WAH深化
最近のROBBEN FORDのクリーントーンでのWAHのサウンドを聞いていると、踏み込んだ時ではなく、戻したときの音が非常に太く、「グルル・・・」という、なんとも魅力的なサウンドを出している事に気が付いた。
今回は、今までWAHのモデファイをずっと行ってきて、今後もその内容は変えるつもりは無いのであるが、ビンテージワウのサウンドに拘らず、更なる低音の音抜け、図太いサウンドを出すためのWAHについて検討を行う。まずはシミュレーションを行い、特性の変化するポイントを確認する。(しかし、何回見てもユニークな回路である。誰が考えたのだろう?)
通常のV847の回路のシミュレーション
となって、WAHサウンドは400Hz〜2kHzでの変化であることが分かる。
あれこれと、定数を弄って、最終的には下記の特性が制御可能であることが分かった。
これで、低域の出方のコントロールの目処が付いたので、実際に、シャーシに組み込んで、実験を行ってみる。
ちなみに今回のシミュレーションで、悪ふざけをして、真空管(12AX7)でWAHを作ったらどうなるかを検討してみた。
真空管WAH
このように、真空管でも同じような特性が取れることを確認した。(・・・しかし、電源、部品などがやたらと大型化するので、実用的にはどうだろう??)
インダクター
今回試験するインダクターは上記の4種類である。
Lメーターは持ち合わせていないので、せめてDCRを測定しておく。
Art Effect
Halo Inductor 29.3Ω
Eleca Halo Inductor 33.9Ω
Fasel RED 16.1Ω
Fasel Yellow 17.2Ω
という結果になった。
作成した基板は上記のような物で、左側はインダクター基板。上記のインダクターを4個実装した。これらはジャンパーで切り替え可能となっている。
右はWah本体の基板。シミュレーションで影響のありそうな箇所は、半固定抵抗に置き換えてあり、適正な定数を求められるようにした。また、コンデンサは半田を使用せずに差し替え可能とした。
右はコンデンサの定数を変化させる部分であるが、コンデンサのメーカー違いの音を確認する為、ソケット式にして、コンデンサのアレイを交換可能にした基板。
部品のレイアウト検討中。
右は配線完了したところ。
009pの乾電池を2個搭載する仕様。これは、外部電源で動作させると、通常の9Vで動作するが、外部電源を切ると、自動的に内蔵電池に切り替わるのだが、その状態では18Vで動作することになる。電源電圧を高くすると、音がどのように変化するのかを検証するための仕組み。
調子に乗って、パネルも作ってしまいました。
筐体を白くリフィニッシュしたので、ノブも白系のチキンヘッドノブにして、LEDも白にしました。(右側はLEDが点灯している写真)
コントロールは向かって、「GAIN」「TONE」「SHIFT」としました。
ここまで順調で、音出しを行いましたが、通常私がモデファイを行っているWAHのサウンドと殆ど変わらないサウンドが得られました。
ただ、筐体が大きく、コントロールが上についているので、非常に使いやすいです。今回は完成が目的ではありません。ここから更なる深化の為の検証のスタートになります。