掲示板に書き込みましたが、ちょいと、テレビの番組に顔無し声変えして出してもらったんです。ゲストは、弁護士やってるしたり顔の医者やら、作家やってる医者やら。どうでもいいけど、マスコミかぶれした連中というのは、どこまであたりまえのことしか言わないのでしょう?しかも、その医者どもは、他の職業やってるくせに、どこまでも医者のプライドを捨てない。医者をかばう事までしたがります。そんなにも医者の社会って閉鎖的なのです。
と、いうのは、ただの前置き。医療事故を、どう、無くすかなんて事がしめやかに語られてますが、こんな調子じゃ、まず無くならない。だって、注射器のコネクターの径を変えましただとか、コンピューターを導入しましたとか。おいおい、そんなのは枝葉末梢の事だよ。確かに、麻酔機器のコネクターを変えたことによって、誤接続がなくなって、そういったミスによる麻酔事故はなくなったかもしれない。笑気ガスが出るときは、必ず酸素も出るように機械が改良されたし、便利になったものだ。しかぁし、それにもかかわらず、酸素ボンベが空になったのに気がつか無かったなんて事故もある。ゲージを見ればすぐ気が付くのにね。油断しすぎだよ。
あのね、航空機業界ではハイテク機ほど危険性があるという人もいる。つまり、全てを機械に頼るわけには行かないのに、機械が色々やりすぎてしまうので、ついつい頼ってしまうというわけだ。名古屋の中華航空機墜落も、ハイテク機のオートパイロットが解除されていなかったために起こった事故だ。大韓航空機の領空侵犯だって、オートパイロットの入力ミスが原因だった。インドネシアの墜落事故も、そうであった。いっくら機械を高性能にしても、その利点と欠点を理解し、十分な知識を持って扱わなければ、とんでもない事になるのだ。
そういえば、医療機器も、モニターのアラームを切ってしまったために起きた事故があった。ハイテク機器なんていうのは、人間のやることの補助に過ぎないのだ。ハイテク機器があったら危険が少なくなるというのは、ハイテク機器が無くてもきちんとできる人が使うからだという事を勘違いしないで欲しい。注射器のコネクターを変えても、注意散漫な人が使えば、ちゃぁんと間違って使う事ができる。いいかげんな管理の病院では、節約のためと称して、コネクターの違う注射器を買う事はしないだろう。結局、事故が起きる所では、なにをやっても事故が起きるのである。
結局は、間違えというのは人間の問題だ。間違えばかりする人というのは、注意力散漫で、危険に対しても鈍感である。つまり、危機管理に対して、ポイントがずれているのだ。そういう人を、いつまでも医療に携わらせておく事は、大変危険なことではないか。古くは、片桐機長のように、その素質が無い人が人命を預かる仕事をすれば、いつか崩壊するのは目に見えている。最近の守看護士にも言えることだ。つまり、問題は、使われる機器にあるのではなくて、使う人間にあるのだ。
例えば、車で考えてみても分かる事。ボルボに乗っていても、へたくそが運転すれば死ぬのだ。それなりに、運転ができる人が運転する事によって、ボルボのハイテク安全装置が十分な機能を発揮する。ベンツに乗っていても、200kmで走ってぶつかれば死ぬという事は,ダイアナ妃が命を捨てて証明してくれた。結局は、安全というのは、その機器を扱う人間が守るものである。
それを踏まえて、地方の個人病院なんて言ってみたら、びっくり仰天目の玉とびだし鼻血ぶぅ。だいたい、まともな薬品管理はしていない。やばい薬も、剥き出しそのまま。時々、院長室の冷蔵庫にスッゴイ薬が入っていて、健康ドリンクと間違えて院長が飲んで大変な事が起こるなんていうはずはないか。でも、大抵、院長室の冷蔵庫というのは、やばい薬が入っている。それはどうでもいいけど、(ちなみにウチのクリニックの院長室の冷蔵庫には、たいした事無い薬と、お茶とゼリーが一緒に入っている。)それほど、薬品管理には気を使ってない。とくに注射のときなんか、私の感覚では、絶対に分からなくならないように、注射を注射器に吸ったら必ず薬名を記載するか、薬のアンプルを注射器にはっておくべきだと思っているのに、今のクリニックでは、注射を注射器に吸って捨ててしまう。そうすると、次の看護婦が、なにが入っている注射器かわから無くて、右往左往するというわけだ。新米看護婦いじめには、ベストのシステムだが、医療と考えると冗談じゃない。吸った薬品名くらい記載しとけ!!しかし、そう言った教育は一切受けていない。看護婦の数が少ないから、なんとかなっているのだろう。いつか、スッゴイ事が起きるかもしれない。でも、看護婦は、私の言う事は、私の娘ほども聞かない。(私の娘も、私の話はほとんど聞かない。)と、言うわけで、当院で医療事故が起きたらごめんなさい。なんて言っている暇ではない。何か起こったら、担当看護婦を、逆さ釣りの上、百叩きの刑に処す。でも、何かあったら、名ばかりの院長でも、責任を問われるわけだ。やべーやべー。全ては理事長の指示の元に行われているのに、矛盾を感じるなぁ。
ま、そんな事言っていたって始まらない。とにかく、何とかしなきゃならないのだ。もっとも、当クリニックで使う薬は限られているので、私が注意していれば、まず、問題はない。(それでも、患者さんが多いと、時々、看護婦に注意される事もある。)でもね、調剤薬局で間違えて薬出されちゃぁネェ。もちろん、テレビのニュースになった調剤薬局はどうかは知らねども、当クリニックの近くの調剤薬局は、こちらが意図的に変えた薬までも、きちんと問い合わせてきてくれる。時々、忙しいときにはうっとうしく思うこともあるが、きちんとやってくれていることがうれしくもある。時には、本当に間違えていることもあるので、大変助かる。こういう時に、医薬分業というのは役に立つ事だなぁ。と、実感させられるのである。
私は、ひつこいほど、薬を出すときに注意するのだが、とにかく、初めての薬は使ってみて異常があったら、中止して、必ず問い合わせる事。100人に使って大丈夫な薬も、貴女には毒になってしまうこともあるのです。私も、胃が弱いので、鎮痛剤は注意しないといけないし、あるとき、いつもと違う鎮痛剤と抗生剤を一緒に飲んだら、全身薬疹だらけになってビックリした。薬は、毒にもなりうるものだから、注意してください。そして、異常があったら、必ず医者に確認して下さい。別のところに書いたが、医者は、簡単に薬を処方できるので、結構良く薬をのむ。そして、結構、薬の副作用を経験していたりするのだ。例えば、ニューキノロン系の抗生剤(タリビット、バクシダールなど)と消炎鎮痛剤をのむと痙攣を起こす事があるが、それをやって、診療中にひっくり返った医者がいる。薬というのは、体調の悪いときにのむのが普通なので、いつも以上に注意が必要です。ほんと。漢方薬でも、新聞ネタになった「小柴胡湯」に限らず、漫然と長期間続けると異常が出ることがあるので注意。私のクリニックの患者さんで、前院長が何気なく出した(大体、何気なく薬なんて出すもんじゃない!)漢方薬を、素直に長期間飲んでいたために、汎血球減少(白血球や赤血球がいっしょに減少する)と発熱をきたした方がいた。どうも、漢方薬を飲んでいて、体質が改善されたため、証が変わり、薬の作用が強く出たらしい。いやいや、あの時、気が付かずに、血液検査してなければ、新聞ネタになっていたかも…おおこわ。
でも、そういうニアミス(いわゆる、ヒヤリハット)を糧にして、勉強しているというのは事実です。話しは戻るけれど、そういうことを糧にして勉強できない奴が、センスのない奴といわれる。これもニュースになった、26cmの手術器具を患者さんのお腹に置き忘れてきた産婦人科医。これに懲りずに、また、金属製のクリップをお腹の中に置いてきたらしい。馬鹿である。手術をする時には、必ず、お腹を閉める前に使ったガーゼや器具を確認する作業がある。これが、きちんと合わないうちは、お腹を閉めないというのは常識なのです。それは、例えば、道路に一時停止のサインがあれば一時停止をするのと同じこと。そういう、大切な事をやらない医者は、事故の常習犯です。例えば、気が付いたときに、薬の副作用を調べなかったり、使い慣れていない薬の量を確認しなかったり。そういう医者は、患者さんのちょっとした訴えにも、気を払わなかったりする。その結果、大変なことになってしまうのです。例えば、抗がん剤を必要以上に投与してしまったりね。
アメリカでは、調べると、その医者がどのような経歴を持っているかとか、外科医なら、どれくらいの手術をこなして、どのくらいの失敗例があるかとか、そんな事がすぐ分かるそうです。日本でも、そういうことが公開されると、もっと、ああいう奴とかこういう奴が医者を続けてられなくなって、結構良好な医療状態になるのではないかと思うのですが。いま、しきりに情報公開をしようとしているのは、どこの大学出身かとか、どこに留学したとか、そんな事でしょう?出身大学なんて、もっとも当てにならない。あっちこっちで逮捕されている、収賄だの横領だのしている人たちの出身大学なんて、ほとんどが東大とか早稲田とかでしょう?出身大学なんてカンケーネーヨ。それが、問題になるなら、本田宗一郎も松下幸之助もトーマス・エジソンもヘンリー・フォードもただの人でしょう。何もできないはずです。医者の留学だって、大抵は箔をつけるためにするものです。大抵は、医者として出なくて、研究員として留学するわけで。ほとんどは、研究といったって、助手みたいな事をやって、やっと一つか二つ論文をまとめてくるだけですから、サッチーの留学話と大して変わりないのです。それどころか、そういう留学って、語学留学といわれているにもかかわらず、英語もしゃべれないまま帰ってくる奴多い。無駄な金使って、箔つけてるだけなんですね。しかも、14金の金箔くらいの安っぽい箔を。なに、私が留学できなかったからひがんでいるわけじゃないよ。と、思います。じゃないかなぁ。だといいなぁ。う〜ん。ちょっとひがんでるかもしれない。許して!
いやぁ、自分で書いて置きながら、耳の痛い話しが続くなぁ。実名出しておかなくて良かった。米山先生(内科医を辞めて本格的に医者の暴露本を書いている作家)の本にも書いてありますけど、医療関係者が事故を起こすと、必ず、忙しいからとか理由をつける。「小人の過つや必ずかざる。」というのは、論語に書いてありますが、まさに、その典型。もちろん、現在の医療体制というのに問題が有るのは有ります。でもね、それを、忙しいからそうなったなどと、言い訳してよろしいもんでしょうか?確かに、一方では、医療体制自体の見直しが必要ですが、個別の事故については、忙しいからそうなったといういいわけは効きませんやね。そんな言い訳、森総理でも、あ、そういえば、阪神大震災の追悼の日に参加しなかった森総理の欠席理由は、確かそんな事言ってたなぁ。フム、そんな事いうのは、森総理か医者かという事か。なんか、悪寒がしてきたぞ!
こんなことしてちゃ、日本の医療は良くなるはずないでしょ。あ、保険の審査があるから、それでインチキ医者がとっちめられるのではないか?なんて考えてる方いるかもしれません。それは、ぜんぜん間違えです。通常、確かに保険の適応というのは、有る程度の基準を示しますが、決して、患者さんの事を考えて作っているわけではありません。いかに、保険組合が金を出さなくてすむようになるかを基準にしているだけです。審査も、それに準じますから、結局は、うまく保険組合の制度にのっとって書類を整えられるような、要領の良い医者が得するばかりです。大抵、よく勉強をして、アップツーデイトな治療をしている医者は、この、保険制度にいじめられている事が多いのです。なにせ、医療の標準でなくて、医療費の標準によって審査されるわけですから。もしかして、医師会がきちんと馬鹿医者を排除してくれるだろうなんて考えている方もあるかもしれません。それも、大間違え。医師会は、開業医の同業者組合に過ぎないので、基本的には開業医の利益を守るためにあります。しかも、上層部はなぁなぁのジサマの集団。そんな人たちに、なにを期待できるのでしょう?医師会は医者の商工会程度に考えておいた方が無難でしょう。
じゃ、どうしたら、医療が良くなるのでしょう?もちろん、色々な医者や厚生省の役人がそういうことに懸命に取り組んでいるのも事実です。でも、やはり、最終的には同業者として甘さが出てくる。ついつい、保守に走ってしまう事になりがちです。こういうことは、まず、受ける側である、患者さんが文句を言うことです。今のように、医療事故がどんどん表に出てくると、国会や厚生省でも真剣に扱わないわけには行かなくなってくる。そうして、患者さんが、個々の医者に、医師会に、厚生省に抗議をする事によって、だんだんに医療は変わっていくのです。まず、貴女が、次に医者に行くとき、質問する事を紙に書いて、しっかり忘れないように質問して下さい。こういうことが、積み重なる事によって、今まで説明なんかろくにしていなかった医者も、説明せざるをえなくなるでしょうし、診療や投薬に確固たる裏づけのない医者はすぐにばれますから、患者さんが少なくなって、排除される事になるのです。それに、問題ある医療に付いて、泣き寝入りすることなく、きちんと医師会に訴えれば、さすがの医師会も、その医者に警告しますし、場合によっては、医師会の存続の為に、医師会の名を汚すような医師を脱会させる事も考えられます。さらには、そういう働きかけを、みんながする事によって、厚生省が動き、医療のスタンダードをきちんと打ち出すようになると思うのです。なんせ、保守的な組織というのは、日本の伝統にしたがって、黒船に二・三発砲弾を打ち込まれないと、改革が起きないようなシステムになっているのですから。
そんな事書いてると、また、自分の墓穴掘っちゃうなぁ。どうしよう。そろそろ、次の仕事考えないとダメかしらん?キャンピングカーの修理・販売か、うまい食い物屋か、森林レンジャーか、どれにしようかな?それとも、お笑い方面も悪くないかもしれない。タモリの四ヶ国語マージャンの前から、四ヶ国語ニュースって言うのやって、友達に受けていたしぃ。でも、いずれの仕事も厳しいなぁ。医者の世界が、いっちゃん楽かも知れん。なんて…。
ザケンナヨォ!こらぁ、Cap.TAKA出てこぉい!ちょっと話しがある!などと怒りつつHOMEへ。