第53話(04.07.04)

峰岸様スタジオ訪問記

 ひょっとしたきっかけで、峰岸様というダンブルオーナーと知り合いになり、私がアンプを作成している

という事で、自宅スタジオに案内していただきました。

 当日は台風でしたが、午後から会社を休み、一路峰岸様スタジオへ向かいました。

 

途中まで車で迎えに来ていただきまして、「はじめまして、、」などと挨拶をして自己紹介をしていたところ、

車を運転しているのは、私のキャビを作成していただいている長澤様でした。(いやぁ、ほんと、感激です!)

 

興奮状態のまま、峰岸様のスタジオへ到着。長澤様と、鈴木様(女性)がお土産にケーキを買ってきてくれて

お茶を頂き、早速、地下のスタジオへ一同場所移動です。

 

噂には聞いていましたが、、、、何ですかこれはwww(絶句です)

 

それで、お目当てのダンブルは、、

 

でたああ!!

これです。これです。

事前に聞いていたのですが、通常のダンブルはパワー管に6L6を使用していますが、このダンブルはなんと6V6を4本

使用しています。この仕様は2台しかなく、カールトンと峰岸様のオーバードライブスペシャルのみのようです。

ちなみに、SPキャビは長澤様製です。

 

音出しの前に、長澤様が、「さっき上がったばかりなんだよ」といってTWO ROCKのカスタムを持ってきてくれました。

(こんな幸せって許されるのだろうかwww)

 

これが、そのカスタムです。見えにくいですが、爬虫類の皮みたいなトーレックスになっています。

(それにしても、平気でダンブルの上に重ねている、、、)

当然、全てのキャビは長澤様作です。SP BOXはダンブル指定のEVがセットされています。

 

それで、試弾ですが、、なんと、このスタジオには本物RHODESがあるんですねwww

バッキングは長澤先生です!!!

(先生すいません。顔を塗りつぶしてしまいました。)
この、伴奏に59年製ES335をダンブルにダイレクトイン!(くううう、幸せすぎる!!!)

峰岸様と長澤様の視線の対話でJAMセッションです。

何ですか、この音は(ほええ)

「AKGさん、弾いてみてくださいよ」といわれて、初のダンブル試演です。長澤様のバッキングとダンブル

に緊張して、オロオロ、、、

 

この辺で、長澤先生が「そろそろ、腹減ったよ」ということで、ご近所へ食事というか、飲みに行きました。

ギターについて、AKGは馬鹿だということwww、アンプについて、、楽しい対談でした。

かなり、皆さん良い気持ちになったところで、もう一度スタジオに戻り、今度はリラックスして再度、試演開始。

 

今度は、音の感じを盗むぞ!

59年335の感じは私のものと非常に似た反応でしたので、評価には困りませんでした。

いつもはピーターソンで試しているわけですが、その違いを見つける作業です。

 

以下、AKGのダンブル第一分析結果です。

 

1、どこまでも素直な出音、どこから歪んだんでしょう?サスティーンがどこまでもいってしまう。

  というか、歪んだときの音とクリーンの音がそれほど差がない。歪んでいても、きめ細かい

  歪みと、音圧感で、クリーンに聞こえてしまうのが原因でしょう。

 

2、ヘッドルームがどこまであるのか?通常のアンプは歪むと音量は変わらなくなって、音色が変わります。

  この境目を我々はクランチサウンドと呼んで境目を使うために努力するわけです。

   しかし、オーバードライブスペシャルにはそれがない!

  いわゆる、遠近両用メガネのような感じでしょうかwww

  冗談言っていますが、アンプを作成する側の目で見ると、これは脅威ですよ。

 

3、1と2の結果から、私なりに考えた結果は、もしかして、ダンブルの音は最初から歪んでいるのかも??

  それも、気持ちよい偶数次の歪が出まくっていて、1で述べたようなクリーンに近い歪のせいでクリーン

  に聞こえているのかもしれません。

 

4、大音量でパワー管をドライブしないと良い歪は得られないと思っていましたが、このアンプはそんなの

  どうでもいいじゃないか!と言っているようです。小さい音でも実にセクシーに鳴ってくれる。

 

うーーん、私の耳で感じたことはこんなところです。今度はぜひとも、測定させてください。

 

私の現在手がけているSoul Breakerにも、この要素を入れたいと思います。というか、ハムバッカー系の

アンプとしては、最高なこのアンプを越えることができますように(祈)

 

 

 

実は、ボリュームなどの目盛りは印刷ではなくて、ドリルの刃先で彫ったものです。(なんとお洒落!)

そして、コントロールパネルの下にはアルミが敷いてあります。

長澤先生曰く、「手垢をつけないようにするため」だそうです。なるほど、、、

 

 

 

それにしても、やはり長澤先生作のキャビは凄いですよ。このEVの音圧をびる事なく受け止めて、素直に

SPからアウトプットしています。

 なんだかんだ言って、アンプは純然たる楽器です。アコースティックの特性も重要なファクターです

からね。長澤先生これからもAKGキャビお願いします。

 

峰岸様、こんな貴重な経験させていただき、感謝感激です。

 

そして、帰り際、峰岸さんが「これ、お土産にあげる」といってくれたものは、、、

これです。

ダンブルが1番管(入力段)に御指定のプリ管で「RAYTHEON」という管です。

アコースティックな感じで、素直な管ということです。

Soul Breakerが完成したら、使用させていただきます。

 

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