視覚障害者への奉仕の概要(点訳、その他の情報伝達関連)
 3.拡大図書の製作
 この分野の歴史は20数年くらいですから、高年齢の方は、この存在を知らないこ とが多いということと、著作権の問題があり図書製作が自由には出来ないということ などのためか、奉仕団体もそれほど多くはありません。また各地の点字図書館でも殆 ど扱っていません。
 対象は弱視者ですが、奉仕は通常1cm四方の原稿用紙のようなスタイルの用紙を下 敷きとし、その上に上質紙を重ねて楷書で書いていきます。上質紙はやや厚めの70K が適当です。書いていくこつは、ますの中に収まるように書くのではなく若干はみ出る くらいにします。下敷きの字間には少しスペースがあるので、隣の文字が重なることは ありません。筆はサインペンのようなもの(例.Magicのラッションペン)を使用 します。行頭、行末は一般の文と同じ処理をします。例えば 句読点、促音など行頭に もってこないようにします。製本は通常は袋綴じにし、装丁は手作りの場合と、製本店 に依頼する場合があります。製本は小規模な店と交渉すれば少ない部数でも引き受けて もらえる場合もあります。(有料)
 この奉仕は個人的なものなら、紙とペンと下敷きさえあれば特別な知識がなくても出 来ます。字の大きさも利用者と相談して決めれば良いでしょう。本格的な図書づくりに は、やはり専門知識が必要ですから講習を受けるなり、従事している方より指導を仰ぐ ことが必要です。