1,AKG
AMP第4段(コンボ形6L6P-Pアンプ) ★SOUL BREAKER
(04.05.09)スタジオテスト2回目
(04.05.23)PHASE INVERTER回路変更とトランスの交換
(04・06.06)最終音だし
コンセプト
前回AKG#3を紹介しているうちに進捗がなくなってしまいました。(泣)
これは、修正不可能な不具合になってしまったためです。
AKG#3では電源トランスをオーダーして、ヘッドルームを十分とろうとして、欲張りすぎ、
電源電圧を上げすぎてしまい、耐圧500Vのコンデンサではどうすることもできなくなりました。
今回は、反省を踏まえて、いよいよ実践アンプの作成に入ります。
スペックは、1chの6L6で60W程度出るはずです。
キャビにはアッシュの木目地で、ブギーとか、ダンブルのイメージです。
スピーカーにはMARSHALLのVINTAGE30をチョイスしました。これは60Wに耐えうるスピーカーです。
まずは、回路の中心部の作成に入ります。
今回は、日本ではなかなか売っていることがない基板を自作するところからはじめます。
どうしても、この基板(ベーク板)でなければ雰囲気が出ないのですwww
先ずは回路図から、部品の配置図をおこして、ベーク板に穴を開ける作業から開始します。
こんな感じで穴を開けた後、ピンを埋め込んでゆきます。
私は、かなりカッコいいと思うのですがwww、この段階では、カッコいいとは思えないですか(笑)
次に、図面に沿って、部品を配置して行きます。今回コンデンサには、ROBBENモデルに付け替えてかなり良い
結果が出せたASCのコンデンサを極力使用します。
こんな感じですね。
果たして、どんな音を奏でてくれるでしょうか??
今回はここまで、、
さて、前回で美しい(自分ではそう思うwww)回路が出来上がりました。厳選したコンデンサも取り付けたし、満足度
はかなり高いです。
お次は、部品のレイアウトをパソコンで検討し、実際に穴あけを行って、部品のレイアウトをしてゆきます。
こんな感じですね。
実際には、作業の時間より、パソコンでの検討時間が長いです。この配置をミスすると、元には戻せなくなります
からね。あせる気持ちを抑えて、じっくり検討します。
電源部から、配線してゆきます。頭の中には常に、電流の通り道を考えてVINTAGEのWEを配線してゆきます。
今回のパネルはブラックパネルですwww
結構カッコいいでしょwww
名前はなんと、「SOUL BREAKER」です。こうなってくると、やる気が俄然でてきますwww
レイアウト的にはDUMBLEを意識していますwwwインプットジャックの横のスイッチがDUMBLEっぽいでしょ?
配線が完了しましたwww
火入れ式は夜中に行いましたが、何度やってもこれは緊張する瞬間です。やはり、感電や、部品の破壊が怖いです。
今回は何事もなく、整流管がボンワリ点灯して、ヒューズは飛びませんでした。
すばやく、主要箇所の電圧を測定してゆきます。とりあえず、致命的な異常はないようです。真空管が温まってきた
ようですので、ちょっとボリュームを上げてみると、「ジャー」といっています。「おおお!」ギターを繋いで見ると、「ジャーン」
「ちゃんとアンプになっているwww」
ちょっと、フルテンに、、、「おお音圧も結構ありそう」
しかし、いろいろチェックしてゆくと、不具合箇所が見つかります。
結局、一週間かけて、何とか調整しました。
配線が完了したSOUL BREAKER(AKG#4)です。
果たしてどんな音を奏でてくれるのか!
それでもって、オーダーしていたキャビネットが送られてきました!!!本邦初公開です。
どうですか!AKGオリジナルデザインです。
アッシュのキャビなので、弾くほどに楽器と同じように枯れてゆくと思います。また、立ち上がりも良さそうですね。
調整中のSOUL BREAKERです。1週間びっちり費やしてしまいました、、、
やっと、音がそこそこ出るようになってきたので、本日、VANZANDT FREAKさんを連れ出し、スタジオで録音と
問題点の抽出を行ってきました。
今回のテスト機材はMAXレスポールとVANZANDTストラトキャスター54レプリカ(VANZANDT
FREAKさん所有機)
最近の大のお気に入りのREBBEN MODELです。
本日の機材達です。アンプは調整がすぐにしやすいようにキャビネットにはまだ組んでいません。
録音はいつもの私のZAURUSで行いました。(右)
試演はVANZANDT FREAKさんにお願いして、私はもっぱら録音とアンプの調整に追われました。www
待合室で待っていると、ちょっと白い目で見られているような、、、、人の目が痛々しいです(爆)
VANZANDT FREAKさんと「また、やりすぎていますかねえ?」「ちょっと、やりすぎじゃない?」という会話で待ち
時間が終わりスタジオにセッテイング開始ですwww(ドキドキ、、)
スタジオの4発キャビでも試してみました。(右)
音のサンプルはこちらです。ちょっとファイルが重いかもしれませんが、、
サンプルは、アンプ側はフルテンです。最初はギターのボリュームを絞ってクリーンで、次にギターのボリュームを
最大に上げて歪みです。最後に若干ギターのボリュームを絞ってクランチと言う具合です。
ストラトではOKなのですが、レスポールとREBBENはMIXポジションではつらいので、リアのサウンドです。
サウンドサンプル
1、 ストラトサウンド with
SOUL BREAKER VOL1
2、 レスポールサウンド with SOUL BREAKER VOL1
3、 ROBBEN MODELサウンド with SOUL BREAKER
VOL1
★試演が終わって、、、、
悪かったところ
・録音された音源ではわかりにくいですが、全体的に必要外の低域が出ていて、その低域で高域がスポイル
されているようです。これはプリ部の改善が必要です。
・電源のノイズが気になる、、これは手ごわいかも、、、ひょっとしてレイアウトの問題かもしれません。
・ギター側の音量を絞ったときの音質はVANZANDT FREAKさんも絶賛していました。私も良いと思いますが、
ハムバッカーを入れるのでしたら、もっと音圧感と、パワーが必要だと感じました。
・おそらく、初段のプリアンプが失敗している。どうも、パワー段に思うような入力レベルが伝わっていない感じがする。
パワー段がもっと泣いてくれても良いと思う。
良かったところ
・2時間に渡る試験でしたが、何とか無事持ちこたえてくれました。(感激です)これは、回路が安定しているという
証です。
・意外とギター側のボリュームで歪みがコントロールでき、扱いやすいアンプに仕上がりました。また、私の好みの
中域の甘いところが良く出ていると思います。これは、キャビネットと、コンデンサが大きく関与していると思います。
ダンブルのクリーンサウンドを求めて、各段のゲインを決定しました。
結果、当初プリ管、ドライバー管とも12AX7を使用していましたが、変更してプリ管を12AT7、ドライバー管を
12AY7という管に変更しました。プレート抵抗も低いので音が素直に出てくる感じです。
また、シミュレーターで色々回路をいじって遊んでいるときに発見した、ミドルの周波数を可変するポッドを
リアパネルに追加しました。これはなかなか効果的です。
2週間、調整と改造を部屋で行って、良いサウンドになってきましたので、今週もスタジオ入りです。
、、、結果ですが、、
パワーがかなり上がってきています。しかし、なんだ!非常に細かいトレモロがかかっている。
いろいろ分析してみたのですが、どうも、電源ハムに同期しているようです。
ハムは今までもあったのですが、いろいろ対策はしてきたのですが、こうもパワーがあがってくると、無視できない
状況です。原因はおそらく電源トランスとチョークの配置があまりに近すぎたことだと思います。
、、、しかし馬鹿なことをしたものです。このチョーク、これ以上動かないのです(5AR4がすぐ控えています)
これを直すにはシャーシの作り直しです。
なんというオチだ、、、(大泣)
#4というナンバーも悪かったか。
AKG#5としてシャーシを作成しなおし、配置を換えます。
アンプって、音が出るのはたやすいですが、これを良い音で鳴らすのは別次元の世界です。
ましてや60wなら、部屋でデバッグすることができません。
つくづく、アンプを鳴らすのは簡単、、でも鳴かせるのは、、
難しい、、、AKG語録。