88話(10.06.11

Ernie Ball(アーニーボール) Jrバッファ追加

 

ボリュームペダルをギターに接続する場合、その入力インピーダンスで、高域がなくなってしまいます。

これは、バッファを入れることで防ぐことが出来ます。

 理想的なバッファは入力インピーダンスが無限大で出力インピーダンスが0ですので、入力のインピーダンス、出力のインピーダンスに影響されるのを防ぐことが出来ます。

しかし、オペアンプ、エミフォロなど色々試してみると、やはり「バッファ臭さ」というか、味付けが残ってしまうのです。

 

 今回のバッファはそのような癖がまったくといっていいほど無く、原音そのものに非常に近いバッファと自負しております。

 

早速ご依頼がありましたので、ご紹介します。

 

新品状態のErnie Ball(アーニーボール) Jrです。

私のFenderのボリュームペダルと比べるとその大きさが良くわかると思います。

このErnie Ball(アーニーボール) Jrはふみ心地、作りをとっても、非常に優れたボリュームペダルだと思います。

ただ、使用している部品がJrで無い通常のErnie Ball(アーニーボール) と比べると、ジャックがスイッチつきではないものを使用していたりします。

 

 

 

まずは、回路を作成します。今回は出力にもバッファを入れることが可能な仕様としているので、かなり込み入っています。

出来上がった回路の動作確認と、調整をおこなっているところです。

 

 

 

組み込みはフロントパネルの箇所に対して行います。先にも述べたように、ジャックがスイッチつきではないので、電源を使用するバッファを入れる場合、ジャックを抜いていても電流が流れると不都合なので、入力ジャックだけは、スイッチつきに交換しておきます。

 

 

ミニスイッチでもいいのですが、筐体から出っ張るので、スライドスイッチを使用して、出力側のバッファを切り替える事が出来るようにしました。

ACアダプターも使用できるように、加工します。

 

 

 

これで、完成!

ボリュームを絞っても音がまったく篭らずクリーンのままです。やはりこのボリュームペダル踏みやすいし、小さいし、Ernie Ball(アーニーボール) Jrいいぞ!

 

 

 

ご依頼主に発送し、インプレッションが届きましたので、ご紹介します。

 

 

まずエレキギターでいろいろ試しました。

第一の印象は「噂通りバッファ臭さがない!」でした。

 

もちろん、アンプ直の音と比べればまったく音質変化がないわけではありませんが

いわゆる「バッファ臭いバッファ」とは一線を画す物です。

従来のバッファに比べたら、驚異的なほどの音質変化の極小さです。

 

ボリュームペダルとして考えても音質変化の少なさは、高性能で有名なパッシブのボリュームペダルの物と比べても

遜色のないレベルですので

 

「パッシブで音質変化はないけど少しだけ音痩せ」

 

するか

 

「バッファで極少しだけ音質変化するけど、ほとんど音痩せなし」

 

どちらが好みか?で選んで問題のないクオリティだと思います。

 

私は元来バッファ嫌いのパッシブ派なのですが、ボリュームペダルのあとの

エフェクトペダルやケーブルの引き回しでの音質劣化(ハイ落ち)対策として

バッファ導入を検討していたため、AKGさんに相談して今回の仕様にしました。

 

おかげで、狙い通りその後のペダルや長いケーブルによる音質劣化の危惧から開放されましたし

その代償である、バッファによる音質変化は極小と言う、すばらしい結果に落ち着きました。

 

バッファとしてもボリュームペダルとしてもすばらしい物で、大変満足しています。

これは是非とも広く世に広まってほしい製品です。

 

ありがとうございました。

 

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