■◇■ ある理不尽の肖像 ■■■■

 --- すべてのカナコファンに捧ぐ ---

▽ Cast.

 ここで「ある理不尽の肖像」に登場する主な人物の紹介をしようと思う。

・僕
 この物語はほとんどの場合一人称で語られる。当然主役は管理人たる僕なのである。

・宮下加奈子(カナコ)
 「ある理不尽の肖像」のヒロイン。1971年生まれ。
 最大にして最強の理不尽の使い手。この娘の理不尽なくしてこの物語は語れないだろう。僕よりも3つ年上で、かつ職場歴も数年長い。職場の良き先輩であり、課内のアイドルでもある。だがひとたび機嫌を損ねれば危険極まりない娘と化す。年端もいかぬ若い男を次から次へとコキ使い、そしてその男の持ち金のすべてを狙う。
 容姿端麗ではあるがその我が侭ぶりと世間知らずぶりはかなりのモノ。それでいてお姉さん風を吹かすのがたいそう好きときているから側にいるものにとってこれほどの驚異はない。

・坂田紀裕(さかぼう)
 我が職場内で最も若い新人社員。入社3日目にしてポケットに両手を突っ込んだまま係長に「ねぇ」と話し掛けた不屈のコナマイキ魂を持つ男。「夢は大きく」を座右の銘にし、今日もあちこちでタメ口ききまくる。
 あまりのコナマイキさに先輩職員は呆れ果て、いつしかボディブローのお仕置きすらしてもらえなくなってしまった彼は、20世紀最後のコナマイキ男の名を欲しいままにする貴重な人材である。現在もカナコと職場を共にし日々彼女の理不尽攻撃を受けている。

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