第2回 点字の漢字について

 点字には漢字が無いと思っている人が多いのですが、実際には2種類も存在します。 詳しいことは省きますが、概要を紹介します。
 まず通称「6点漢字」と言われるものは、次のような構成になっています。基本的には普通の点字の6点を使いますが、3マスまたは4マスが1字になります。1マス目はその漢字の「音読み」の種類を定められた記号で書きます。分類は音の数、何の発音で終わるかを基準にします。漢字を音読みにしたとき終わる発音は、意外に少ないものです。2マス目には漢字の「音読み」の初めの発音を書きます。机は「キ」空は「ク」です。3マス目には漢字の「訓読み」の初めの発音を書きます。机は「ツ」空は「ソ」です。2マス目のところに濁音が来るときは、濁点を使わないで濁音を表す工夫がなされていて、ガ行、ザ行は清音の部分を1点下にずらします。「ガ」は2の点のみ、「ザ」は2,6の点です。この3マスの組み合わせでも、重複する文字が出て来るので、その場合は基本を拡張して定めてあります。すべての漢字に6点漢字は対応しますが、個人が勝手に作ることは出来ません。
 別のものは「8点漢字」と呼ばれるもので、漢字の偏とか旁(つくり)を基本に考えているので、中途失明者には覚えやすいものです。1マスの字もありますが、大体2マスが多く使われます。不便な点は縦に4つの点が2列になっているので、普通の点字板とか 点字タイプライターでは書けないということです。(亜鉛板製版機では工夫すれば書ける)以上のように2種類の点字の漢字がありますが、現在でも多くの視覚障害者はそのいずれも使っていないし、盲学校でも必修になっていません。また、個人、グループの点訳ボランティアでも両方を手がけている場合は殆どないと言えるでしょう。
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