AKG AMP Pre部(PreAMP)

03.06.23

さて、難関(?)の電源部もうまく組みあがりましたので、次はプリアンプの作成に入ります。

まずは、ギターアンプの中でプリアンプの持つ役割とは、、、

 

1,小信号(200mVp−p程度)のギターのピックアップの出力を大電圧の入力が必要なパワー段

へ信号を送るために電圧増幅する(このためプリ管は電圧増幅管と呼ばれています)

2,イコライザーで音に色付けをする。

3,リバーブがある場合、リバーブへ信号を送る。

4,ギターアンプ特有の歪みを得る。

 

と、こんなところでしょうか。ブギーのレクチとか、最近のよく歪むアンプは大抵このプリ段で真空管

を複数本用いて音を歪ませています。またイコライザーの回路上の位置によって、音のニュアンスは

だいぶ違ってくるようです。

 私が好きなのは、基本的にプリ段で12AX7を1本(1本の中に2ユニット入っています)用いて

イコライザーもできるだけPOD(可変抵抗)の使用を減らした回路が素直なアンプで好きです。

曲によってはもっと歪みを!と思うこともあるのですが、2chとかにするとアンプが大きくなって

しまいますので、その辺のトレードオフをどう考えるかです、、

 

と、うんちくを語らせてもらったところでAKG2(実験用アンプ)のプリ段の作成です。

今回は素直な回路の持ち主のデラリバの回路構成で行きます。

まずは大きな使用部品とレイアウトを決めて、部品が入るようにシャーシに穴あけを施します。

(最近かなりなれてきてスムーズになってきましたWww)

回路図をよく確認しながら真空管周りの回路とイコライザー部の回路をラグ板上に組み立てて行きます。

これが綺麗に配置できると、アンプの内部はかなりすっきりして見えますよね。

次に、またまた回路図をよくみて配線をして行き、結束バンドで線材をまとめて行きます。

意外とシンプルに見えるでしょ?

また、使用する部品、線材は一般に売っている物です。あくまでも実験用なので、どういう回路が良い音を

出すかがわかればよいのです。これにビンテージの線材とか、オイルコンデンサ等贅沢な部品を使用すれば

音は絶対に良くなって行くことは経験上わかっているからです。

 良い回路がわかった時点でオールインワンに組み込み、良いパーツを使用して行けば絶対にそれ以上

の音になるはずです。

蓋をしめて完成です。つまみはボリュームとTREBLE、BASSです。

右の写真は前回作成した電源部と並べたところです。でかいアンプになりそうだな、、、

後は、フェーズインバーター部、パワー部と作っておしまいですね。

その後、各ユニットに自分なりの工夫を凝らした回路を入れて、音の違いを楽しんでしまいますWww

03.08.21

PRE部に含まれるトーンコントロール回路ですが、これをバイパスするような回路を追加したいと思います。

また、前回安いビニール線で作成したのですが、これもビンテージのWEの線材に変更します。

写真では見えにくいですが、上から見たところの左側(真空管ソケット側)の真ん中にスイッチを増設しました。

これを切り替えると、TREBLEとBASSが効きますが、反対側に切り替えると今回追加した(裏側の写真で

オレンジに見えるコンデンサ)オレンジドロップのみが有効になります。

 早速試演をしてみました。

バイパスするとさすがにプリ部の音量はドカーンと上がって、パワー部に送り出させる信号は10dB位大きくなり、

パワー部が悲鳴を上げます。ただ、パワー部の安定度がいまいちなのか、いい感じの歪みではありませんので、

今回はパワー部も調整しました。

そうすると高域まではのびませんが、暖かい感じの音で粒が粗い歪みが得られました。

一時期のクラプトンのような歪みと言えば分かるでしょうか?

これはなかなか魅力的な音だと思いますが、コンデンサの値はもうちょっと検討の余地があると思います。