白滝公園の自然

白滝公園(水泉園)は楽寿園の正門前にある。
三島駅周辺は開発が進み、三島溶岩の露頭が少なくなった。
白滝公園には三島溶岩上部層が分布し、トロトロとした縄状溶岩やトゲトゲしたコークス状(クリンカー)など溶岩の表面の様子や小さなドーム状の溶岩塚が観察できる。
 白滝公園の湧水箇所は溶岩単層と溶岩単層の境から水が湧いているのが観察できる貴重な露頭である。
なお、白滝公園は三島溶岩が分布し、御殿場泥流の露頭は見当たらない。


白滝公園の案内図
 Mは三島溶岩流、なわ状溶岩や小さなドーム状の溶岩塚などの観察。S1,S2,S3,S4溶岩単層と溶岩単層の境からの湧水、境のトゲトゲしたクリンカーなどの観察。はS4の湧水口。

 三島溶岩上部層   2010年5月4日  
 三島溶岩は玄武岩質溶岩で柔らかくトロトロと流れ、その表面のなわ模様から、「なわ状溶岩」と呼ぶ。ハワイには、キラウエア火山やマウナロア火山など、玄武岩質溶岩を噴出する火山が多く、溶岩の名前にハワイ語が付いている。表面の滑らかな「なわ状溶岩」をハワイではパホイホイラバと呼んでいる。 

 小さなドーム状の溶岩塚  2010年5月12日
 溶岩流の表面が固まり、まだ固まっていない内部の溶岩や水蒸気の圧力でドーム状にふくれてできる。(直径 約4m、メジャーは1m)お餅を焼いてふくれたのに似ている。
 多くの溶岩塚は、溶岩や水蒸気が吹き抜けるとき、固まった天井の溶岩が吹き飛んで壊れてしまう。このような、きれいな形をした溶岩塚は珍しい。カーソルを写真へ   

S1 白滝公園の湧水箇所  2010年8月1日
 磁石を置いた、なわ状溶岩が見える溶岩流(溶岩単層)とこの下の溶岩単層の間から水が湧き出ている。

S1 白滝公園の湧水箇所  2010年5月4日
 三島溶岩上部層は繰り返される噴火で何枚もの溶岩単層が重なっている。
 溶岩単層と溶岩単層の境から、水が湧き出ているようすを直に観察でき、三島溶岩と湧水との関係を研究する貴重な露頭である。残念だが冬季は水が枯れてしまう。
 
S1 白滝公園の湧水箇所     2013年8月11日
 白い破線は溶岩単層と溶岩単層との堺で、水を透しやすいコークス状(クリンカー)になっている。
 S1、S2、S3は海抜高度が同じレベルにあるので、同じ溶岩単層の堺と思われる。

S3 写真は小さな祠の裏にある湧水箇所  2013年9月9日
 この湧水個所は溶岩単層の境がコークス状(クリンカー)になっていて、この境から湧水している。メジャー(20cm)を置いてある面がクリンカーである。ハワイではアア ラバと呼ぶ。アア ラバの面は踏みつけるとすぐに摩滅するので、歩かないようにしたい。

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