第9回 点訳を始めたい人に
最近ある点字通信講座のテキストを見る機会がありました。私が良いと思った
点は、点字の読み書きが凹面で統一されていたこと、本物(?)の点字が打ってある
ページがあったこと、特殊音とか最近の改正点の追加とか結構内容が濃かった
ことです。
もの足りないのは1冊の本を作るための情報(表紙、目次、奥付の書き方
、分冊の仕方)が不足していることでした。また、講座では懐中定規のみ使用
していましたが、懐中定規では図書の点訳は出来ません。(・・・というのは
私の持論ですが、私の地元でも懐中定規でやっているサークルがあるとか、
固い頭では時流についていけないカモ。)
点字器の問題には触れないとしても、一般の通信教育や独学で点訳の技術を
マスターしても、それを生かす場を探すことは簡単ではありません。点字図書館
でもサークルでも、会員になるための前段階のコースがあることが多く、即
入会という訳にはいきません。点字使用者も減少していますし、私の会の
ように盲学校直結のところは良いのですが、なかなか需要に結びつきません。
やや意欲をそぐノリになったかもしれませんが、熱心にやれば1年くらいで
点訳技術はマスター出来ますので、活動の受け皿を探してからスタートされた
方が良いでしょう。戻る