ペーパーレス事務処理をめざす
今はあまり言われなくなりましたが、10年くらい前にオフィスのペー
パーレス化が盛んに言われたことがありました。
WEBが一般化し始めてインターネットエクスプローラーも広く一般に
行き渡るようになり、インターネットと社内LANとの境界がイントラ
ネットという言葉により少しずつ取り払われつつある時代の出来事で
した。
ブラウザーソフトが無料で広くユーザーの間に浸透するようになると、
ブラウザを使って画像データを閲覧することが可能になりますので
オフィスのペーパーレス化を進めるに当たって、大変なコストの節約
を図ることができます。
ペーパーレス化を語るには、
1,現在オフィスの中にある紙資料をデジタルデータ化する場合と、
2,デジタルデータ同士のやりとりを行う場合との2種類があります。
1のオフイスのペーパーレス化というのは結局のところ、ペーパーを
スキャニングという行為を通してデジタルデータ化し、そのデジタル
データをブラウザで表示することによって書類を紙でではなくモニタ
の画面上で見るようにすることでありまして、必要に応じて文章プリン
トアウトすればよいというシステムです。そして何千枚という単位で収
集されたデータをデータベースを使って整理していつでもどこでも
引き出せるようにしたシステムのことです。
WEBが世の中に広がり始めたころは、ブラウザソフトは有料でした。
ブラウザソフトが高価であったため、WEBを体験しようと思っても予算
的になかなか厳しく、すぐにWEBを体験することができなかった時代
があったなどとは、昨今のインターネットユーザーには信じられないこと
かもしれません。
もし社内LANでペーパーレス化を進めるにあたり各クライアントにイン
ストールするWEBブラウザが1本20,000円もしたら、社内LANの
すべての機械にブラウザをインストールすることによって発生する経
費はとてつもない金額になります。その意味では初代InternetExplorer
が無償で交付されるようになったことは画期的な出来事でありました。
私たちの職場は、とにかくお客様からお預かりする書類が多い。ましてや
それを一部でもコピーでとっておこうとすると、膨大な分量になってしま
います。
ところが、これをデジタルデータで残しますと、IDEのハードディスク一個
ですみます。
もし紙で保存すると六畳間一部屋まるまる書類で埋まってしまうかも知れ
ません。
2のペーパーレス化はファクシミリによる通信を思い浮かべていただけれ
ば理解しやすいかと思います。ファクシミリという通信方法は紙に描かれ
た情報をスキャナーで画像データとして取り込んで、それをファクシミリ
というコンピューターを使って電話線を経由してアナログデータに変換を
して相手先のファクシミリに送り、相手のファクシミリ機は電話線から受け
取ったアナログデータをコンピューター内部でデジタルデータに変換し、
あたかもパソコンでプリンターに印刷するようにプリントアウトするシステムです。
以前はパソコンで作成した文書をファクシミリで送るときに、まずパソコン
の文章をプリンターで印刷をし、その印刷物をファクシミリ機にかけて相
手先に送信をしていたものでした。今ではそんなやっかいなことをしなく
ても、パソコン上にあるファイルをパソコンの中で画像ファイルに変換し、
モデムを経由してアナログデータに変換をし電話線を経由して相手先の
ファクシミリにデータを転送することができるようになっています。これは
言ってみればファクシミリ送信におけるペーパーレス化といえるでしょう。
次にファクシミリ受信におけるペーパーレス化についてお話しします。自分
の使用しているパソコンにアナログモデムが付いておれば、だいたいその
パソコンにファクシミリを着信させることができます。こうすると着信毎に紙
を排出するわけではなくなりますから大変にコピー代の節約になります。
特に営業のチラシなどがファクシミリ機に送信されてくるのを苦々しく思っ
ていらっしゃるオーナーも多いと思いますが、このような不要なファクスは
紙に印刷するまでもない、ましてやコピー機との複合機でしたら1枚紙を
印刷するごとに7円とか8円のメンテナンス費がかかるわけですから、なお
さらです。
これが受信ファクスに対するペーパーレス化です。
ただ送信にせよ、受信にせよ社内LANの各クライアント機が必ずしもモデ
ムを装備しているとは考えられませんので、すべての機械から平等に電話
回線を使ってデータを送信することができるとは限りません。場合によるとファ
クスを送信受信するGatewayとなるファクスサーバーマシンを設置し、サー
バマシン経由でデータを送信し,サーバーマシンからデータを配信してもらう
ような設定が必要になります。この場合着信するファクスは全てサーバマシン
に着信し、そこから社内LANの各クライアント機にメールが配信されるわけで
LANの知識がないと少々難しい話になるかもしれません。
実際にはこのシステムによってどの程度の経費節減が望めるかわかりませんが、
当事務所ではコピー機のメンテナンスにかかる経費が激減いたしました。