第14話(02.10.19)
オリジナルエフェクターに挑戦!
今回は、いよいよオリジナルエフェクターの作成に挑戦します。
エフェクターといってもたいそうな物ではないのですが、何のためにどんな物を作るのかを説明しておきます。
以前にSHO BUDのボリュームペダルを入手しました。
これが、かのSHO BUDです。意外と安く購入できてラッキーでした。こいつで、アンプの歪みをコントロールして、
色々な音色を出せるようになりたいと思ったのですが、アンプとギターの間にSHO BUDのみを入れてみて愕然!
音が丸くなりすぎるぅ。リアにしてもパキーンとこなくなる。
よくよく考えてみると当然で、ボリュームペダルをアンプとの間に入れると言うことは抵抗を入れるということになるので、
ケーブルの容量とボリュームペダルでローパスフィルターを形成してしまうのです。これを防ぐためには、アンプからみて
ボリュームペダルが抵抗として見えなければ良いわけで、そのためにはバッファを入れてあげれば抵抗としては見えなく
なるはずです。(バッファとはゲインが1、すなわち増幅しないアンプということです)
カールトンのSHO BUDも実はダンブルが自らモデファイして内蔵のバッファを入れているとのことです。
私も内蔵を考えましたが、汎用性を考えて(ワウでも使いたいし、、バッファを使いたくない時もあるかもしれないし)
そこで考えたのが、このような回路の単体エフェクターというわけです。もちろん後ほど、SHO
BUD自体も線材変更の
モデファイを行う予定です(笑)
(左)まずは入力用のバッファの構成で配置の検討をします。だいたいこんなもんかな?
(右)全く同じ構成で今度は出力用のバッファです。次に回路図でC10とC20ですが、これはコンデンサの容量によって
は音が太くなったり、細くなったりするポイントなので、この段階ではまだ取り付けていません。音を出しながら、値を決めて
行きます。
LEDとか、スイッチ等はまだ入れていませんが、この段階で立派にバッファとしては動作しているはずですので、いよいよ、
電源を入れてギターとアンプを繋ぎます。とりあえず音はでました(一安心)
ここから、アンプ直の音とこのバッファを通したときの音を自分の耳で確かめながら音の変化が少ない様なコンデンサを
試して行きます。特に6弦と1弦の音また、コードを弾いたときの音圧が変わらないように注意しました。
それで、選んだのが0.047μFです。決まったら半田付けしてケースに入れる準備です。ここからはケースの加工と
ジャック、LED、スイッチの取り付けにかかります。
今回購入してきたのはこのようなケースです。アルミ製でノイズにも強く加工しやすいし、見た目もかっこいいです。
色も塗ってしまおうかな?レタリングとかもしたいなあ、、
だいたいこんな感じで加工して基板、LED、スイッチを取り付けて行きます。この段階では部品は仮止めをしています。
下地用の塗料をスプレーして、しばらく乾かして色を付けてゆきます。今回はホームセンターで「金」を選んできました。
ケンタウルスっぽいイメージです。
色は5回くらいに分けて乾いては塗り、乾いては塗り、、という具合に辛抱しましょう。焦るとむらができてしまいます。
乾きを待っている間でレタリングをします。透明のシール材になっているインクジェットプリンター用のシートを購入して
きました。これはなかなか便利です。結構さまになるでしょう。
やっと乾いて、最後のラッカーを塗り、配線をすましてゆきます。、、、しかし予想以上にジャックが場所をとり、基板がネジ
止めされなくなってしまいました。トホホ、、、しょうがないので基板はテープで固定することにします。
組み込みが終了したのが右の写真です。どうですか?結構それっぽいでしょ?売り物みたい。
ついにSHO BUDと接続したところです。
うん、SHO BUDをバイパスしても音質の変化なし!成功!
でも、なんか変、、、ボリュームペダルを動かすときにノイズが入るのです。これはSHO BUDのガリ?と思いポッドの
クリーニングとジャックの交換を行い、ついでに線材もベルデンに交換!
ここまで一気にやってしまいました(笑)
しかしまだ直らない、、、回路がおかしいのかなあ?
色々実験した結果、今回のバッファはボリュームペダルの前後に1個ずつ入れていましたが、どうもボリュームペダル
の前に入れていたバッファが原因のようです。これをとるとおさまります。
というわけで、入力の回路をとることにしました。最終的な回路図はこちらです。
今回は、よく考えてみると変なエフェクターでした。元々エフェクターは音を変えるのが仕事ですが、今回のは音を
変えないためのエフェクターです。まあ、それはそれで自分で必要なエフェクターだったということです。(笑)