1999年もまたまたぼやかしていただきます!略して「またぼや」。

  1. 優しい院長・事務的な平医者(院長で無いヒラの医者。)
  2.  私は、地方都市の個人病院に勤めています。この病院は、市内の個人病院ではおそらく出産数が一番多いだろうと思われる病院です。もちろん、そういう病院ですから、患者様への表向きのサービスには気を使います。で、毎週、朝礼で、患者様からお寄せいただいたアンケートの結果が発表されるわけです。

     その中に、必ずあるのが「院長先生はとても優しくて、説明も時間をかけてきちんとしてくださいますが、他の先生(平医者)は、事務的ですばやく終わってしまうので、質問もしにくい雰囲気です。」と言うクレームです。

     そんな事、朝礼で発表されよう物なら、職員の目は一斉に私の方へ。何故なら、これだけ大きい医院なのに、医者は院長と、私と、もう一人の先生。その先生はほとんど外来に出てこないので、外来は院長と私で回しているのです。(もう一人、理事長がいますが、分院を建ててそこにこもっている。)

     実は、そういうアンケートの中には、時々来てくださる大学の先生の事も混じっているらしいのですが、実情を知らない職員はてっきり私の事だと思っている。まったく、むかつくなぁ。というわけで、ここにぼやいてしまうのです。

     大体、この病院一日に140〜150人位の外来患者さんがいらっしゃいます。一日の診療時間は約七時間。いくら医者がやろうとしても、看護婦や事務員は、労働基準法に縛られているので、むやみに診療時間を延ばせません。

     さて、それだけの患者さんを診るのにどれくらいの時間がとれるでしょうか。単純計算で、一人3分弱。二人で平均的に診ても6分足らずなのです。

     婦人科では内診と言う特殊な診察がありますから、診察のための着替え時間などを考えると実際に診察できる時間は3〜4分でしょう。まあ、その中には洗浄だけの方も一割くらいはいるので、少しは診療時間が増えますが、いずれにせよその方が着替えをしている間、内診台は使えない事になりますので、結局、患者さん一人につき平均4分くらいと言った所ではないでしょうか。まぁ、これが悪名高き三時間三分医療の実態なのです。

     さて、こんな医療環境の中で、院長は何をしているのか?もちろん、アンケートの結果にあったように、時間をかけてゆっくりと説明しているのです。院長の、弁明としては、「自分のところには沢山難しい症例がまわってくるので、説明に時間がかかるのだ。時には、家族に説明もしなくてはならないし、入院の手続きを取らなくてはいけない。」という所でしょう。しかし、そういう症例が、一日何人もくるわけではありません。それに、院長の他の患者さんは、不妊症の排卵の検査とか、普通ならすぐに終わるような検査の患者さんも多いのです。

     でも、院長は常に遅い。ついてる看護婦が、院長の所にカルテ置いといたら終わるのがいつになるか分からないから。と言っては、私のところにまわしてくるのです。結局、診察すると診察しただけまたカルテがまわってくる事になるのです。それは、まるで、底に穴のあいた船の水をかきだしている姿を連想させます。

     しかも、カルテには受付時間がしっかりと書いてあります。見ると、もう、1時間以上待っている方が沢山いる。そうなってくると、ゆっくり話しを聞いている暇はありません。とにかく、超音波の検査をして、今までの検査結果に目を通して、必要な注意事項を話すだけでせいいっぱいです。

     そんなときに、質問されると、必要な事は言っておかないといけないので、事務的になってしまおうが、とにかくしゃべり続けるしかないのです。そんなに、重要な事でなくて、ちょっと聞いておきたいと言うような事もあるのでしょうが、後ろには、まだまだ沢山待っている患者さんがいるとなると、ゆっくりしゃべってもいられない。

     看護婦も、さっさと、次の患者さんの準備をして待っている。こうなると、もうゆっくりしてられない。どう思われようが必要な診察はしなくてはなりませんから、「お大事に」なんて言いながら、次のカルテをめくって椅子からは半分腰をあげて、内診室に向かっていると言う状態です。

     本当は、そんな状態が一番嫌なのは自分なのですが、次から次へとカルテが増えていくから仕方がない。もし、私がそうしなかったら、おそらく、診療時間を数時間過ぎても終わらないでしょう。待ち時間も2〜3時間は覚悟していただかないといけません。そう言う状態でも、何か問題がある患者さんなら、きちんと時間をかけて説明しなくてはならない。そうなれば、ますます、他の方の診療時間は短くなるわけです。

     みんながみんな、院長の優しいお話しを聞きたいなら、病院で、2〜3時間は待つ覚悟でいないといけない。平医者の事務的な対応が嫌なら、「院長希望」と受付で言っていただければ問題無いのです。

     そんなアンケートの結果を聞かされて、「ど〜すりゃ良いのさぁ」と思っていた矢先、ちょっとした病気で、私が他の病院にかかる事になったのです。あまり、他の病院に行った事は無いですし、行くとしても知った先生の病院ばかりでしたから、一体、他の先生はどんな風に診療しているのかと言うのは、とても興味ある所でした。

     ところが、その病院はとても淡々としている。受け付け嬢も、私の勤めている所とは違って事務的でした。でも、対応は早く、確実なので、変ににこにこされるよりも気持ちの良い対応だと思えました。また、看護婦さんもそうで、名前に必ず「様」をつけて呼ぶうちの病院より、「〜さん」と呼んでくれるのでかえって気持ちいい感じです。たいへん能率的な感じで、この病院なら、変にたくらんで金儲けようとしていないな。とさえ感じるのです。(逆に言うと、うちの病院は、変に丁寧過ぎて、その分なんか余計な金取ろうとしてるんじゃないの?と、疑われそうな気がするのですが…。)もちろん先生も、淡々としたもので、さっと診察して、病状や治療方針などを淡々と説明して、次の予約日を言っておしまい。ことばも、丁寧ですが、だからと言って無理矢理な敬語を使っているわけでもない。実にすっきりさわやかな気分で帰る事が出来ました。

     いつも思っていたのですが、例えば、買い物に行くときに、対応が早くて便利と言う事を目的にして行くか、対応の仕方が親切で気持ちいいという事を目的にして行くのかの違いと同じでしょう。買うものが決まっていて、買い物を目的にして行くなら前者を選ぶでしょうし、買うものが決まってないけど何となく寄ってみると言うなら、後者を選ぶでしょう。もっと言うなら、スーパーのレジでどこに並ぶかと言う選択と似ています。知っているおばちゃんでにこにこと世間話など交えながら売ってくれるのが良いか、淡々としていても能率的で早いのがいいのかという事です。

     病院の選択と言うのは、それとは少し違いますけれども、やはり対応がすばやくて能率的なほうが安心感があると思うのですが…。ま、そんなことで、その病院に行って、別に事務的な事はそれほど悪くないのではないかと、少し安心した次第です。(まぁ、程度の問題もありますけれど。)

     それにしても、院長の話しと言うのはそんなに親切で優しいのでしょうか?看護婦に聞くと「自分の好みの人にはね。」と、言っていましたけど。たしかに、ときどき、用事があって院長の近くにいるときに話しを聞いていると、けっこうつっけんどんに話していたり、診断を悩んでいるのか、沈黙が続いたり、「だからぁ、そうじゃなくてぇ…」なんて、言葉が聞こえたり、そんなやさしくねーよなぁ、と思うことが多いのです。正直に言って、もし、自分がそう言う話し方の先生に診てもらったら、けっこう腹立つんじゃないかと思いながら聞いているのです。

     それに、詳しく話しているかというと、これも疑問だ。院長にかかった患者さんが、私の所へ再診に来たとき、「前、院長に説明は聞いてますか?」と、尋ねると「いいえ、そんな事は聞いてません。」と言う答えが多い。それからまた説明しなくてはならないので、けっこう時間がかかるのです。それなら、何のために時間をかけて話をしているのだぁ?看護婦の言う通り、自分の好みのタイプの患者さんにしか、詳しい話をしないのでしょうか?それで、こっちにカルテまわされて、その上アンケートに事務的で嫌な先生だとか書かれてしまうのは、まったく不条理だっ!

     結局、院長と言う肩書を見ると、それだけで優しくて、話しをきちんとしてくれるなどと思ってしまうんだろうな。そのように、権威主義で自分で物の価値判断が出来ないなら、どうぞ院長希望と言っていただければ、来院のたびに院長に診てもらえますから、遠慮しないでください。お産も、院長に頼んでいいですよ。と、私はいいたい!!それは、平医者のひがみか?

     そんな、状況なのに、必要も無い洗浄を長々と続けたり、必要も無い再来を予約したりするし、患者さんの数が減ったとぼやくし。いいですけど、増えたらどうするの?もう一人ちゃんと医者を雇ってくれるんでしょうね!

     と、言うようなのが、比較的大きい個人病院の勤務医の状況です。だから、皆さん、個人病院に行ったら、勤務医の先生(平医者)の事は、悪く言わないでください。(院長や、理事長なんて人達の悪口はどんどん言っていただいてかまいません。大体、そんな事をいちいち気にするような人は院長、理事長なんて人達の中には、ほとんどいませんから。)何かあっても、やむにやまれずそうしている事が多いのですから。

    それにしても、朝礼のアンケートの結果発表やめてくんないかなぁ…(;_;)。

     

  3. 病院で処方される薬について

 私、学生の頃から疑問に思っていることがありました。風邪薬についてです。学生のとき、たしか、風邪はほとんどがウイルスによる上気道(のどのあたり)の炎症である。抗生剤はウイルスには効かない。ウイルスによる感染はほとんどが免疫の力によって治る。そんなふうに習っていたような気がするのです。(もちろん、おちこぼれ学生でしたから何を習ったのかなんてことはあまり覚えていないのですが…。)

 だったら、風邪に抗生剤なんか効かないじゃないか!(というのは葛根湯医者の所に詳しく書きました。)風邪薬は対症療法なんだから、風邪の初期に薬をのんだからって治るはず無いじゃないか!しかも、局所の免疫反応がつまりは炎症反応なんだから、消炎剤で炎症反応を抑えるって事は、ウイルスを助長するようなもんじゃないかぁ!医者になって数年間はそんな疑問を持ちながらも、風邪薬は風邪を治す薬だと信じて処方していたのです。(やぶ医者め!)

 しかぁし、やっぱりそれは間違えだったのです!!ウイルス感染には、抗生剤は効きません。したがって、風邪には抗生剤は無効なのです。確かに、2次感染には有効ですが、健康な人ならめったに2次感染を起こすことは無いのです。また、起こしたとしても、免疫力でほとんどが治ってしまいます。

 さらに、消炎剤は症状を抑えるだけの効果しかありません。しかし、炎症反応というのは局所の免疫反応であり、それを抑えるという事はウイルスの増殖を助けているに過ぎないのです。

 解熱というのも、必ずしも必要ではありません。なぜなら、熱が出るために、ウイルスの増殖が抑制され、免疫反応が活発化されるのです。免疫力の弱い小児に解熱剤をを投与して、必要な発熱を抑えると、発熱している期間が延長するといわれています。また、消炎剤を使うと感染が波及し、感染性心内膜炎などの重症な疾患を起こす可能性があるとも言われています。

 小児のウイルス感染に対して、サリチル酸系の消炎剤(アセチルサリチル酸=アスピリン)を使うと、ライ症候群という重症な脳症を起こすことが知られています。この病気が発症すると、ほとんどは亡くなるか、助かったとしても重症な障害を残します。従って、アメリカの医師会では、ウイルス性疾患に対してサリチル酸系の消炎鎮痛剤を使わないよう忠告しています。小児用バファリンのコマーシャルを最近見なくなったのも、アメリカでこの事が問題になったためです。

 大体、医者が勧める薬だから大丈夫だろうなどと思ったら大間違いです。サリドマイドも、キノホルムも、クロロキンも、ソブリジンも、非加熱製剤も、ぜーんぶ厚生省が見とめて、医者が処方した薬なのです。

 今も、危険な薬は沢山はびこっています。たとえば、ポンタールという消炎鎮痛剤はアメリカでは「小児には使用しない事」と、なっています。ビックリした事に日本には小児用ポンタールという薬が堂々と存在するのです。それは、副作用の報告があったからではなくて、十分な治検が行われてないためということなので、まだ、いいのですが…。ボンゾールという内膜症の薬は、つい数年前、副作用による死亡例が出て大騒ぎになりました。当時は、内膜症の治療をしている方から、ずいぶん質問を受けました。でも、今はそんな事、みんな忘れてしまっています。インドメタシンも、妊婦には禁忌(使ってはならない)薬になりましたが、切迫早産の陣痛抑制のため使っている病院も少なくありません。確かに、それまでは、そういった場合に使われていた薬なので、使いたくなる事もあります。しかし、使わざるを得ないときは、充分な説明がなされてから使用されるべきではないでしょうか。

 非加熱製剤のHIV問題でもおわかりのように、日本の厚生省は、薬の副作用について、大変無頓着で、しかも、対応が遅いのです。アメリカでは数例の死亡例があっただけでも、その薬が発売中止になったり、厳重な投薬制限を受けたりするそうです。それに比べて、日本と来たら、被害者が訴えるまで、もしくはマスコミで大騒ぎになるまで、平気で放っておくのです。ま、どうせ、製薬会社から接待でもうけて、そう簡単に発売中止に出来ないのでしょうけど。

 しかも、多くの医者は、薬の副作用に無頓着です。いつもの薬をいつもどおり出してりゃぁ、間違い無いだろう。程度にしか思ってない医者がけっこう多いのです。いや、本当に厳密に副作用や、相互作用を考えて出されている先生もいらっしゃいます。私なんか、全然足元にも及ばない。でも、これ、本当にいいのかよぉと言うような処方も、多数見うけられるのです。私のような落ちこぼれやろうが見ても「いいのかなぁ」と思うから、やっぱかなり怪しい。ひどい病院になると、do処方といって、ずうっと前回と同じ処方が出されている。一体オリジナルはどう言う処方だか、カルテの最初を見ないと分からないくらいです。まぁ、そうでなくても、大学病院などで誰かに習った通りの処方をいつまでも続けている。必要も無いビタミン剤とか、間違った点滴の処方までそのまんま。何も考えていない。逆に、これでいいのかなぁと思って調べると、すごく絶妙な処方をされている先生もいらっしゃる。尊敬してしまいます。やはり、内科系の先生に多いです。漢方専門の先生だと、もう、これは匠の技です。何故その処方かを聞いても、その答えが難しくてよく分からない。でも効いている。まるで、ハイデカーやデカルトの本を読んでいるようです。

 まあ、別に、通常の病気であれば、何も匠の技を使わなくても、納得できる処方なら、問題無いでしょう。でも、ちょっと風邪といっただけで、何種類も薬を出して、患者さんが、とてものみ切れないというのは考えものです。「気持ち悪くて病院に言ったら薬出されました。」なんて、吐き気止めやら胃薬やら五種類くらいの薬をもっていらっしゃる。「で、気持ち悪くて、それ、飲めましたか?」と聞いたら、あんのじょう答えは、「いいえ、気持ち悪くて飲めませんでした。」なんてジョークみたいな話しもよくあります。昨日、腹痛で救急病院に行ったら、この薬渡されました。といって出された薬を見ると、便秘薬と、下痢止めが一緒に入っている。おいおい、どっちなんだ一体!なんて言うのもありました。

 薬なんて、ちょっと高級なキャンディくらいに考えている先生もいらっしゃる。ある病院の薬の説明書には、「この薬には副作用はありません。健康食品や、ビタミン剤のつもりで毎日飲んでください。」と書いてありました。おまえ、薬の本どっかに無くしただろう!副作用の無い薬は無い!といっても過言ではありません。ちなみに、その説明がついている薬の副作用を本で調べてみると、発ガン性、血栓症、胃腸障害、頭重、浮腫、耐糖能低下、肝障害、アレルギー、色素沈着、中性脂肪増加と、書いてある。最初の二つは、他の薬との組み合わせで可能性は減るのだが、他の副作用は問題になる可能性は高い。とくに、健康食品のつもりでのまれたんじゃぁねぇ。

 薬の専門家に言わせると、薬というのは、2種類以上組み合わせた場合の相互作用がほとんど分かっていないらしいのです。あとは、のんでみてのお楽しみ(お苦しみ?)というわけ。つまり、出来るだけ2種類以上の薬は飲まない方が良いわけです。それでもやむを得ない場合は、仕方が無い。でも、風邪薬ごときで五種類も六種類も出されたんでは…。わたしは、風邪薬や、胃薬など、症状を抑えるための薬なら市販薬の方が優れていると思うのですがねぇ。

 ちなみに我が家には、太田胃散と竜角散と紫雲膏を常備薬としておいてあります。風邪薬は最近、ドリスタンがいいと思っています。昔、住んでいた所の近くに薬局があったので、よく薬を買いに行ってました。薬局の店員さんに、何で、病院の先生なのにわざわざ薬を買いに来るのかと、怪しがられてましたけど。

 ところで、医者が何故薬を沢山出すか知ってますか?実は、本人も薬の信仰者である事が多いのです。私の後輩の医者は、(かなり医局では有名なんですが。)ほとんど、人体実験といっていいほどの薬を毎日飲みつづけています。なぜか、いつも腹が痛いそうで、とにかく消炎鎮痛剤をのみます。で、どうも何かの感染症で痛いような気がするといって抗生剤ものんで、更に、抗生剤で腹をこわしてしまうので、下痢止めを飲みます。ビタミン剤もB群C群は欠かさず内服です。そのほか、何やらわからない薬を、これはいいとかいいながら2〜3種類。風邪などひけば、その他に、数種類の薬を飲んでいるようです。それを、もう、何年間も続けているのです。いやぁ、びっくりびっくり。でも、まだ生きているようなので、薬というのは健康な身体であれば何年のんでも大丈夫なようです。(なんか、矛盾しているような気がしますが。)

 それは特殊な例です。しかし、他の後輩の話しはありそうな話しです。彼女は、ある日、仕事中に、なんだか風邪ひいてふらふらするのでちょっと休ませてくださいと言って、当直室に引っ込んでしまいました。で、そりゃ大変。と思って、昼休みに当直室を見舞ってやったわけです。なんか薬飲んでるのぉ?と聞いたら、これまたビックリ。風邪をひいたので、総合感冒薬、熱っぽいので消炎鎮痛剤、(風邪には)役立たずの抗生剤、咳も出たので鎮咳剤、肩が凝るので筋弛緩剤、ついでにビタミン剤などものんでいたのです。大抵、総合感冒薬に抗ヒスタミン剤が入っているので眠くなりますし、消炎鎮痛剤でもふらついたりすることがあります。また、鎮咳剤の中にもコデインなどの麻薬性のものがあり、これもふらついたり眠くなったりの原因になります。更に、筋弛緩剤ものんでいたので、筋肉の力が入らずふらつくと言う事も十分考えられます。私は、頭を抱え込みました。こいつも、外来で、患者さんに処方しているのだぁ!一体、いつも、どんな処方をしているのだぁぁぁあぁぁぁぁ!!!(こら!***、君のはなしだ、きみのぉ。)

 ホント、頭が痛い話しです。ま、そこまで行かなくても、ちょっと風邪気味だと言うと知っている限りの薬を出してのみ始める医者は多いのです。これじゃぁ、日本は薬漬けの医療になるわなぁ。

 それにしても、皆さん薬が好きです。とにかく、なにか症状があれば、薬を飲めば治ると思っている。しかし、薬で治る病気というのは限られています。食習慣や生活習慣から起こっていると思われる病気も少なくないのです。なにか症状があると、すぐに薬に頼るのは決して良い事ではないと思うのですが…。もちろん、薬が必要なのにいつまでも放っておくのも危険な事がありますので、ひつこく続く症状があれば、医師に相談する必要はあるでしょう。しかし、医師は、本当に薬が必要なのか、症状を抑えるだけなのか、きちんと説明する義務があると思うのです。はっきり言って、原因不明の病気で、治療しようが無いものも沢山あるのですから。

 それから、風邪ひいて熱が出ているのにもかかわらず仕事をする事を強要するような社会というのも、ひどいものだと思います。まず、風邪薬を飲んで製薬会社とやぶ医者を儲けさせるより、風邪ひいて熱が出たらゆっくり休んで治す事が出来る社会制度が必要なのではないでしょうか。それは、もちろん風邪に限らず、もっと重症な病気や、妊娠についても言える事です。これだけ不景気になって、人手が余ってる時代なのですから、せめて、病気したときぐらいゆっくり休みましょうや。と、思うのですがねぇ。どうでしょ。私はどうかって?んんん。まぁ、学生時代から、サボるのは得意でしたから、それなりには…。でも、十分休むってわけには行きませんねぇ。だから、だからこそ、そう言う社会自体を見なおさなきゃいけないのですよ。海の向こうじゃ、日本よりずうっと経済が潤っているのに、完全週休二日制、夏休み数週間という国が沢山あるんですから。

 甘いって?甘くったって良いんです。諸外国の国々だって、最初はそんな事してたら経済がなりたたんと思っていたんですよ。しかし、みんなが努力して、ゆっくり休んで楽しめる制度にしたんじゃないですか。人生を楽しむって言う事はそんなに悪い事でしょうか?そう思っている人は勝手にそう思っていればいいじゃないですか。学校が週休二日制になったら、塾に行く子が増えて、かえって、子供が大変になるから週休二日制にならないという話を聞いて、私は、がっかりしました。そんなの、政府や、日教組が考える事ではない。そうしたい人はそうすれば良いだけなんです。まるで、ピルを許すとエイズが蔓延するかも知れないから、ピルは許可しないと言っているのと同じです。まったく下らん。ばかばかしい。厚生省のインポ役人どもに、俺の下半身の心配なんかしてもらわなくてもけっこうだわい!!あ、話題が、完全にずれてしまいました。

 ま、話を元に戻すと、とにかく、風邪は休む事が一番の薬です。ということ。それから、薬の治療が出来る疾患と言うのは、限定されていて、それ以外の治療は対症療法に過ぎないということ。逆に薬に頼らなくても治る病気があること。そして、それを、きちんと医師がはっきりと区別するべきだということです。難しい事ですけれども、患者となったら、本当にその薬が必要なのかどうか、しっかりと質問して、知るべきだと思います。また、セコンドオピニオンも聞いてみるのもよいでしょう。今の、医療制度では、いらない薬を処方する医者から、自らの健康を守らなくてはならないのです。ましてや、あの先生はすぐに注射してくれるからとか、すぐに薬をくれるからなどという事を医者の評価にしないことです。

 と、口を酸っぱくしていっても、風邪薬も出してくれないといって、また恨まれるんだろうなぁ。ま、好きなようにアンケートに書いてくれぇ〜。薬出してほしけりゃ、院長のとこ行ってくれー。金になる事なら何でもしてくれるよ!