オーストリアの医療システムについて

 

オーストリアに来られて日本の医療システムとこちらの医療システムとの違いに戸惑う方も多いと思います。

 

開業医は大きく分けて一般医(Allgemeinmediziner)と内科、外科等の各科専門医(Facharzt)とがあります。

一般医は一般的な診療を行うとともに、よろず健康相談を行います。病状によって専門医の治療を必要と

する場合には、専門医を紹介したり、またはその後のアフターケアを行います。

 

公立保険の契約がある診療所は、1週間に4〜5日午前中または午後に診察しており、通常は予約なしで

直接行っても診察を受けることが出来ます。(例外もあります)

 

プライベートの診療所の場合は、多くは前もって電話で予約をとった後に診察を受けるシステムになっております。

 

各科の専門医も同様に公立保険契約のある医師、またはプライベートの医師に分かれています。専門医には

患者さんが直接行くことも可能ですが、普通はまず一般医に行き、必要があればその病状にあった適切な

専門医の紹介を受けたあとに、それぞれの専門医を訪れる方法が一般的です。

 

こちらの診療所は大体アパートの建物の中にあり、日本の診療所と比べて見つかりにくいようです。

オーストリアでは完全な医薬分業なので、さらに血液検査が必要な方は血液検査所へ、レントゲン、

超音波(エコー)、CT、MRI の検査が必要な場合はレントゲンの専門医を訪れなければなりません。

 

患者さんは検査データーが全部出揃ったところで、それを一般医のところへ持参して病状についての説明を

受け、今後の治療方針の指示を受け、または必要な場合はさらに別の専門医へ紹介されます。

 

病院は大学病院、公立病院そして私立病院があります。大学病院は日本の大学病院と同様に難かしい病気や

症例の少ない病気の治療、臓器移植等を行っています。

 

Notfall-Ambulanz(救急外来)は24時間オープンしています。

 

以上オーストリアの医療システムの概略について説明しましたが、日本での現行の制度とは大きくことなっています。

このために事前に制度のことを十分に理解しておく必要があります。どういう方法を選ぶのがよいか、その時に判断

しなくてはなりません。

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