の風邪薬と同じだけの薬が入ってますのでご用心。いつも、薬害のニュースが流れるたびに言われることですが、ホント、薬と毒はさじ加減ひとつなんですよ。

 

 でも、薬好きにしてしまったのは、日本の医者と保険制度。医者が診断能力に欠けるせいで薬に頼って治そうとして、その上保険で薬が安く手に入るので、いつもいつも山盛りの薬を処方してもらっているうちに、薬がないとなんだか病気が治らないような気がしてきたというのが本当の所ではないでしょうか?風邪薬なんて典型的で、薬局で買うと数千円するところが、いつもの医者でとりあえず出してもらうと、数百円。そりゃぁ、医者に行きますわねぇ。それで、医者も、とりあえず薬を出すだけで、お金もらえるんだから、出しますわネェ。そう言ったもたれあい体質が、今の保険制度を崩壊させているのですョ。どうせ医薬分業を謳うなら、薬は全部実費にしてしまえばいいのに。とも思います。もちろん、本当にお金が無くて困っている方は別ですけど、ビトンの新作バッグを買う金はあっても、薬買う金はネェとは言わせないぜ、おねぇさん。そうすれば、無駄な薬を各自がきちんとチェックしますし、余計な薬も出されなくてすむ。もちろん、製薬業と厚生省の癒着も少しながら緩くなるでしょう。要するに、自分でお金を払っていないから、薬や検査に無頓着なんですから。少しは、自分でお金を出すようにすると、もっと、医者のいんちきに気が付くようになるでしょう。そうすれば、口だけ達者ないんちき医者も、多少は反省して、ましな医療を行うようになるのではないでしょうか?

 

 私も一応は、信念みたいな物があって、やっぱり医学的に必要の無いものは必要ないと思うのです。外来で診ていると、ときどき同じような薬を沢山飲んでいる方がいます。時には複数の科から薬をもらっていて、だいぶ重なっているものがある。それに、薬の副作用ではないかと思われるような、症状も訴えるのです。それで、この薬はやめたらどうか?などと提案しても、まず、受け入れてもらえません。でも、複数の薬の服用というのは、かなり神経質にならなくてはいけないし、できるだけ減らすようにしなければならないのです。なぜなら、四種類以上の薬の相互作用なんて、誰にも分からないからです。薬理学者によると、生体内での相互作用なんて、三種類以上でも、わからないらしい。そういう例で卑近なのが、ソブリジン事件でしょう。全然関係ないと思われていた、帯状疱疹の薬と抗がん剤が、大変な副作用をもたらしました。そうでなくても、あるものは、薬剤の代謝を抑制し、あるものは代謝を促進したりします。そうすると、当然薬の効き方は変わってくるわけです。時には、相互作用のため、薬が何倍もの効果をもってしまうことがある。同時に副作用も何倍にもなって人を襲うのです。薬だけではありません。アルコールやタバコなども、薬と一緒に飲むと危険なこともあるのです。そうそう、アセトアミノフェンもそうでした。いやいや、恐ろしいことで。保険診療の節約とか、薬剤の過剰投与の問題とか、そんなことの前に、もっと、医学的に必要な薬かそうでないかを考えなければいけないのではないでしょうか?中には、「この薬飲んでいると安心なんですよねぇ。」なんていう方もいらっしゃいますけど、そういう薬だって副作用ありますからご用心。薬は安心のため飲むのではなくて、薬理作用によって、症状を軽減したり、疾患の原因を除去したりすることが目的なのです。そうでない薬は、毒にしか過ぎないといっても過言ではないでしょう。大体、薬なんてそんなに期待したほど効きやしないんですって。もし、そんなに効くのだったら、私らの商売上がったりですがね。大して効きやしない薬を、あーだこーだと知恵を振り絞って、組み合わせたり、変えてみたりして、やっと治ったね。と、いうのが私らの商売です。なんていうと、製薬会社の人に怒られちゃう。でも、ホント、この薬でこれが治る!なんていうのはそんなに種類は多くないんですよ。風邪だって、薬飲んだからってそうそう治るもんでもないし、生理痛なんかだって、薬効かないでこまっている人が沢山いるわけでしょう。まぁ、そんなもんなんです。だから、あまり、薬にばかり頼らない方がいいと思いますよぉ。と、言いつつ、私もついつい、薬買っちゃうんですけどね。だから、大田胃散と龍角散とビタミン剤は私の家には欠かせないのです。あ、人のこといえねぇか、ハハハ、失礼。

 

さぁて、うちにもどるか!