第5話(02.06.29)

 

テレキャスターカスタム62年とカルロスギター製AKGモデル

       

 

62年製のテレキャスターカスタム                                       カルロスギター製AKGモデル

 

 

まずはオリジナルのテレキャスターカスタムについての私の知っている範囲での説明です。

 

テレキャスターカスタムは59年〜72年位まで存在しているようです。

ここで紹介するカスタムはフロントにハムバッカー付いた物ではなく、フロントもシングル

のリップスティックのバインディング有りの物です。

 

SBのバインディング有りのテレキャスは、テレキャス好きに言わせると邪道だといわれる

でしょうが、、、まずこのルックスが非常に好きです。

ビンテージ物ではまず出てこないのでは無いでしょうか?HYPER GUITARさん

のHPでみたことがあります。(150万位だったと思います(高))

テレキャスターって、若いときは何であんなギターがいいのだろう?と思うかもしれません。

ピックアップもパワーがあるわけではないので歪むギターではないです。

70年代後半から最近のテレキャスターの音しか知らない人にとってテレキャスターの音の

イメージは、パキーンと高音がうるさいペチペチした音とでも言うのでしょうか、、そんな印象

だと思います。少なくとも私はそういうイメージを持っていました。

 

でも、テレキャスの本当の音は違っています。私も本物を持っていないので詳しくは言えませんが、

フロントは甘くマイルドで粘りがあり歪ませるとパワフルです。

ここで言うパワフルって良く歪むというわけではないです。音が太いに近いかな?)

リアは、私は実際弾いたこと無いのですが、意外やビンテージレスポールの音!だというのです。

センターは鼻にかかった何とも言えない色気がある音です。

だんだん、書いているうちに欲しくなってきた、、、(笑)

 

ボディは通常のテレキャスがアッシュであるのに対して、カスタムモデルはアルダーです。

この効果もあり、カスタムは通常のテレよりも暖かい音がするといわれています。

ネックは59年から63年までのストラトと同様にスラブネックでブラジリアンローズウッドです。

ポジションマークはブラジリアンならクレイドットマークになっているはずです。

これはおそらくストラトと同じく63年頃までの仕様と思われます。

色は3トーンサンバースト(個人的には57年までのストラトのような2トーンが好きですが、、)

ピックアップは通常モデルと同じだと思います。

 

フロントはリップスティック、リアはむき出しのシングルでホールピースがでこぼこの所謂スタガード、

 

サーキットは3点スイッチですが、物の本によると、フロントとリアは通常テレと同じなのですが、

センターはミックスにならないようです。フロントのプリセットトーンとのことです。

つまみはアルミ製のようです。

 

ピックガードは3プライのミントグリーンです(かっこいいですね)。ミントグリーンはおそらく新品の

時はグリーンではなく、白だったようです。経年変化で(おそらく真ん中にある黒い層の影響で)

グリーンのように変色するようです。

 

ネック幅は古い時期の物はローポジションが狭くてハイポジションに行くと幅広になるタイプ

のようです。ただし62年頃からはローポジションも太くなるようです。

これが私が62年を欲する理由の一つです。

 

何年くらいから、よく分からないのですが、60年前半と70年代ではテレキャスはボディの形が

変わっています。気が付いていました?近年はまたビンテージの形に戻っています。

カッタウエイでは無い側弾いているときではネックから上に来る側の形です。

何でも、ルーターが太い物しかなかったという理由らしいですが、それならそれ以前はどうしていたん

だろう?と思ってしまいます。

まあ、60年代前半くらいで、色々なギターの形は変わっていますよね。

レスポールのアーチトップの形状、335のカッタウエイ部の形状、、設備が丁度一斉に入れ替わった

時期だったのかな?

 

対して、私が、大阪のカルロスギターさんにオーダーした物はこのテレカスタムをベースに335の音

をねらった物となっております。

まずはボディですが、カスタムテレはアルダーであるのに対して、ライトウエイトアッシュというアッシュ

でお願いしました。

これは、木目の美しさと重量の関係でこちらを選びました。

また、ボディは通常のテリーよりもできるだけ厚くしたいと言うことで45mm程度の物となっています。

おかげで、ネックを止めるネジが通常の物では止まらなかったようです。

また、特徴的にはボディを軽くする理由と、335を意識してホローボディとしてもらいました。

 

次にネックですが、メイプルの上に本当はブラジリアンローズが良かったのですが、ブラジリアンローズは

なかなか手に入らないし、高価なので、見た目を考えて黒檀にしました。

ポジションマークは、今思えばクレードットにしたいところですが、グリーンアバロンという貝でお願いしました。

もちろん、スラブネックになっております。

フレットはジャンボタイプでナットはブラス製が入っています。(ここは特に指定しませんでしたが、カルロス

さんのセンスが生きていると思います。)

ネックの太さと厚さは、68年のES175を測定してそのサイズでお願いしました。

ピックガードはもちろん3プライのミントグリーンです。

 

ピックアップはリーンディフレーリンのブルースです。

このピックアップは良いです。本当に味のある音を出してくれます。

テレキャスのサイトを運営している方とメールしたことがあるのですが、その方はリーンディの音を

「行きそうで、行かない音」と表現していました。ナイスな表現だと思います。まさにそんな感じです。

 

サーキットは通常は3点スイッチですが、無理言って4点にしてもらいました。

一番フロント側で、フロント、リアのシリーズ接続になります。

2番目:通常のフロント

3番目:フロント、センターのミックス

リア側:リアピックアップ

となっています。

また、テレキャス改造では有名なコントロールパネルをひっくり返しています。

最近になってリアピックアップの良さがようやく私にも分かるようになってきて、よく使うように

なりましたが、どうしてもリアを使うときはトーンを絞りたいと思います。335ならフロントとリアが独立して

トーンコントロールを持っているので、一番良いところにして(通常フロントは古10、リアは6位にしています)

ピックアップの切り替えのみで便利ですが、テレキャスターは、リアにしたらフロントと共通なので、その都度

トーンを絞らなければなりません。

まあ、ストラトですと、リアのトーンコントロールが無いので、それよりはましですが、、

 

一年使用しましたが、最近鳴るようになってきています。

引き渡しの時にカルロスさんがおっしゃっていましたが、ラッカーは1年は乾燥期間であるということ

をいわれました。その影響があるのかもしれません。

つまり、塗装と木が一体になってきたのかなと思います。

335は太くて暖かみがある音ですが、このテレキャスターはそれにテレキャスターの癖である、特徴的

な「プチューン」とでも表現したらいいのかなあ?そんな音が加わります。これは歪ませても消えることの

ない特徴的な音です。

 

 

エッセイへ戻る                      トップページへ戻る