第7回 英文の点訳について 

 点字を学習していると「マスあけってなんでこんなに難しいんだろう。」という感想を 持つ人が多いでしょう。またせっかく覚えてもしばしば改訂がなされて、ますます 分からなくなってしまったという声も聞かれます。点字の講習会では「マスあけが どうしても抵抗がある人は、特殊点字をやってみたら」とアドバイスすることもありますが、 特殊点字はそれなりに専門的な知識が必要なことや需要の少なさなどあり、 簡単には片付きません。
 しかしとりつきやすいものとして英文の点訳があります。ご承知の通り、英文は原文が マスあけしてあるようなものなので、26字覚えればとりあえずは点訳が可能です。「とりあえず」 と書いたのは、英文には略字とか縮字があり、中2以上の生徒の教科書には、段階的に 導入されてくるので、これらをマスターしなければ、完全な英文の点訳は出来ません。 また26字以外の文字も全て活用されます。
 ここではアルファベット1文字の簡単な略字を紹介します。( )内は元の単語です。 略字は点字で「1,2の点」とかの表現が良いかもしれませんが、便宜上、その略字と同型の英字 で記します。b(but) c(can) d(do) e(every) f(from)  g(go) h(have) j(just) k(knowledge) l(like)  m(more) n(not) p(people) q(quite) r(rather)  s(so) t(that) u(us) v(very) w(will) x(it)  y(you) z(as)
 aとiとoと同型の点字には略字がありません。略字は単独で用いるので、本来1字で意味を 持っているaとi、またoはアメリカなどで電話番号で0(ゼロ)を「オー」と発音するという 理由から省かれたものでしょう。これらの略字を見ると、使用頻度からするともっと別な置き換え があっても良いかナという部分もありますが、定めた時代が相当前などで、そのときはこれがベスト だったのでしょう。
 英文のみの点訳では外国字符とか外国語引用符は使いません。慣れてくると、英文だと思えば 同じ形でも日本の50音読みは浮かばず、英語でスラスラ読めてしまうのは不思議です。 もっとも英語担当の教師が「タ」は英語で何?なんて考えているようでは商売になりませんネ。
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