夏の断片(かけら)
あの日突然の出会い たった一人でたたずむ少女
アクアマリンのプリズムの中 ソーダ水のグラスに映る入道雲
潮風に髪が揺れ 麦わら帽子の行方に触れ合う手と手
素足で打ち寄せる波と戯れる 白いワンピースの笑顔が眩しかった
君を守る優しい風になる
高く果てし無い青空 焼けた防波堤のテトラポット
共に手を取り歩いた日々 二羽のカモメが舞い上がる
暑い夏終わり無く続き 繰り返す季節と願う
渚の貝に耳を当てると 懐かしいあの頃のメロディー
水平線に沈む夕日が 岬の灯台を紅色に染める
脱ぎ捨てられたサンダル 砂浜に続く足跡は波にかき消され
「さよなら」も言わずに消えた君 いつかまた会えると信じている
秘めた思いは静かに強く
小瓶に入れた星の砂 握り締め涙が零れ落ち
一夏の思い出のピース 蜃気楼のように消えるだから
遠い夏心に刻みたい 君と生きた季節だから
流れる雲を追い掛けていた 君といた永遠の場所
幾千の月日(とき)を経ても 忘れる事が出来ない記憶
青い夏終わりを告げ 新たな季節が訪れる