第8回 点訳物の選定について
日頃、障害を持った方々と接することが少ない人は、点訳を志すとき「
図書を読んでいただくことで、不幸な人たちを救いたい」という気持ちを抱く
場合もあるでしょう。そうすると、自分が過去に読んで感動した作品を点訳したい
ということになるのですが、ここで少し参考になることを書いてみましょう。
まず点訳の動機はともあれ、古い小説の名作はほとんど点訳されていますし、
新しいものでも「日蝕」とか「五体不満足」などまたたく間に点訳がされています。
現在はパソコン点訳があるので、ポツポツと1点1点、点字を打っていた
時代より飛躍的に点訳スピードがあがっています。また、全国の点字図書館の
蔵書は誰でも利用出来るので、もしそういうシステムを知らない視覚障害者が
いらっしゃったら、近くの点字図書館を紹介してあげて下さい。録音図書も
多数ありますので、点字が不得意の人も利用ができます。
それならば、どんなものを点訳したらよいかということになりますが、
下に挙げてみましょう。
1.小説、物語で未点訳のもの。(点字図書館で検索してもらえば分かる)
2.専門書(外国語、音楽、育児書など)
3.広報とか隣組での配布物(広報は点字版を作っている市町村もある)
4.雑誌、新聞の一部
現在でも点字板で1点1点、心を込めて点訳を続けられている方もいます。
このような方法の点訳でも福祉に多大の貢献している訳ですので、
初めての方は特に手がけることをお勧めします。
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