印鑑の要らない社会が来る
電子認証の仕組みについて語ることは避けましょう。
難しくて字数ばかり増え、大変ですし、きちんと説明できるほど詳しくありません。
現在、電子文書に署名をするためには次の方法があります。他にも色々あるのですが、我々の
仕事に直接関係する範囲に限らせていただきます。
書類に電子署名する方法としては次の2つがあります。
1,民間認証局(CA)の発行した電子証明書を使う方法
2,JPKIの公的個人認証サービスの電子証明書を使う方法
以下に比較検討してみます。
取扱企業と使用方法
1は老舗のVerisign、日本認証サービス株式会社、その他SECOM,・・・etcの発行した電子証明書
を使う方法です。
秘密鍵と公開鍵を使用するパソコンの 証明書ストアという領域に保存して使います。
2は全国の市区町村において平成16年1月29日から開始された、都道府県知事が発行した電子
証明書を使って電子署名する方法です。
秘密鍵と公開鍵はICカードに保存されています。パソコンにICカードリーダライタという装置を接続
して必要の都度その装置にカードをさして使います。
コスト(使用料と付属機器)
1はVerisignが安く(1年2000円くらい)、他は1年8000円とか9000円位の値段です。付属機器は
不要です。
2は3年間で500円だったかと思います。ただICカードリーダライタを購入しなければなりません。
ICカードリーダライタは2000円程度から高いもので1万5000円くらいします。
トラブル時の問題解決の容易さ
1はWindowsのインストールされたパソコンを利用する前提で考えられていますので、比較的容易かと
思われますが何しろ使用方法に関する詳細な文献というものがなく(あっても難しすぎてよくわから
ないのですが)、通り一遍の説明のものが多いため、何かトラブルが起きたときにいきなり手探りで
解決方法を探す羽目に陥ります。
2は都道府県協議会から詳細なマニュアルが発行されていますので、かなりの事例に対応できると
思いますが、その分難しい。特にJAVAを使った証明書の有効性確認を行なうのは、普通のパソコン
ユーザが必ずしもJAVAに慣れていないため、かなり難しいと思います。
汎用性
1で発行されるデジタル証明書にはいろいろなグレードがあるようで、WEBサーバ用とかメール用、
コード署名、変わったところではVPN接続の相手認証用等の利用方法があるようです。
2は現在の所市区町村で発行している印鑑証明書に代わるものもしくはそのものと呼ぶのがぴったり
来るようで、書類に捺印をする代わりに電子署名をする用途以外の使用法は思いつきません。
対応アプリケーション(当然前記のグレードに左経っていますので、それなりの数のアプリケーションが
対応しています。Adobe Acrobatやメールソフト、最近では一太郎2004も対応したとの噂を聞いています。
2は何せ始まったばかりなので、現在のところ、私が知っている範囲では、役所から頒布された公的個人
認証サービスクライアントソフトと株式会社リーガルで発表している法人認証キットで使用できるのみです。
我々がよく使うメールソフトのOutlookExpressで使用できるか
1は、自分の試したVerisign , 日本認証サービスとも可能でした。
2は、デジタル証明書にメールアドレスが載っておりませんので、メール用としては使えません。