第4回 新触読文字の提案
中途失明者で点字の触読が困難な人でも、遅くてもよいから少しでも意味のある文字が
指で読めないかというのが今回のテーマです。世の中は広いので、他でも種々
試みているかもしれませんが、盲学校では「点字」を読ませるのが先決ということで、
こんなテーマはナンセンスということになるかもしれません。
本題に入りますが、点字のうち触読しやすい文字をたった2文字だけ選択します。
1点文字は見落としやすいので、例えば「ニ」と「メ」、または「イ」と「レ」など
選択します。
たった2文字で何が表現できるのか、いぶかる方もいれば「はた」と手を
打つ方もいるでしょう。具体的には次の段階を学習します。
(1)モールス符号のうち次のものを覚えます。
A ・- B -・・・ D -・・ E ・ G --・ H ・・・・
I ・・ K -・- M -- N -・ O --- P ・--・
R ・-・ S ・・・ T - U ・・- W ・--
Y -・-- Z --・・
(数字もありますが、とりあえず19文字でがんばりましょう。1週間も
あれば覚えます。読み方は「-」は「ツー」、「・」は「ト」です。
例えば「B」は「ツートトト」です。)
(2)先に選んだ2種の点字のうち点の数が少ないものを「・」、多いものを
「-」とします。
(3)点字板を使って、触読の見本を作ります。「・」と「-」の
間は1マスあけ、文字間は行替え、慣れてくれば3マスあけくらい。当然、1文字
は行をまたいではいけません。各文字は英字ですから、単語、文はローマ字
方式で書きます。方式は学校で教える「訓令式」としますが、ヘボン式を
望むなら、アルファベットすべて覚えるようにすればよいでしょう。
初めは単語、慣れてきたら短文を練習しましょう。
参考 C -・-・ F ・・-・ J ・--- L ・-・・
Q --・- V ・・・- X -・・-
1 ・----
2 ・・--- 3・・・-- 4・・・・- 5 ・・・・・
6 -・・・・ 7 --・・・ 8 ---・・
9 ----・ 0 -----
ボランティアの方もやってみて下さい。「なんとまあ、手数のかかる面倒な方法
だろう」と感ずるでしょう。しかし、学校での点字の「読み」のテストで
「開始」と言われて2分間たっても全く読めないか1、2字読めれば良いと
いう場面も見られるので、少しでも触読でき何とか情報伝達に役立てば良いと
思います。点字講習で点字触読の未経験者でも、5字くらいは判別できるので、各符号の
2字続きの所は他の点字1文字にするとかすれば、更に便利になるでしょう。
この提案に興味を持たれた方、実験された方などメールして下さい。
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