WAH深化

 

2008.03.09 構想スタート、いきなり完成。

 

2008.03.09 構想スタート、いきなり完成。

 

最近のROBBEN FORDのクリーントーンでのWAHのサウンドを聞いていると、踏み込んだ時ではなく、戻したときの音が非常に太く、「グルル・・・」という、なんとも魅力的なサウンドを出している事に気が付いた。

今回は、今までWAHのモデファイをずっと行ってきて、今後もその内容は変えるつもりは無いのであるが、ビンテージワウのサウンドに拘らず、更なる低音の音抜け、図太いサウンドを出すためのWAHについて検討を行う。まずはシミュレーションを行い、特性の変化するポイントを確認する。(しかし、何回見てもユニークな回路である。誰が考えたのだろう?)

 

通常のV847の回路のシミュレーション

となって、WAHサウンドは400Hz〜2kHzでの変化であることが分かる。

 

あれこれと、定数を弄って、最終的には下記の特性が制御可能であることが分かった。

  

 

これで、低域の出方のコントロールの目処が付いたので、実際に、シャーシに組み込んで、実験を行ってみる。

 

ちなみに今回のシミュレーションで、悪ふざけをして、真空管(12AX7)でWAHを作ったらどうなるかを検討してみた。

 

真空管WAH

 

このように、真空管でも同じような特性が取れることを確認した。(・・・しかし、電源、部品などがやたらと大型化するので、実用的にはどうだろう??)

 

 

インダクター

今回試験するインダクターは上記の4種類である。

Lメーターは持ち合わせていないので、せめてDCRを測定しておく。

Art Effect Halo Inductor       29.3Ω

Eleca Halo Inductor              33.9Ω

Fasel RED                           16.1Ω

Fasel Yellow                        17.2Ω

という結果になった。

 

 

作成した基板は上記のような物で、左側はインダクター基板。上記のインダクターを4個実装した。これらはジャンパーで切り替え可能となっている。

右はWah本体の基板。シミュレーションで影響のありそうな箇所は、半固定抵抗に置き換えてあり、適正な定数を求められるようにした。また、コンデンサは半田を使用せずに差し替え可能とした。

 

右はコンデンサの定数を変化させる部分であるが、コンデンサのメーカー違いの音を確認する為、ソケット式にして、コンデンサのアレイを交換可能にした基板。

 

 

部品のレイアウト検討中。

右は配線完了したところ。

009pの乾電池を2個搭載する仕様。これは、外部電源で動作させると、通常の9Vで動作するが、外部電源を切ると、自動的に内蔵電池に切り替わるのだが、その状態では18Vで動作することになる。電源電圧を高くすると、音がどのように変化するのかを検証するための仕組み。

 

 

調子に乗って、パネルも作ってしまいました。

筐体を白くリフィニッシュしたので、ノブも白系のチキンヘッドノブにして、LEDも白にしました。(右側はLEDが点灯している写真)

コントロールは向かって、「GAIN」「TONE」「SHIFT」としました。

ここまで順調で、音出しを行いましたが、通常私がモデファイを行っているWAHのサウンドと殆ど変わらないサウンドが得られました。

ただ、筐体が大きく、コントロールが上についているので、非常に使いやすいです。今回は完成が目的ではありません。ここから更なる深化の為の検証のスタートになります。