NO8
・・・家族に恵まれても、心の底から湧いてくる「寂しさ」の訳が知りたくて・・・


@アコールを知ったきっかけ
産後5ヶ月が過ぎても、苛立ち等の感情の不安定さや腰痛が改善していかな
い感じがありました。 心の回復は体のそれより遅れていると思うようになっ
ていました。 ある日わけもなく寂しさに襲われました。その寂しさは以前にも
体験したことがあり、この寂しさがどこから来るのか知りたくなりました。
 もともと「こころ」に興味があって、カウンセリングも色々受 けていたの
で、育児に追われていても、自分のこころと向き合う時間を取りたいと思ってい
ました。そんなときに、「虹」を入手し、ライフリーデイングにとても引き付けられ
ました。
久々にこころの洗濯をしようと思って、申し込みました。

【妹が生まれて母に十分甘えられなかった−−でもそれだけでは】


[1回目のセッション]
Aセッションで気づいたこと
今まで、祖父と母の確執を見て育ったことと、妹が生まれて母に十分甘えられなかったことが、自分の中で大きな心の傷となっていると思っていました。けれども、生育歴を振り返ってみて、自分が未熟児で生まれた事で、母が私の成長を随分心配したこと、お産にこりごりしたという話を聞かされ続けてきたことが、私の心の傷になっているという指摘を受けました。
未熟児で産まれたことは、単なる事実だと思っていたので、この指摘は私にとっ
ては、衝撃的なものでした。

【「助けて」「未熟児で何が悪い」】


〈ヒプノブレス〉
心の中で「助けて」という叫びと、「未熟児で何が悪い」という怒りが浮かんできました。どちらの感情も母に向けられたものだと思います。自分の劣等意識が、未熟児で産まれた事がきっかけだったとは、思いもしませんでした。
ブレスワークには苦手意識があり、なかなか言葉を声に出すことができませんでし た。 けれども、頭の中で言葉を浮かべながら、声を出すのと、その言葉を口に出すことでは、 違いがあるなと感じました。言葉を出してみると、新しい言葉が頭の中に浮かんできました。「この言葉を出してみよう」「もう1度言ってみよう」と、自分に言い聞かせながら取り組みました。
〈フローテイングセラピー〉
じっとしていることができず、体を動かして浮くことを楽しもうとしました。また、自分の意志で早産の未熟児で生まれたのかということを考えていました。途中から、息子と一緒に入りました。
母親に「育ててくれてありがとう」と言えないのは、自分の心が母親の言動によって深く傷つけられてきたためだと納得できました。「私は自分で育ってやったんだと 思おう」と、親を否定する気持ちを認めることができました。

【息子を抱きしめるときも目を閉じる余裕】


Bその後の変化
(息子に対して)
自分以外の人は、皆息子とゆったり関わっているように見えて、周囲の人に対して嫉妬してました。ゆったり関わりたいとずっと思っていたのですが、時間がどれだけあっても、ゆったり関われていない感じがありました。ところが、自分でゆったりかかわっているという実感が初めてわきました。抱きしめるときも目を閉じる余裕が生まれました。今まではそんなことをしようと思ったことがありませんでした。ただ抱いてやればい いと、思っていたように思いました。今までより心のこもった抱き方ができた気がしました。
今では、周囲と自分を比較することもなくなり、ゆったり関わりたいと感じることもほとんどなくなりました。

【子供時代の気持ちを夫に話す−「おれと同じだ」】


(夫に対して)
子供の頃、母親が私に苛立ちをぶつけてきて、それが大嫌いだったのに、自分が夫に対して同じ行動パターンを取っていることに気づきました。
例えば、夕食の支度で忙しいときに、夫がのんびりテレビを見ていると、腹が立ってきます。食卓の上くらい片付けて欲しいと思うのですが、苛立ちで頭の中がいっぱいになってくると、頼む気も失せ、「何かしようか」と夫が申し出ても、「言われなきゃ気づかないくらいなら、あっちへ行ってて。」と追い立てたりしてました。頼むのを我慢するくらいなら、最初から「片付けて」とか、自分から頼めば、後味の悪いことにもならないのです。薄々気づきだしていたのですが、今回はっきり自覚できました。
この自覚が生まれたので、苛立ちをぶつける前に、自分で気づいて、別の言い方を考えたりして、母と同じパターンを取らないようにすることができるようになってきました。
夫に、自分と母の行動パターンのこと、そのときの子供時代の気持ちを話したところ、「おれと同じだ。」と言っていました。夫も「外では仕事で疲れるので、家の中のことまで考えたくない、言われたことだけやりたいのだ」と話してくれました。
(自分に対して)
自分の本音を隠して良い母親を演じるような、母のまねを止めようと思いました。そのせいか、育児日記を細かくつけなくなりました。最近では、書かない日もあります。

【腰痛の痛みが取れる】


(身体の変化)
食べるのが億劫になっていたのが、前より食べられるようになりました。 腰痛のピリピリした痛みが取れました。膝の痛みも少し和らぎました。
家事と育児の両立が精神的に負担だったのですが、寝てごろごろ過ごす自分を受け入れられるようになり、のんびりと家事をこなすようになり ました。
(心の変化)
 自分に自信が湧いてきました。例えば、洋服。安物ばかり買っていましたが、自分を安物扱いするのは止めようと思うようになりました。無理のない範囲で、自分を飾ってやりたいと思えてきました。
また、書類の作成の際、提出日にならないと、提出の日付を記入できなかったのですが、前もって記入して、提出日までに準備することができました。これなどはごく小さな変化ですが、今までとったことのない、行動の大きな変化だと感じています。 今までは、前もって書いておくことが、なんとなく自信がなくてできませんでした。今はよし書いておこうと思うことができます。いつ書いても同じことなのに、その日にならないと書けなかったのです。
寂しさのあまり、誰かから電子メールが来ていないかと、日に何度もチェックしていたのに、パソコンに向かう回数が減りました。また、受信のためでなく、自分の用事があるときにパソコンに電源を入れることが増えました。
[2回目のセッション]
2回目を受ける前に、自分の過去の記憶の分析に時間をかけました。その結果、周 囲の人に、思ったことが言えなかった、聞き入れてもらえなかったという記憶が主に残っていることに気づきました。中でも、母親に対して自分の本音が言えなかった、聞いてもらえなかったという記憶には、大きな悲しみが伴っていまし た。
母への怒りを出すために、セッションに取り組むことにしました。

Aセッションで気づいたこと
<ヒプノブレス>
 母に自分の気持ちをわかってもらえなかった悲しさ、十分甘えられなかった寂しさが、自分のこころを踏みにじった母親への怒りとなって強く現れました。先回よりも言葉も胃液も出すことができました。
前述のとおり、ブレスワークには苦手意識がありましたが、自分が思っていた以上に自分の思いを吐き出すことができました。
<フローテイングセラピー>
 前回よりもゆっくり浮かぶことができ、自分の鼓動を聞くことができました。胎児が母親の心音をこんな感じで聞いているのかなと思いました。
先回よりお湯の温度が温かく感じられたので、居心地良くお湯に浸かっていられました。
先生のお話では、設定温度はいつも同じだということだったので、不思議でした。 【息子の声が元気で大きい】
Bその後の変化
(息子について)
 セッションから帰宅後、息子の声がより大きくなったように感じました。夫も「いつもより元気がいい」と 言ってました。息子が初めて大きな声で突然叫び、驚きました。私のブレスワークときの感じと似ているように思えました。

【落ち着いた自分】


 (自分について)
 パソコンの電源を入れる回数が、1日に1、2回程度になりました。電子メールの受信チェックは、楽しみの1つではありますが、ときには、パソコン電源を入れることを億劫に思うこともあり、随分気持ちが落ち着いたと感じています。
【優しい声、どっしり した感じ−と言われる】
(息子に対して)
 夫から、「○○と2人の会話のときは、優しい声だな」と思うようになったと言われました。市の保健師さんからも、「『○○くんのお母さん』と いう、どっしり した感じが出てきた」と言われ、うれしく思っています。
今後も、自分の記憶の分析を続け、また今の自分の心の動きに注意し、ゆくゆくなぜ母が自分を死にかけの未熟児として早産したのか、自分は母親に本音を言うことをなぜこんなにも恐れるのかを探っていきたいと思っています。