1.点字が使われる前の文字> 


 日本でも、いろいろな文字の工夫をした人たちが、いました。学校で使われていたのは、ふつうの漢字や、ひらがななどの文字を、木とか「かわら」を使って、いもばんのようなものにして、手でさわれるようにしたものです。しかし、漢字をさわってわかるのには、たいへん苦心しました。また、書くのには、半紙とえん筆を使いましたが、自分で読むことは、できませんでした。
 ここで、明治22年に平野知雄(ひらのともお)という人が考えた、通心玉という文字をしょうかいします。
 まず、大小のガラス玉をたくさん用意します。結び目の上と下に玉を通します。上はアカサタナ・・・、などの列の文字を、あらわします。小さい玉が3つあれば、サの列です。また大きい玉は5をあらわすので、大きい玉と小さい玉が1こずつあれば、ハの列です。 結び目の下は全部小さい玉で、何番目にその文字が来るかをしめします。クなら3こに なりますね。このし組は、けい帯電話でメールを送るやり方に、にています。でも、通心玉は、ほとんど使われませんでした。
 同じ年に小林新吉(こばやししんきち)という人は、「むすびいろは」という文字を考え出しています。これは細長い紙を使い、折り方や距離(きょり)、折る数などをかえて、文字のかわりにしたものです。
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