第68話(06.01.09)
昔はカセットの8Trとかオープンリールにバイト代をつぎ込んでいたものですが(笑)、今は良い時代になりました。
3万円程度で小型の8TrMTRが購入できます。
今回はこのクラスのMTRを使ってみます。
通常はパソコンを使用していますが、何でMTRかというと、スタジオなどに環境を持ってゆくことができないからです。
私はの欲しいMTRとしては
高音質で録音可能→44.1kHz、16bitサンプリング以上(※1)
USBでパソコンと簡単にWAVデータの交換ができる。
小型でギターのソフトケースのポケットに入る。
良質の内蔵マイクがついている。
作りが頑丈であること
メディアはできればコンパクトフラッシュ(手元に有るから)
4トラック程度でも良い
出来ればキャノン端子がついていて良質のマイクが使用可能(でも、小型と相反するから、なくてもOK)
電池で動作可能である
面倒なエフェクターはなくてもよい(邪魔なのでない方がよい)
上のようなパソコンと連携して使うような使い方のためMTRのみですべてを行う事はしませんので、割り切ったシンプルなMTRが欲しいのです。
小型のものは各社で出していますが、安い物が多くサンプリングレートも32kHz程度の物が多いです。
この条件を満たしているのは今のところ、写真のZOOMMRS-8、BOSS BR864くらいだと思います。どちらとも3万程度で購入できると思います。
※1この××kHz、××bitとかいう数字はkHzの方は周波数(高音とか低音とか、、)に影響します。難しく言うとサンプリング定理という定理に基づいて、人間の可聴帯域の2倍の周波数程度の周波数が使われます(私は3倍以上は必要だと思います。2倍ではサイン波が三角波になりますから、、、)
××bitというのはどれだけ小さな音と大きな音を表現できるか?です。16bitというのは2の16乗で65536の分解能を持ちます。具体的に言うと電源電圧が(私はこの定理は間違っていると思っていますが)10Vで録音の系があるとすると、10V÷65536で0.000152588Vを表現できるかということになります。
まあ、これらの数字は大きいほどよいのですがCDのクオリティが有ればOKでしょ?
本当はBOSSを購入したのですが、ちょっと大きかったのと、電池が単3を6本というのがちょっと気になって、ZOOMも購入してしまいました。
スペック的にはZOOMの方がBit Rateが上です。
しかし、届いて、ZOOMの内蔵マイクでアコギを録音していて「?」・・・・音が全然おかしい・・
エフェクターをOFFにしても、やっぱり変。高域がやたら強調されていませんか?というか、アコギがエレキかエレアコのようになっている。録っている音も。モニターの音も・・・
というわけで早速解析してみることにします。
解析方法は、スピーカーからホワイトノイズを再生して、MTRで録音します。録音したホワイトノイズをFFTで解析します。
BOSS BR-864エフェクト無し
ZOOM MRS-8エフェクト無し
やはり、10kHz程度にピークがあって、中域がへこんでいる(所謂ドンシャリ)これが気持ち悪い原因でしょうね。
暫定で対策します。
まずは、マイクの後室に詰め物をして、ゴムで抑えます。
ZOOM MRS-8エフェクト無し
高域のピークはまだありますが、中域のへこみは解消されます。
高域はマイク穴の形状で落とすことにしましょう。暫定でシールで穴を塞ぎます。
こんな感じ、になります。
だいぶ自然な感じで録れるようになりました。
後は、マイクを良いものに交換して、パテで同様の加工をすると完璧になるでしょう。
ちなみにWEBからダウンロードできるツールは以下のようなツールで、ZOOMはパソコン上でそのまま再生ができます。これは便利です。
BOSS ZOOM