HELLOWEEN




ジャーマンメタルと言うジャンルを世界中に広め,その最高峰につくこととなったバンド.
それが,このハロウィンである. 正統派HMの路線上に位置し,様式美をほどよく含み,
ほどほどにキャッチーな曲を含めた作品仕上がりで,地位を不動のものとした.





バンドの結成は,'78年にカイ・ハンセンが結成した「GENTRY」と言うバンドが母体となっている.
この「GENTRY」に,カイの旗揚げに応じてドラムを始めたばかりのインゴ・シュヴィヒテンバーグが加入.
その半年後に,パンクバンドからマーカス・グロスコフが移籍してきた.
'82年には,「POWER FOOL」と言うバンドに在籍していたマイケル・ヴァイカートが参加.
その後に「SECOND HELL」「IRON FIST」「GLORY」等とバンド名を変えながら,
'84年に「HELLOWEEN」を名乗るようになる.





'85年にミニアルバム「HELLOWEEN」(5曲入り)にてデビュー.
同年,1stアルバム「WALLS OF JERICHO」(9曲入り)をリリースした.
このアルバムの最後の曲「(9.)HOW MANY TEARS」は,今でもライブで最高に盛り上がる一曲であろう.
尚,このアルバムは,再盤として「HELLOWEEN」「WALLS OF JERICHO」に,シングル曲「JUDAS」を含めた
全15曲入りの,「HELLOWEEN/WALLS OF JERICHO/JUDAS」と言う名で発売されている.

デビュー当時のメンバー編成は,
 カイ・ハンセン(Vo&Gt)
 マイケル・ヴァイカート(Gt) (愛称ヴァイキー)
 マーカス・グロスコフ(Ba)
 インゴ・シュヴィヒテンバーグ(Dr)
の4人態勢だった. (カイとヴァイキーによるツインリード態勢)

当初のほとんどの曲は,カイが作っていて,
実質カイがリーダーと言ってよかった存在だろう.





その後,カイがギターに専念したいと言うコトで,ヴォーカルにマイケル・キスクが加入.
そして'88年に,ハロウィンの名を世界に知らしめた2ndアルバム,
名盤「KEEPER OF THE SEVEN KEYS PART 1」をリリース.
日本国内では,邦題「守護神伝1」として発売された.

トミー・ハンセン,トミー・ニュートンの黄金コンビによるプロデュースであるこの作品.
名盤と呼ばれる通り,実に粒ぞろいの曲である.
「(1.)INITIATION」での徐々に盛り上がる序章.
「(2.)I'M ALIVE」で始まる疾走感たっぷりのサウンド.
「(5.)A TALE THAT WASN'T RIGHT」は,泣きのギター叫びまくりの涙ちょちょぎれバラード.
キャッチーなメロの「(6.)FUTURE WORLD」.
そして演奏時間13:19の超大作「(7.)HALLOWEEN」,長いのに全然飽きさせない複雑な曲展開.





更にその翌年の'89年には,前作続編の「KEEPER OF THE SEVEN KEYS PART 2」をリリース.
この守護神伝の二枚のアルバムセットで,再盤「守護神伝・完全版」として,ボーナストラック3曲付きで売られている.

オーケストラバリバリ風味の「(1.)INVITAION」での盛り上げ.
「(2.)EAGLE FLY FREE」は,ファン人気トップクラスの曲ですね.
今でも,ハロウィンの名曲中の名曲と名高い「(5.)DR.STEIN」.(好きじゃない人も多いみたい・・・)
チョー恰好良いリフの「(7.)MARCH OF TIME」.
ジャーマンメタルお得意のキャッチーフレーズの「(8.)I WANT OUT」.
超大作「HALLOWEEN」を上回る演奏時間13:37の超々大作「(9.)KEEPER OF THE SEVEN KEYS」.
そしてハイスピードナンバーの「(10.)SAVE US」.

今となっても,最高級と言っても過言ではない作品ですね.





人気絶頂の中,カイが脱退.
新ギタリストとして,ローランド・グラポウが加入.

そして,4枚目のフルレンスアルバムとなる「PINK BUBBLES GO APE」を'92年に発表.
しかしこの作品,賛否両論ハッキリ分かれる結果となってしまった.
っと言うのも,今までメインのライターであったカイが抜けたことによって,
それまでのハロウィンとしてのサウンドとかけ離れた作品になってしまったからだ.

正直言えば,アメリカかぶれをしてしまったかなって感じ.
売れ線,キャッチーな曲が多く,ジャーマンメタルの王者ハロウィンとしての貫禄が感じられないのだ.
曲単位で見れば,決して愚作ではない.
プロデューサーがクリス・タンガリーデスに変わったコトもサウンドが変わった大きな原因であろう.

とってもキャッチーな「(3.)BACK ON THE STREETS」.
キャッチーにもほどがある「(6.)GOIN' HOME」.
イントロで,ん? これは!? と思いきややっぱり明るい「(7.)SOMEONE'S CRYING」.
ん〜,やっぱダメじゃん・・・っと思いきや,8曲目でやっと期待してた曲が出ました.
「(8.)MANKIND」. ちょっと前奏がアピールしすぎな感じもするけどね・・・.
そして,このアルバム最高の曲であろう「(10.)THE CHANCE」,HMです!
しかし,最後(日本盤ボーナストラック)の「(12.)SHIT AND LOBSTER」はどうなんだろ・・・.
題名が,「クソとロブスター」だよ? どうなの?その辺のところさ・・・.





翌年'93年に,同メンバーで5thアルバム「CHAMELEON」をリリース.
これがまた,完全なアメリカンバンドなんですね・・・.
え? LAメタル?って思ってしまいそうな・・・(涙)
トミー・ハンセンプロデュースに戻っての挑戦だったが,ちょっと違うでしょ・・・?

とか言いながらオープニングナンバー「(1.)FIRST TIME」,恰好イイと思います(笑)
「(3.)I DON'T WANNA CRY NO MORE」は,アメリカンHRであれば最高の評価を受けたでしょうね・・・.
「(4.)CRAZY CAT」ではブラスサウンドまで採用. もうどうにでもなれ?(笑)
「(5.)GIANTS」,このアルバムでは最もHMに近いサウンドでしょうか・・・.
「(9.)MUSIC」は作品的にはイイと思いますが,ブラスサウンドが気になる.
「(10.)STEP OUT OF HELL」,題名とは裏腹に最高にキャッチーフレーズです.

ん〜,単体としての完成度は良いが,ジャーマンメタルバンドとしてのハロウィンの姿は,
全く消えてしまったかのように見えますね・・・.
ハロウィンを聴きたい!って人は,この二枚はお勧めできません・・・.





そしてなんと,この時点でハロウィンの顔だったキスクが脱退.そしてインゴが・・・.
変わりに「PINK CREAM 69」のヴォーカルだった,アンディ・デリスと,
「GAMMA RAY」のドラムスを勤めたウリ・カッシュが加入.

'94年に新星ハロウィンとして生まれ変わり6thアルバム「MASTER OF THE RINGS」をリリース.
これが当たったんですわ〜,ま,ワタシ的にですけどね.
ん〜,世間的にも当たったよね? うん. この作品もトミー・ハンセンがプロデュース担当.

「(1.)IRRITATION」で守護神伝を彷彿させる徐々に盛り上がる序章(何故生のオーケストラ使わないでシンセなの?).
「(2.)SOLE SURVIVOR」は,我々がずっとハロウィンに待ち望んでいた壮快HM!
そして間髪入れずに「(3.)WHERE THE RAIN GROWS」が・・・. この曲,最高!! イントロ,メロ,間奏全て完璧!!
「(7.)GAME IS ON」では,任天堂ゲームサウンドを使う思いきりぶり. それでいて恰好良い.
「(10.)IN THE MIDDLE OF A HEARTBEAT」で,泣かせてくれて,
「(11.)STILL WE GO」で,豪快に突っ走ってくれる. (イントロがRoland SC音源のSEサウンドまんまなのが気になった)

とにかく,全体的に見て,ハロウィンここに生まれ変わり,天下取る!って感じでしたね.
マジでこの時は感動しました.
最高っす. ただ,キスクの歌い方が好きだったハロウィンファンは,確実に離れましたね.
精密に歌うキスクに比べると,ラフに感情的に歌い上げるアンディの歌い方が合わなかったんでしょうね.
逆に,こっちのほうが好きって人も数多くいますので,それはそれでいいでしょう.





'96年には,7thアルバム「THE TIME OF THE OATH」をリリース.
これがまた良い出来でした.
もはや,トミー・ハンセンとハロウィンのコンビを超えるコンビは存在するのだろうかと思わせてくれる作品.

「(1.)WE BURN」,一緒にシャウトしたくなるようなコーラスで良かったっす. (元々の歌詞はセックスネタ)
「(2.)STEEL TORMENTOR」は,爽快感を感じさせられるスピードナンバー.
そしてジャーマンメタルっぽいキャッチーでそれでいて軽くない完成度三重丸の「(4.)POWER」.
「(5.)FOREVER AND ONE」は,ノストラダムス最後の大戦を描いた,壮大なバラード. クワイアの厚み半端じゃない.
ハイスピードナンバーの「(6.)BEFORE THE WAR」.
「(9.)KINGS WILL BE KINGS」では,痛快なビートで押し切ってくれてます.
「(10.)MISSION MOTHERLAND」は,過去にあまりないファンタジー大作.
そしてアルバムタイトル曲「(12.)THE TIME OF THE OATH」で壮大かつ穏やかに幕を閉める.
しかしこの12曲目が要らなかったって人も多いですね・・・. 某メタル雑誌でかなり叩かれてたし・・・(笑)
でも全体的な完成度ピカイチで,ハッキリ言って買いでしょう.





'98年に,通算8枚目となるフルレンスアルバム「BETTER THAN RAW」を発売.
私はこのアルバムを手に取った瞬間,今までのハロウィンと明らかに違う何かを感じた.
そう,ジャケットの絵がガラッと変わったのである.
今までは,どちらかというと,可愛らしいカボチャの絵だったのだが,
一転して,ちょっと怖い感じ(ってか化け物っぽい?)に変わったんです.
ま,プロデューサーも変わらずトミー・ハンセンだし,大丈夫か・・・.
と,少しばかりの不安と期待を抱きながら,いざ再生スタート!

序章は今まで通りなイイ感じの出だし〜♪ と思いきや来ました!
「(2.)PUSH」って曲!! 今までに無かった非常にアグレッシブなサウンド. かなりハードチューンです.
しかし,「(3.)FALLING HIGHER」では,いつものハロウィン節を聴かせてくれてちょっと安心.
曲の展開がめまぐるしく動く「(6.)REVELATION」
「(8.)I CAN」は,モロにハロウィンって感じのポップでキャッチーなナンバーなんですが,やっぱり今までよりハード.
「(10.)LAVDATE DOMINUM」はラテン語歌詞の曲. 曲の出来が良いだけに歌詞覚えたいんだけどラテン語は難しい・・・.
しかし,ジャケットからの不安はココにあった・・・「(12.)MIDNIGHT SUN」である. ちょっと攻撃的過ぎ・・・.
この「MIDNIGHT SUN」は,完全に今までのハロウィンの方向性とは違い相当先鋭的なサウンドです.
ちょっと,次作に対する不安が残ったままになりました・・・.





そして出ました9thアルバム「THE DARK RIDE」を2000年にリリース.
しかしこのアルバムが出る前に,またもや心配させる情報が・・・.
なんと,トミー・ハンセンとまたもや別れ,新しいプロデューサーとして,
危険な臭いいっぱいのロイ・Zと,チャーリー・バウアファイントの起用とのこと.
ロイ・Zですか・・・? ハルフォードのロイ・Zですよね・・・?
って言うか,質の良い欧州バンドをアメリカかぶれさせて腐らせるので有名なロイ・Zですよね??
って感じでちょっと不安がこみあげていました.
そして出ました,発売日.
またもや,今までと違うジャケットに戸惑いながらも購入.

「(2.)ALL OVER THE NATIONS」・・・. むむむっ!? いいじゃん!?(笑) もしかして取り越し苦労だった??
続く「(3.)MR.TORTURE」も,かなりイイ感じ!! 格好良すぎ!!
その後,でもやっぱり今までとは何か違う雰囲気を密かに感じつつも,
「(7.)SALVATION」は,日本人をターゲットにしたんでしょうか? なんか日本人っぽい曲調なんだけど成り切れてないって感じ(笑)
「(10.)WE DAMN THE NIGHT」は昔っぽい,ハロウィンらしいナンバーで,落ち着く〜♪ (別に落ち着ける曲調ではないよ)
日本版ボーナストラックの「(13.)THE MADNESS OF THE CROWDS」は,ハロウィンサウンドを求めて買った人にはヤバイね.





ってコトで,現在に至る我がハロウィン.
私がHMにハマったバンドがこのハロウィンそのものであり,
これからも,ずっと独自路線を力の続く限り走り続けてもらいたいものです.



非常に乱筆でしたが,こんな感じでハロウィンの紹介を終わりたいと思います.





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