大会レポート text by k.baba
4/29,30:公式練習日
「さあ選手権です。存分に練習して下さい」とでもいっているかのように、
これまでの悪天候とはうって変わって好天に恵まれました。
4way、8way共に各チームとも最後の調整に余念がありません。
米国合宿から帰ってきた8wayチームも勢揃いし、本番のムードが盛り上がってきました。
さて、今年の大会は去年とはちょっと違った風景が見られました。
まず、テントです。ジャッジの終わったジャンプを放映するための「グリーンテント」
選手が休憩するための「レッドテント」、そして選手の食事をいろいろと世話してくれる
「ブルーテント」の3つです。やはりこういうものが登場すると、会場の見栄えもよくなりますね。
もうひとつはジャッジルームです。これまではテントの一角を仕切ってそこにビデオ器材を
設置して、臨時のジャッジルームを作っていましたが(”ルーム"ではなくて、ただの”エリア”
でした)、今年はトレーラーハウスを持ってきて、
そこに機材一式を設置しジャッジルームとしました。
そして、今年は米国から、AirSpeed8を招待チームとして招いています。AirSpeed8は、
世界チャンピオンの4wayチーム Arizona AirSpeedと、全米選手権三位のArizona
Airspeed Purpleの メンバーで構成された8wayチームです。今年の全米選手権で前回チャンピオンのGoldenKnightsを
やぶって、米国の世界選手権代表となったチームです。
29日の午後日本に到着し、その晩、親睦を兼ねた歓迎会が開かれました。
その晩、恒例のDrawが行われました。Drawとは、チームがジャンプする順番を決めることと、
各ラウンドで、どんな順序でマニューバーを行うか、を決定する場です。ジャンプ順も、マニューバーも
番号(または記号)の書いた札を箱の中から取り出すことによって行うので、Draw(ドロー)という呼び名が
付いたのかもしれません。
Draw終了後、早速各チームとも練習を開始しました。なにせDraw終了が19:30、明日の本番の1stロードが
朝7:30スタートなので、早起きしてもちょっと間に合いませんから。
大会マニューバーはこちら
5/1:大会初日
いよいよ大会初日です。
この日は4wayのオープンクラスのラウンド1〜3までと、インターミディエットクラスの
1チームのラウンド1〜3が予定されています。
オープンクラス(4way、8way共)は、くじ引きでジャンプする順番が
決定されますが、インターミディエットは期間中にメンバーが揃った日に3ラウンドジャンプしてもらえばよい、と
いう段取りになっています。こういった方法ならば、期間中の都合のいい日をメンバーで調整して参加できるので、
これもインターミディエットクラスの参加チームが増えた要因の一つといえるでしょう。
4wayはカメラマンを含めて5人なので、1ロードに二チームずつ搭乗していきます。この日も天候に恵まれて
順調にスケジュールは消化されていきました。最初のラウンドから実力を発揮したチーム、ちょっとまだ
目が覚めてないかな、といったチームと様々でした。
結果からみるとやはり各チームの実力がそのままポイントに
現われる結果となりました。
この日の各チームのダートダイブの際に、AirSpeedのメンバーにコーチを受ける様子がたくさん見られました。
こういった形での交流は積極的にやらないとだめですよ、皆さん。アメリカ行ってもコーチを受ける機会すら
持つことが難しい状況ですからね。ダートでのアドバイスの仕方もさすが!、です。とてもわかりやすい英語で
ゆっくりと説明してくれていました。(もうちょっと我々が英語を勉強せなアカンデェと叱られそうです)
さてその、世界チャンピオンチームの結果ですが、やはりダントツの成績を残しています。獲得ポイント数でいうと
日本のトップチームの1.5倍位です。ジャッジの終わったラウンドについては、ビデオ公開されるのですが、
それを見た選手の間からは、「おおー」というどよめきの声しか挙がってきませんでした。
また、彼らの素晴らしいところは、パラシュートオープン後、4人でフォーメーションを作りながらランディングするところでも
あります。全員が横一列に並んでランディングする様はまさに、チャンピオンにふさわしい景色です。
大勢のギャラリーからもたくさんの拍手が巻き起こっていました。
初日予定していたラウンドが順調に消化され、また多少時間が余ったこともあり、大会中で異例のことなのですが、
招待選手達とのファンロードが急遽組まれることになりました。オルガナイザーは、AirSpeedのメンバー数名と、
あの映画007シリーズでスタントを勤めたBJワースさん!
アメリカへいっても一緒にジャンプできる機会などはまず
ありませんから、募集と同時に即完売!といった状況でした。この日一緒にジャンプしてもらえた方達には、
貴重な想い出となったことでしょう。
P.S. 普段の週末は、日曜日の早い時でも朝9:00スタートなのですが、大会中は7:30!
しかし、この早さにもめげずに「ブルーテント」では”朝定食”が用意されていました。
サンドイッチあり、ご飯あり、トン汁ありで、朝買い物にもいかない不精なジャンパーに
とっては、本当に助かりました。 それから、昼時のスープも嬉しかったですね。
「トマトスープとコーンスープ、どちらがよろしいですか?」なんて聞かれた時にはもう
涙が出るくらい(?)嬉しかったですね。
5/2:大会二日目
二日目は8wayが3ラウンド行われました。
その合間にインターミディエット二チームが3round分消化しました。
8wayも見所がたくさんです。
合宿から帰ってきたJ-Bladeチームがどこまでポイントを伸ばすか?
昨年二位のHypertensionがどこまで健闘できるか?
そして、昨年は残念ながらポイント数ゼロに終わった
Cattubeチームが、メンバーを大増強して二チームで参加、昨年の雪辱なるか?
招待チームのAirSpeed 8はどこまでポイント数を伸ばすか、等々です。
二日間を終了して、やはり競技という特殊性が出た面も多々ありました。ちょっとしたグリップのタイミングで
バーストを取られて減点されたチーム、ビデオ映像からフレームアウトして、noJudge(見えていないのできちんと
形を保っているかどうかわからない、よって採点されない)となったチーム等、です。
こういったルール上の問題は、普段から気に掛けていないと見落とされがちですが、やはり、減点されると
悔しいですからね。次回に向けてじっかりと勉強しておきましょう。
インターミディエットクラスは今日で3チームが全ラウンドを終了しました。現在の所、半身獣チームがトータル6ポイント
でトップ、続いてチャヴェスわかえチームとファーストフォールチームが4ポイントです。
明日の二チームの結果で順位が決まりますが、なかなかの接戦ですね。
パイロットさんの独り言.... 「アメリカチームはやっぱり体格ががっしりしているから、同じ人数でもだいぶ重かったです。だいたい12500ftまで
上昇するのに、二分違うんですよ。それからクライムアウトすると、片側に重量が掛かるんですけど、
その状態だと飛行機をまっすぐに飛ばすのが困難な位なんです。日本人が8wayでクライムアウトしても
どうってことないんですけどね」
5/3:大会三日目
4日からの天気予報をにらんで、4wayと8wayを交互に行うという、少々変則的な措置が取られました。
結局この日は4wayがround4,5、8wayはround4が行われ、インターミディエットも二チームが3round
無事消化しました。 インターミディエットクラスはこれで全チームが終了しました。
結果はチームIKA隅と半身獣チームが 6ポイントで同点優勝、チャヴェスわかえチームとファーストフォールチームが4ポイントで同点3位という
結果になりました。後日、同点チーム同士で”裏”決勝戦をやる!と張り切っていました。
大会そのものは、4way、8way共に最低ラウンド数消化しているため、競技そのものは成立となりました。
が、やはり最後のラウンドまで戦いたい、というのは皆が思っていることです。天気予報なんてぶっ飛ばせー!
(でも、泣く子とお天気には勝てないんですね、ジャンパーって....)
この日も順調にラウンドが消化され、初日同様、AirSpeedメンバーを交えてのFunロードが組まれました。
5/4:大会四日目
朝から今にも降り出しそうな空模様の中、いつもどおり7:30テイクオフで準備が進められていきました。
この日の予定は、8way−4way−8wayの予定です。8wayの801
キャットチューブ白組が勇んで飛行機に のったもののしばらくして上空からポツリポツリと落ちてくるものが..。結局ジャンプせずに降りてきて
そのまま撤収と相成りました。
残念ながら天気予報どおりでした。 AirSpeedチームはトレーニングの日程上、明日の飛行機での帰国が決まっていましたので、今晩が
日本での最後の夜です。
この日の夜、そうまで盛大に感謝パーティが催されました。
選手達も記念撮影、サインにあっちこっち走り廻っていましたね。
ちょっと面白かったのが、AirSpeedのメンバーが日本人にサインをもらっていた光景です。彼らにとって
日本語(漢字)というのは珍しい字ですから、自分のTシャツに日本語でのサインをもらっているメンバーも
ちらほらと見受けられました。
レポーターの独り言.. 「来日した晩にも同じ場所で歓迎会を開いたんだけど、その時と同じメニューをオーダーしたメンバーが
ほとんどだったな。もうちょっと”冒険”して他のものも食べてみてもらいたかったなぁ。
で、一番人気だったのが、ソースカツ丼とかつカレー。でも彼ら、上に乗っているかつは全部平らげていたけど
ご飯はあんまり手をつけてなかったぞ。かつとご飯とを咀嚼するあたりが丼ものの神髄なのに。
今度来た時には、ちゃんと正しい食べ方を伝授してあげねばな.....。」
5/5:大会五日目
朝目が覚めると、窓から射し込む光が随分とまぶしいではありませんか!!
そうです。晴れ間が覗いているのです! よし、これで、最終ラウンドまで出来る!
喜び勇んでDZに向かった選手達を待っていたのは、水没したDZと
そこにプカプカ浮いている、黄色がまぶしいグレープフルーツ達でした.....。
前日の雨は思った以上に多かったらしく、テント群のまわりは完全に水没、DZも水浸し状態でとてもジャンプできる
状態ではなかったのです。 おまけに風もつよく吹き始めて、早々に中止決定が出されてしまいました。
DZがそんな状況だったので、閉会式はクラブハウス内で行われました。
4wayオープンクラスの優勝は、前評判どおりダントツでZero
Blade(total 75pt、ave 15.0)、二位がMega
Blade(total 49pt、Ave 9.8)、 三位がShootingStar(total
40pt、 Ave8.0)でした。 8wayは、優勝がJ-Blade(total
38pt 、ave 9.5)、二位がHypertension(total
14pt、 ave3.5)、三位がCattube白組(total
1pt ave 0.33)でした。
詳しい結果はスコア表を参照して下さい。
大会最終日としてはちょっと寂しい光景になってしまいました。いつもなら、最終ラウンドに向かうチームを全員で見送ったり、
また、スコアボード前で記念撮影を行ったりするのですが、こういった”お決まり”が欠けてしまったので、ちょっと寂しい感じが
したのも事実でした。
そんなもの、全部吹っ飛ばせーというが如く、Cattube主催の閉会パーティが青空の下、「高橋商店前特設
オープンカフェ”にて開催されました。
ビールかけありの無礼講状態、皆頭からぐっしょりになって、この大会の余韻を楽しんで
いました。高橋商店さんそれから御近所の皆様方、ご迷惑をおかけ致しました....。来年はダメ、なんて言わないで、
どうか寛大な心で見守って下さいな(笑)。
4/29の公式練習から突入した今年の選手権も無事終了しました。期間も長く朝も早かったため、コンディション作りに苦労した面も あったかと思いますが、一人の怪我もなく終えることが出来たことは喜ばしいことだと思います。来年また素晴らしい大会に出来るよう 選手・スタッフ共々頑張っていこうではありませんか。 たくさんの選手、スタッフ、 その他関係者のみなさんに感謝いたします。
4way open
R1:Donuts -> Rits/Icepick -> Unipod
-> Spinner (J - 19 - A -F)
R2: StairstepDiamond -> Photon/Photon
-> Monopod/Monopod (B -11 - 4)
R3: Bandy -> Cataccord -> Sidebody
-> Sidebuddies/sidbuddies (M - G - P -
7)
R4: Hook -> Caterpillar/Catterpillar ->
Meaker -> SideflakeOpal/turf (K - 15 -
E - 3)
R5: Blackhole/Bipole -> Murphyflake ->
Sidebodydonuts/SideflakeDonuts (5 - C - 2)
R6: Crank -> hammer/Hammer -> Diamond/Bunyip
(N - 13 - 10)
8way
R1: Compass -> taj/Mahal -> CompressedDiamond/CompressedDiamond
(Q - 9 - 19)
R2: Frisbee/Frisbee -> Buzzard -> DonutFlake/Donutflake
(8 - P - 1)
R3: SpringBok -> Donutcross -> Donut/DonutStairstep
(J - O - 10 - B)
R4: CompressedAccordian/CompressedAccordian
-> OpenfacingDiamond -> Zipperflake
-> DuobleSpider (2 - L - N - M)
R5: Crank -> LongDiamond/Optic -> Diamondflake
-> Hopediamond (K - 5 - F - D)
R6: CompressedDonut/DoubleBipoles/BipoleDonuts
-> Star/Star (24 -6)