歌 映画

♪ りんご追分 ♪

「ひばり」と言えば、りんご追分・・・・「りんご追分」と言えばひばり・・・
ひばりを代表する曲であり、また同時に日本歌謡史にも大きな足跡を残す名曲でもある。

昭和27年封切りされた映画「りんご園の少女」の挿入歌である。
もともとは、同年4月に始まったラジオドラマの放送の主題歌であったが、放送後1ケ月後レコードが発売されるや爆発的にヒットし、70万枚と言う当時の新記録を打ち立てたのである、そして映画化の話が起こり同年11月に映画が封切られたのである。
この昭和27年はひばりには思い出深い年でもある、それは4月「歌謡曲の歌手」としては初めて「歌舞伎座」でのリサイタルを開いたのだ。

「りんご追分」について有名な話がある。
舞台テレビでは色々な曲をアレンジして歌っているが「りんご追分」だけは手を加えずに歌い通した事である。
また同時に、吹き込みをした頃の声の質、高低が、晩年も全く変わらなかったと「音声研究所」の驚くべき結果がひばりの死直後発表された。
聞く人を魅了する歌声、ある作曲家が言う「日本の心、土の匂いのする声・・・」

ひばり、未だ中学3年生である。
中学生の少女がこれほどまで見事に情緒たっぷりと歌い上げる、まさしく天才そのものである。
また、同映画の挿入歌「津軽のふるさと」の方が好きな人も大勢居る、夕暮れの中で津軽故郷を想いゆっくりと歌いこなす。

この時代の「歌謡曲」には歌を聴き、歌詞を聞くと「情景」が目の前に浮かんできた、本当に「歌詞」と言う文字が当てはまる「歌謡曲」が沢山あったものだ。
時代が変わり、世相も一変し「懐古主義」なことであろうが、ふと寂しさを感じることがある。
「想い出のメロディー」的な歌番組を見ていると、この歌がヒットしたときの自分が懐かしく思い起こされてくるのは私だけだろうか。「流行歌」とは良く言ったものだ、世の中を写す鏡が当時の(今もそうだろうが)歌謡曲であったのだろう、「演歌」と名を変えたモノの「歌謡曲」も死語になりつつある。