NO.029
雲上の夏  あとがき 13頁

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去年夏、1週間ばかり穂高を登って、『ぐるっと穂高を一廻り』というビデオを編集したところ、大変好評だったので(本人はソウ思っていますけど...)今年は槍ヶ岳から穂高まで縦走するつもりで、7月23日朝上高地へ入りましたがあいにくの雨。明神でも、徳沢でもと少しでも槍沢に近く前進しようと夕方まで待ちましたが、雨は一向に止む気配もなく、予報も悪くなるばかりで平湯に退却。24日は露天風呂に浸かって様子見。晩飯に一杯やりながら天気予報を見ると明日も雨。.....待ちきれなくなって、登ったのが乗鞍岳です。登るといってもバスから降りて1時間30分ほどで山頂(剣ヶ峰3026m)ですから、槍や穂高とは大違い。雨が降っても登る分にはたいしたことはありませんし、肩之小屋の管理人は旧知だし、下でクダを巻いているよりはまし、というのが今回の乗鞍岳です。「ご来光登山」になってしまったかわいそうな乗鞍を雨にもめげず3日間、よく歩き、よく写しました。朝、ご来光が終るころにはガスが出て、すべては霧の中、雲の上のことでしたから「雲上の夏」と名付けました。ちなみにすべて単独行です。まあ、足が付いて行かない、気ままにというところが本音です。

 

1941年田舎で生まれ、田舎で育ち、田舎で暮らす、生涯田舎者。
老いの愉しみは自分の好きな心象風景をビデオと写真に写すことと決め、PremiereとPhotoshopを使って編集、整理しては一人で悦んでいます。あと10年、どこまで登れるかわかりませんが丈夫なうちに心に感じたことを記録して、「これがまあ、安曇亭さんの好きな山だったか」と言えるようなものを遺して、グッドバイのつもりです。

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