ユビキタスコンピューティング社会
平成15年8月末のことでしたが、友人の骨折りのおかげで、東京都千代田区内幸町の電子行政モデルルーム
(net community)にて講習を受けることが出来た。
電子政府のデモンストレーションにも感心したが、来るべきユビキタスコンピューティング社会の一端を垣間見て、
感動を覚えた。
それはSolution Spaceにおかれた、病人用のベッドであった。
ベッドサイドから支柱が伸びてその先端に液晶のタッチパネルを兼ねたディスプレイがくっついている装置であった。
看護士にメールを出す、とかブロードバンド回線を使用してテレビ電話が出来るとか、我々が企業活動の中で特段
の驚きもなく行っている行為がこれほど病人のためになると考えたことがなかったので胸を打たれた。
入院している患者さんにとって、忙しくしている看護士につまらない用件を面と向かって頼みにくいということが結構
あるそうで、こういう場合、ストレスを感じないで済むようにメールで用件を依頼すると患者は楽であるとの説明だった。
例えば「シーツを買えて欲しい」とか「外泊許可の申請」など。
また、テレビ電話が自由に使えるということは、患者の家族がたまたま都合がつかずに見舞いに行けない場合、
テレビ電話で顔を見ながら話をすることが出来るだけで、どれほど心の支えになるだろうか、と感じた。
現在、同所に展示してあるモデルが国立小児医療センターで使用されていると聞いた。
優しさと思いやりに満ちた医療現場で、このような機器が果たす役割は計り知れないものがある。
人間に優しいコンピューティング社会が身近なものになればよいと心から願うのと同時に、これら機器を開発した
メーカーに敬意を表したいと思う。
そしてコンピュータによって病人が少しでも安らぐことが出来るようになることを切に願う。
ネットコミュニティ(netCommunity)のアドレスは http://e-japan.fujitsu.com/nc/