第10話(02.09.20)

BLUS DELUXE修理

 

02.09.20

ヤフオクで音がでないのでジャンク扱いということでツイードのBLUES DELUXEを格安で入手しました。

このアンプは1993から1997年に作られたもので、12インチSP1発の40Wです。

パワー管に6L6を使用しているので、デラリバなどの6V6よりはパワフルです。

コントロールは

 

Power Sw, Standby Sw, Pilot Lamp, Power Amp In, Preamp Out, Foot Switch, Presense,

Reverb, Master Vol, Mid, Bass, Treb, Drive LED, Drive, Drive Sw, Vol, Bright Sw, In 2, In 1

となっていて、結構パネルには色々ついています。

単体で結構歪ませることもできます。前にBLUES Jrを持っていたのですが、それの兄貴分のような

アンプです。

最近のFENDERはなぜツイードにラッカー塗装してくれないのでしょうね?これもむき出しのツイード

です。昔のツイードはラッカー塗装が施されており、古くなるとラッカーが焼けていい感じの色

になるのです。

到着して、まず音だしをしてみましたがやはり、音がでません、、、(当たり前か、、、)

プリ管、パワー管をみてみましたが、ヒーターに電源は行っているようで、赤く光っています。

パネルを外したところです。近年のアンプらしく、基板で構成されています。部品もよく見る物

ばかりですね。特に異常はなさそうです。

ほかのSPを繋ぐと音が鳴るので、SPの不良のようです。テスターでSPの両端を測定しても

OVER LOAD(オープン)になっているだけです。

ということは、どこかが切れている、、、ボイスコイル断線だったらあきらめて違うスピーカー

を付けようと思ってスピーカー端子の奥(コーン紙の辺り)をテスターで当たると8Ωを示すでは

ありませんか、、

となると、端子付近だな、、、よくよくみてみると、ありましたよ下の左の写真のように、端子のすぐ近く

で断線しています。これなら修理可能ですね。半田付けしてしまいます。

右は半田付けした後です。これで大丈夫。

後は、全てのポットを接点復活材で清掃します。また結構使われたと見えて内部はかなり汚いです。(蜘蛛の巣が張っている)

一度ばらして、きれいにします。

アキュトロニクスのリバーブも保護袋から出して、きれいにして、パネル類も清掃してできあがりです。

ただ、ツイードの汚れはしょうがないですね。シミがありますが、今回はそのままにしておきます。

 

音がでたのでインプレッションしておきますと、このアンプすごくいい!という感じです。

基本的にはFENDERサウンドですが、低域と中域の出方が半端ではない。6L6というパワーがあるパワー管を使用している

せいもありますが、音圧がすごいです。

一度、ビンテージのBASSMANを弾かせてもらって音圧がすごいと思いましたが、このアンプも結構すごいです。

音量をそれほど上げなくても、アンプの前で弾いているとガンガン音圧がきます。

しかし、器用なアンプではありません。ジャキーンという音はもう当たり前のようにでてきますが、それ以外に色々な音

を出そうと思っても結局FENDERサウンドなのです。でもこういうアンプいいですよ。

このアンプはエフェクターを繋ぐアンプではないですね、ダイレクトでプラグインして、そのままFENDERの音を楽しみましょう。

また、デラリバとの違いは、クリーンでも若干歪んでいるというところでしょう。まるでクリーンな音は作るのが難しそうです。

クランチ絶品!それ以外できないというルックスそのままのアンプだと思います。

 

しばらく弾いていると異常に気がつきました。

音量を大きめにして弾き続けると音が途切れるのです、、、、(泣)

こういうときは、冷静になって途切れている時の状態がどのような状態になっているのかを判断するようにします。

今回の場合を例に取ってみますと、2CHで弾いている時に途切れると、よく聞くと全く音がでていないわけではないようです。

1CHの音に切り替わって、しかもリバーブがかかっていない状態になっているようです。

とりあえずWEBから回路図をさがして印刷します。(意外とアンプの回路図はあるのもです)

1CH、2CHの切り替えはフットスイッチ、もしくはパネルのスイッチになっています。回路図から推測すると、スイッチ

の切り替えはコンパレータで行っているようです。コンパレーターというのは、所謂、電圧比較器とでも言うのでしょうか、

レファレンスの電圧を作って、入力された電圧と比べて高いか低いか判断して出力にHiかLoを出力する物です。

この出力をテスターでモニターしながらギターを繋ぎ再現したとき電圧が確かに切り替わっていました。

今度はリファレンス電圧をモニターすると、なんと弾いているとだんだん下がってきています、、、、

そこで回路図をよく見ると、このコンパレーターにバイパスコンデンサーもついていないことがわかりました。

また、リファレンス電圧にも同様にバイパスコンデンサがついていません、、(あまり良い設計とはいえないなあ)

昔のアンプはこんなデジタル回路が入っていなく機構スイッチで切り替えるので簡単に交換できますが、今回は電気的

な問題です。

とりあえずは、コンパレータ自体とリファレンス電源にバイパスコンデンサを追加してしばらく弾いてみましたが、調子いい

ようです。今度は大丈夫。

ひょっとして、こういった問題なら結構困っている人いませんか?今回追加した部品は下の写真のコンデンサ2つです。

同じ問題で困っている人が居たら試してみるといいかもしれません。

 

 

 

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