第91話(2011.01.30.)Line6 SPIDERヘッド化
Line6 Spiderというアンプのヘッド化、および軽量化のご依頼を頂き、挑戦しました。
Before After
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Before After
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まずは、シャーシをコンボキャビネットから降ろして、中身を確認し、どういう構造になっているのか、そして、小型化するのかを検討します。
各ブロックで基板が独立しており、それを平型ケーブル、シールドなどで接続していく手法がとられています。
真空管ソケットも基板に実装されており、基板をネジ留めすると、真空管も奇麗に固定されます。
また、コントロールつまみなどは基板に実装されており、その基板がパネルの裏側からネジで固定されます。
頭痛の種がこの導光の方法です。
ボリュームなどが基板に実装されて、それがパネル裏側から固定されるのですが、その基板に実装されたLEDが光ります。その光を乳白の棒状のモールドがフロントパネルまで光を通すのです。
また、黒意部品は、あるLEDが光った時に、近くの部分が光らないように、つまりは光漏れを防ぐ目的の部品です。
この部品は、溶着されていますので、シャーシから取り外したとたんに壊れて、再利用は不可能な部品です。
ですので、この部品をなんとか製作しなくてはいけません・・・・・orz
上記の頭痛の種を放っておいてw、次々と、シャーシや、基板やパーツ類の寸法を測定して、CADに入力して、部品を外して・・・・
時々プリントアウトして、寸法を確かめて・・・・
と、地道な作業が続きます。
今回はCADに入力したシャーシの図面を提出して、業者にシャーシを作成してもらうことにしました。
自分で作成に挑戦もしたかったのですが、ちょうど製作依頼も結構いただいておりましたので、負荷分散の意味でも、業者さんに依頼しました。
業者さんに図面を提出ですが、本来dxfデータを送りたかったのですが、pdfデータにして欲しいということで、必要な寸法は全て入力しなくてはならず、結構大変でした・・・
塗装もついでにお願いすることにしました。
というわけで、待つことしばし・・・
シャーシが。。。。。きたーーーーー! ヒャホォ━━(*´ω`)ノ━━!!!
さすが!いい感じです。
塗装に少しブツがありますが、まあ、やむをえない範囲でしょう・・・
ここから、少しドキドキなのですが、、、、寸法通りに出来ているか?自分の寸法指示が間違っていないか?
もとのシャーシから外した部品を一通り組み込んでみて、寸法違いなどを確認します。
幸い、大きなミスは無く、すんなりと組み込むことが出来ました。
さてさて、ここからシャーシにシルク印刷を施していきます。
このシャーシの大きさでは、フロントパネル2回、リアパネル2回で、印刷は合計4回に分けて行います。
各印刷は、前工程のインクが乾いてから行いますので、ザックリ1週間仕事です。
フロントパネルが出来上がりました。
リアも完成です。
一番の懸念事項であった導光の方法を考えました。
透明なアクリル棒とアルミニウム管を細かくカットします。
こんな、変な治具を作りました。
L字アングルの蝋燭の火が当たるところには、ドリルでえぐっておきます。
ここに、アクリルの棒を当てると、右のような感じに!d(゚∀゚*)
これをシャーシの表側から挿入して、光漏れ対策のアルミニウムの管を被せて、裏側は半田コテで溶着して完了です。
我ながら良いアイディアが生まれました(*゚∀゚)
体裁面はこんな感じで、GOODです。
これで、大きな心配事はクリアできました。
中身を組み込んでいきます。
基板を組み込み、配線を元に戻し、長さが不足したところは延長して対応し、中身が元通りになりました。
電源を入れてみます。
おお!見事によみがえりました d(゚∀゚*)感動!
今回のヘッド化の目的は軽量化も当初の目標でしたので、音質に影響の無いヘッドキャビネットの場合、通常のパイン材ではなく、もっと軽量の材料を使うべきだと考えました。
銘木店を営む友人とも相談して、桐を使用する事にしました。
まずは、桐の板材をカットし、ダブテール加工を施します。
これを組み上げて、天面の凹の加工をトリマーで行います。
全体の角を落としたところです。
桐で作成したのは、実際に行ったのはおろか、見たこともありませんでした。
出来てみると、その軽さにビックリです。(゚∀゚*)
仕上げは黒のトーレックスなので、中身と受け木等のパーツを黒く塗っていきます。
トーレックスを貼りました。
フロントの桟を作成しているところです。
フロントの桟を取り付け、グリルの寸法を出しているところです。
次に、リアカバーを作成します。
オーバルポートを空けますが、ダンブル用のテンプレートを使用しました。
グリルとリアカバーを黒く塗ります。
乾いたら、グリルを貼ります。
リアカバーには、トーレックスを貼っていきます。(おっ!足が写っていました・・)
完成です。
黒の部分が多くて、無骨な渋さがあります。
これで完成!
お付き合いありがとうございました。M(_ _)m