#7115/7115 M*Cサロン ★タイトル (KUH95291) 97/ 2/23 23:28 ( 50) 【COMIC CLUB】極道兵器(1) aMI ★内容  ここ数年の石川賢は充実している。もはや師・永井豪の代用品の域を脱して、石 川賢という一枚看板として少なくともワタシは認識している。基本的にはいかにも ダイナミック・プロ的な芸風ではあるが、子供向けから大人向けまで幅広くこなせ る上、画的にも「大友克洋を知ってしまった目」の鑑賞に十分耐え得るものも、常 に、ではないが時々見せてくれる。(主に描き下ろし作品でだが。でもここいらが 今の永井豪との差異だ)  リイド社のSPコミックといえばゴルゴ13だが、なんやらコミック誌も持って いるようで、最近はいろいろな作品を出しているようである。そういや石川賢の近 作の「爆末伝」もSPだったわ。あと「新羅生門」もそうだわ。あとワタシが持っ ているのでは山口貴由の「平成武装正義団」「サイバー桃太郎」もSPだね。  そのSPコミックスの石川賢の新刊がこの「極道兵器」(1)。COMICマイティ 連載だそうだが、見たことがないばかりか名前すら知らない。ということは全くの 作家名/題名買いで中身は事前には全然知らないわけである。でもいいや。石川賢 だから。  内容は「素人でも、何万人も殺せる毒ガスを作っちまう時代」(登場人物、倉脇 重介の言葉)のヤクザ・アクション。主人公、岩鬼将造(「しょうぞう」という名 前が仁義なき戦い、ですなあ)は、西日本をたばねる大親分、岩鬼組組長の息子だ が、常軌や仁義を逸した暴れぶりはヤクザ社会に収まり切れず、傭兵に転じ、南米 はロスタリカ(うまい命名だね、こりゃ)あたりで暴れ回り、「マッドドッグ」と 呼ばれ恐れられている。ところが、アメリカのデス・ドロップ・マフィアと手を結 んだ倉脇重介に父が殺された事を知り、日本へ戻ってくる……てなストーリー。石 川賢得意の◎なイっちゃった目をした人が暴れ回る話である。  まあ石川賢はこういうヤクザもんとか無頼もんとかは得意なわけだから、そうい う意味では別に驚くほどのこともないのだが、今回驚いてこうしてわざわざ紹介し ているのは、1巻終盤に登場するあるキャラクターが原因なのだ。その人の名は、 内閣特務調査官、赤尾虎彦。人呼んで「レッド・タイガー」。まあここまでは偶然 の一致(なにがだ?)かもしれない。しかし彼の女性助手が沙織という名前で、彼 を「虎」と呼び、その虎さん(笑)はベレッタ(拳銃ね)で武装ヘリを撃ち落とし てしまうとしたらどうだろう? やはり我らが(ワタシの、だろ?)ヒーロー、門 田泰明の小説、黒豹シリーズの主人公、特命武装検事、黒木豹介を思い出さずには いられるだろうか?(いや、いられない)  というわけで、ほとんど期待せずに買った一冊だったが、俄然期待が高まってき てしまった。今でも敵方マフィアは空母とか持ってるし、将造たちも重火器とか持 ち込んで使いまくりの上、サイボーグ化された戦士まで登場しているので、巨大ロ ボットや移動要塞の登場も時間の問題かもしれない。「将造たちの戦いはまだまだ 続くのだ」(終わり)でもいいから、4〜5巻くらいできれいに終わらせてくれる ことを願いたい。ああ、早く2巻出ないかなあ(笑)。 元祖、黒豹はいったい何をしているのだろうねえ……(哀)  aMI BGM: ラジオ深夜便 p.s.光文社から出てたコミックス版黒豹はトホホでした。